情報

 ピザも大方食べたころ、元スケルトンズからいろいろ話を聞いた。グループとしてはデッドガールズという名前で活動するということや、日本での名前、そして年齢、配信をすることなど。


 アインとフィニが先導して決めたらしい。そういえば召喚を解除はしてたけど、一番長くこの世界に触れてるんだもんな。


 ところで活動の際のグループ名何とかならない?


 まぁいいか。とりあえずこれで布石は打った。あとは俺の……。


 おなかいっぱいのみんなには休んでもらって俺がピザの箱などの後片付けをしてると、電話に着信が来た。また探索者協会からかなと思って確認すると、とある知り合いからであった。


「もしもし、日向さん?」


『せやで~。夜見元気そやな~!』


 電話をかけてきたのは関西弁もどき(?)で話す女性だ。彼女は日向 亜紀。この日本にたった二人の召喚士のうちの一人で、Sクラスのとっても強い人だ。


「なんで電話してきたんです?」


『うん? 自分に召喚士(V)の能力教えてやろ~おもて』


 V!? さすがSクラスだな、やっぱりすげぇ。


「ありがたいですけどいいんですか? 情報は探索者の宝でしょ」


『ウチは召喚士業界を盛り上げたいんよ。まぁウチと自分しか召喚士ここ日本にはおらへんけど』


 前回も同じような流れで結局教えてもらったからな。今回も教えてもらうことにしよう。ちなみに俺は今職業レベル(Ⅲ)だが、それに関しては日向さんも調べてなかったらしく聞いたことはない。


「ではお言葉に甘えて」


『少し長くなりそうやけど自分大丈夫なん?』


「……少し待っててくださいね」


 俺はいったんピザの箱をまとめ、ウェスタたちにテレビを見て待っているように話をした。


「失礼しました」


『かまへんで~。じゃあさっそく始めよか!』


 と、いうわけで突発日向さんの召喚士(V)講座が開始された。


『まず最初に話たいんは召喚可能数の上昇やな。予想通りというかなんというか、上限は50になったで』


「あー前は40でしたもんね」


 前の説明のことを思い出す。確かⅣで40だから多分Vで50とか言ってたしな。


『せや。この辺は予想通りやな。ウチが予想してなかったのは経験値関係の変化やな』


 ……俺の布石にもかかわる話だ。


『前に配下が倒した魔物の100分の1程度の経験値が手に入っている可能性があるってウチはゆーたやろ? それがなんとやで? 10分の1程度まで増えてるっぽいんや!』


 10分の1……。単純に10倍か。それは普通に異常な成長速度になるんじゃないか?


 加速度的に強くなる日向さんが想像できてしまった。


『ウチは配下の魔物をところどころのダンジョンに残してきてるからこれから経験値爆増でめっちゃつよなるで?』


「いつか追いつけるように頑張りますよ。僕もⅢまでは来たんで」


 一緒に召喚士という存在を有名にするという話を一度したし、俺も頑張らないと。


『おお! だいぶ伸び悩んでたのにようやったな!』


「ええ、たまたま機会に恵まれましてね」


 ウェスタと出会ったのは本当に運がよかった。運が悪かったといえるかもしれないけど。


『よかったやん。ウチも嬉しいで。せや、今度久しぶりに会わへん?』


「いいですけど、いつですか?」


 別にいいんだけど……。この人と一緒に行く場所って言ったら決まってカラオケなんだよなぁ。俺歌えないって言ってるのに。


『今週と来週は忙しんよ。再来週とかでかまへん?』


 仮にもSクラス探索者、やはり忙しいらしい。


「来週は少し用事がありますけど、それ以外なら大丈夫ですよ」


 もちろん、来週にはコラボがあるからな。忘れてないぞ。


『了解や。予定しっかり確認できたらまた連絡するで~。ほなまた~』


「ありがとうございました」


 日向さんとの電話が切れる。しかし、これはまたいいことを聞いたものだ。目標に職業レベル(V)が追加だな。


 さて、軽く整理して終えていた片付けを終わらせて、そろそろ明日の用意しようか。明日はBクラスダンジョンでレイナ主役の配信だ。


 元スケルトンズのみんなにはとりあえず家にいてもらおうか。9人ともなるとさすがに大所帯すぎて移動とか面戸くさいことが多いしな。


 召喚解除するのも忍びないし、取り合えずいろいろな動画とかを見てこの世界のことを知ってもらおう。


 そんなことを考えて居るうちに片づけも終わり、ついに夜になった。ちょっと申し訳ないけど、元スケルトンズ達にはリビングで寝てもらうことにした。寝る必要があるかどうかは不明だけど。


 というわけで翌朝。俺が一番早く起きたらしい。元スケルトンズのみんなはリビングのソファーのあたりでしっかり寝ていた。


 ちゃんと寝るんだな、アークレイスとかいう種族の魔物でも。


 さて、皆の朝ごはんを用意するとしよう。とは言っても亜空間からコンビニおにぎりをだしてくるだけだけどな。賞味期限とかは時が止まっているから気にする必要がないが、放っておいていると買ったことを忘れそうだしな。それはさすがにもったいな。


 ということでしばらくは在庫処分ご飯である。

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