新メンバー、降臨。
3人でレースゲームをプレイしたのだが……。初見のはずの2人になぜか俺がぼこぼこにされた。確かに俺はこのゲーム苦手だよ? でもさ、ずっと最下位は違うじゃん。鈴音とやってたときはこんなことなかったのに。
あ、鈴音も弱いんだったわ。鈴音と五分五分だった俺も弱いのあたり前だった。
「主殿……どんまいなのじゃ」
「手は抜いたつもりだったのですが……」
やめてくれ、心に刺さる。特にレイナお前!?
「はぁ……俺後でこっそり練習するわ」
「それはいってよいのかのう?」
「主様、それは宣言しているのでこっそりではないですよ」
うん、そうだね。もういいよ。配信あと1時間だよ? スクリーンの設定とかいろいろしないとあれでしょ。
そういうわけでいつもは2階の俺の部屋にあるパソコンを1階のパソコンのそばに置きなおし、最新カメラも起動して、2人の座るソファーの上を映すようにする。
最初はウェスタだけがカメラの前に出る予定だ。最初に新メンバーについての発表をしてからレイナに入ってもらう予定だな。
ちなみにゲームだけは俺も出るぞ。ぼこぼこにされるだけだけど。
そういうわけでもろもろの準備を終えたので、全員で配信の位置についた。もうすぐ配信が始まるぞ。
俺の位置はパソコン諸々機材の近く。ゲームをしながら過激なコメントとかを見つけたら消したりとかいろいろしなければいけないからな。
レイナはウェスタの話が終わるまで俺の隣だ。登場のタイミングでカメラに写されているソファーの隣に移動してもらう。
配信前にさらに告知等をしなおして、ついに配信開始の時間になった。俺は2人に合図を送ると配信開始のボタンを押した。
「こんにちはなのじゃ~! 前回の告知から日がずれてしまって申し訳ないのじゃ。SNSを見てくれている人は知っておると思うが主殿の家の隣にダンジョンができていろいろ大変だったのじゃ。今日からは活動を再開するぞ!」
コメント
『こんちゃ~! 家の隣にダンジョンw』
『再開歓喜』
『待ってました!』
ウェスタが手慣れた様子で最初の挨拶をしてくれる。コメントのみんなもいい感じだな。同時接続も15000人になっている。普通にすげぇよ。
「さて、今日は重大発表が1つあるのじゃ」
コメント
『SNSに上がってた写真の子と関係はありますか!』
『まさか新メンバー?』
上げた写真のおかげでばれてら。多分菓子パンの写真が原因だな。
そしてウェスタは俺たちのほうを見て合図をくれる。そろそろレイナが出る時がくるな。
「少し感づいているものもおるようじゃが……正解じゃ! 今日は『ウェスタン』新メンバーを紹介するのじゃ! レイナ! 来てもよいぞ!」
ウェスタに呼ばれたレイナは俺の隣からウェスタの隣に移る。カメラにもしっかり入ってるな。問題はなさそうだ。
「はじめまして。本日からウェスタさんとともに活動させていただくくレイナと申します」
「相変わらず固いの~。今日からともに活動するレイナじゃ! 死霊王という魔物で儂と同格に当たるぞ!」
レイナが固くても問題ないと思ったのはウェスタの存在があるからだ。ウェスタがいるおかげで固くても話は進みやすい。
コメント
『う、美しい……』
『レイナ様……』
『ウェスタちゃんと同格……?』
コメント欄のレイナの反応を見た限り、6割が一発でレイナの容姿に見惚れ、3割から4割程度がウェスタと同格であることに驚いていた。
「本日の内容じゃが、新メンバーのレイナへの質問コーナー、加えてヒゲカートをやっていこうと思うぞ!」
「質問には真摯に答えさせていただきます」
「質問コーナーはゲームの休憩の際に設けるぞ! 今日は儂らの初見と参加型、両方やるからのう主殿、ゲームの画面を移してほしいのじゃ!」
ウェスタの指示を受け、俺はゲームの画面を配信に表示、そして二人を画面の右下に配置してゲーム画面が大きく見えるようにした。
「よし、OKなのじゃ!」
「それでは初見、行きますか?」
「そうじゃな! レッツゴーなのじゃ!」
二人はヒゲカートのゲームプレイを開始したのであった。当然ながらこれには俺も参加する。
「ふっふっふ。いかずちなのじゃ!」
ウェスタに妨害アイテムを使われ俺のアイテムが消滅する。ちなみにこれは全体攻撃なのだが、レイナは無敵になるアイテムを使っていて当たっていない。俺だけに命中したいかずちである。……いじめ?
コメント
『主、よっわw』
『ウェスタちゃんとレイナ様、普通に上手くね?』
やはり俺だけ突出して弱いのか、すでに3連最下位である。なんで??
「主殿、そういう日もあるのじゃ」
「お疲れ様です。主様」
レイナがシンプルに刺さる言葉をかけてくる。悪意ありませんか?
コメント
『おw疲wれw様w』
『いや~主殿これはゲーム音痴トップですわ』
2人の配信なのになぜか俺がコメントの的になっている。勘弁してくれ、俺はもうやらないぞ。そういうわけで二人には視聴者参加型をやってもらおうと思う。
そして、多分念願の質問コーナーに入るぞ。
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