召喚士と最強の竜
淡い光で満ちた洞窟の中を俺達は進んでいく。浅深度で、まだ魔物とは出会っていない。
「なかなか魔物が来ないのじゃ……。所で主殿、ここではどんな魔物がでるのじゃ?」
ウェスタが少し暇そうにしている。まぁ探索を初めて15分、魔物同じ風景を眺めているだけじゃ確かに暇になるよな。
でもまぁダンジョン探索ってのはこんなもんだ。
「このダンジョンで出現するのは……蛇系の魔物、トカゲ系の魔物、蜘蛛系の魔物だな」
ちなみにボスはBクラスの蜘蛛系、アシッドスパイダーだな。毒持ちの魔物だから今日は挑まないつもりだ。
「余裕じゃな」
「そうか? お、初の魔物が来たらしいぞ」
俺達の目の前に岩のような鱗を持ったトカゲが現れた。ストーンリザード。Dクラスの魔物だな。
「儂に任せるのじゃ! 『火炎爪』!」
俺が魔物を見つけたその瞬間にはすでにウェスタがストーンリザ―ドに近付いていた。
その爪が竜のものに変化し、その爪は赤く燃え盛っている。
そして一瞬にしてストーンリザードが細切れになった。
やばい、俺めっちゃステータス上がったはずなのにウェスタの動き全然見えなかったぞ?
「主殿、魔石じゃ!」
ウェスタがこちらに魔石を持ってきた。小さいが、それでもDクラスの魔石は初めて手に入れた。ずっとFクラスの魔石しか手に入れたことがなかったからなぁ。
あ、そういえばAクラスの魔石を泊さんから頂いていたな。
指輪の中に収納しているから、支部に帰宅したら売ることにしようか。
「ありがとな、ウェスタ。ウェスタのステータスって見れるか?」
正直めっちゃ気になる。どれほどのものなのだろうか。
「儂のステータスか? 主殿のステータスの契約欄から見られるんじゃないかのう?」
「え、本当か?」
「試して見るとよいのじゃ」
ウェスタに言われた通りに、俺自身のステータスを開き、『契約:炎竜王』の部分に触れてみる。
すると、ウィンドウの画面が切り替わった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
種族:炎竜王
名前:ウェスタ
レベル:4871
ステータス:攻撃力 1918012
守備力 2565421
魔力 2768654
知力 2134212
精神力 1820934
速度 2009875
スキル:『剣術』『爪術』『竜魔法』『異世界魔法』『火竜召喚』『状態異常耐性(極大)』『真竜化』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
は? いやいやいや、え? 一度目をこすってみて、そうしてもう一度確認してみるがやはりステータスに変わりはない。
「いかれてんだろ……」
「どうかしたのか?」
「いや、なんでも……」
こんな奴に俺は殴りかかったわけか。というかこんなステータスしてりゃそりゃあの程度の攻撃じゃ死なないわな。あの程度っていうのもあれだけど。
「ステータスの確認ができたなら続きと行くのじゃ!」
こんなかわいらしい少女が化け物見たいなステータスしてるなんて誰も思わないだろうなぁ。とりあえず見なかったことにしよう。
「おうよ、とりあえず中深度まで一気に進もうか!」
そういうわけで先に進むが、途中に出てくるストーンリザード等のDランクの魔物は全てウェスタに瞬殺されていた。
うん、もう全部ウェスタだけでいいんじゃないかな? 俺いる?
「ダンジョン探索は楽しいのう! 皆とはなしながらならきっともっと楽しいと思うのじゃ」
どうやら配信に関しての心変わりはなさそうだ。今日の帰りにカメラとか買ってくか。多分Aクラスの魔石の買い取り分だけで機材がまかなえるしな。
「おう、今日換金し終わったらカメラ買いに行こうな」
「了解なのじゃ!」
その後もうれしそうなウェスタが魔物を細切れにしていく。うん、もうウェスタだけでよくね?
とりあえず、今のうちにアインとフィニのステータスも見てみるか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
種族:スケルトン
名前:アイン
レベル:10 (進化可能)
ステータス:攻撃力 21
守備力 14
魔力 7
知力 8
精神力 10
速度 17
スキル:なし
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
種族:スケルトン
名前:フィニ
レベル:10 (進化可能)
ステータス:攻撃力 19
守備力 16
魔力 7
知力 10
精神力 10
速度 15
スキル:なし
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ん? 二人とも進化可能って出てるな。取りあえず進化可能の文字を押してみるか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
進化:アイン
進化先:スケルトンウォーリア
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
進化:フィニ
進化先:スケルトンアーチャー
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
なるほど、進化させない理由もない。すぐに進化させよう。
二人を進化させてもう一度ステータスを確認する。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
種族:スケルトン・ウォーリア
名前:アイン
レベル:1
ステータス:攻撃力 41
守備力 34
魔力 7
知力 8
精神力 10
速度 37
スキル:『剣術』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
種族:スケルトン・アーチャー
名前:フィニ
レベル:1
ステータス:攻撃力 39
守備力 16
魔力 27
知力 10
精神力 10
速度 35
スキル:『弓術』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
おお、二人とも強くなったな。こんど二人のレベル上げのためにもうちょっとレベルの低いダンジョンに行こう。ここだとさすがに敵が強すぎるからな。
まさか召喚士にこんな能力があったなんてな。職業レベルが上がった効果とかか?
そういえば職業レベルが上がったことでできるようになったこととか調べてないな。
忘れてた。
「主殿、この先は出てくる魔物が強くなるようじゃが、向かうのか?」
いつの間にか中深度の前まで来ていたようだ。調べるのはまた今度にしよう。
「もちろん進むぞ。俺も深深度に行かなきゃ全然戦えるしな」
調べた限り問題になる要素は全くないからな。
「了解なのじゃ! 突撃じゃ~!」
ウェスタはテンション高めに中深度向かって行った。
置いてかれるとまずいしな。追いかけるか。
中深度で一時間くらい探索したら切り上げるくらいでいいか。やることもいっぱいあるしな。
よし。
「特攻!」
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