自宅にて
何とかウェスタから変態支部長を引っぺがして、何とか自宅に帰宅した。とりあえずこれでCクラス探索者になったわけだから、今度はどのダンジョンに行くか考えないとな。
というか、家について気が付いたが、俺ダンジョンで手に入れた厨二装備のまま泊さんと支部長の前に立っていたのか。少し恥ずかしいな。
「主殿、この黒い四角はなんじゃ?」
ウェスタは部屋に入るなりデスクトップパソコンを指さしてそんなことを聞いてきた。
「それはパソコンだな。いろいろできて便利なんだ。少し使ってみるか?」
「よいのか?」
「もちろん」
俺はパソコンに変な物を保存とかしてないしな。ウェスタに使わせても大丈夫だ。
ウェスタの前で俺はパソコンの電源を入れて見せる。
「このボタンでパソコンの電源を付けたり消したりできるからな。今後ウェスタはパソコンを自由に使ってもいいけど、使わないときは電源を切っておいてくれ。電気代がかかるからな」
「わかったのじゃ」
続けて俺が操作していく。検索エンジン、動画ソフトなどなど。お役立ち要素、娯楽要素をウェスタに教えていく。
多分教える必要があるのはこれくらいだな。後はネットリテラシーだが、これに関しては後で動画を見せよう。ウェスタは頭がいいからすぐに理解してくれるはずだ。
ウェスタはMetubeで面白い動画を見つけたのか、動画を見るのに夢中になっていた。すでにパソコンの操作は覚えたようである。
ウェスタがパソコンを見ているうちに俺は家事をこなしておくか。
家事も一通り終わり、ご飯を用意しようとした所、ウェスタに声をかけられた。
「主殿、ダンジョン配信というものは儂らでもできるのか?」
ダンジョン配信、か。確かに今熱いと話題のジャンルだな。俺は生活のために忙しかったから余り見てないけども。
「あー道具さえあれば一応な」
俺も一応やってみたいと考えたことはあるが、どうにも有名になる要素がなかったからやめていた。
「どうじゃ、儂をメインにこれをやってみては」
……なるほど、確かにウェスタがメインなら有名になる要素は多くあるぞ。まずは見た目、幼いが容姿が整っていて何より赤髪というイメージに残りやすいものがある。
まぁ能力で髪の色が変わる人も結構いるから珍しいわけではないんだけどな。
後はその圧倒的な強さだ。
「確かに挑戦するにはいいかもしれないな。もう少し金を稼いだらカメラとか買ってみて、やってみようか。どうせならトップ、目指そうぜ」
「頂点に立つのは儂らなのじゃ」
ウェスタが意気込んでいる。この独特なキャラも売れてくれるといいんだけどな。
さて、そしたら明日からはダンジョンに潜りまくって金稼がないとな。自立型ドローンカメラとか、結構高いんだ。
「そしたら明日からダンジョンに潜って多めに魔石をとって金を稼ごう」
「儂の出番というわけじゃな! 頑張るのじゃ!」
「そういうわけだ。まぁ俺も戦うけどな?」
ウェスタとその後も話合ってから時刻を確認すると、すでに午後10時を回っていた。
そろそろ風呂入って寝るか。明日の朝も早いからな。
「ウェスタ、風呂ってわかるか?」
「風呂とはなんじゃ?」
「簡単にいえば、お湯につかって体の汚れを落とすことだな」
やっぱり知らないようだった。風呂を知らないのは損であるということでウェスタも風呂に入れようと思ったが見た目的にダメなことに気が付いた。
女児だもんな見た目。初めての風呂1人で入れるかな?
「汚れを落とすならこれでいいんじゃ。『
ウェスタの周りを魔法陣が覆い、少し埃が付いていた髪も綺麗になった。そんなことできんの?
「なんだそれ?」
「生活魔法の一種じゃよ。この世界の住人にも使えるのかのう?」
この世界の住人? どういうことだ?
「ウェスタ、もしかして世界はいくつもあるのか?」
「そうじゃな。儂がもともと生きていた世界とはここは異なる世界のようじゃからのう」
そうなのか。じゃあどうして日本語を話せるんだ?
「日本語話せるのはどうしてなんだ?」
「魔力の記憶じゃな。この地の魔力を取り込んでいるうちに覚えたのじゃ」
魔力の記憶とか言われても俺はわからないけどな? まぁ炎竜王なりの感覚というものがあるのだろう。
異世界について聞くのは今度にしてとりあえず風呂に入ろう。日本人として風呂に入らないと落ち着かない。
「とりあえず俺にはよくわからん理由っていういうのがわかった。風呂に入ってくるからウェスタは寝るかパソコン見るかしてまっててくれ」
「わかったのじゃ~」
ウェスタは上機嫌に二階に上がっていった。うん、相当動画見るのが気に入ったんだな。
俺はとりあえず風呂にお湯をためて少し待つ。しかし、ウェスタとは今後話し合わなきゃいけないことがどんどん増えていくなぁ。
でもまぁやることが多いほうが作業のような毎日よりかはきっと楽しいな。
思えば一日でこんなに誰かと会話したのは久しぶりだ。
それだけでもうれしいな。
お、お湯もたまったな。じゃあ風呂はいってゆっくりしてからちょっとウェスタと話して寝ることにしよう。明日はちょっと離れたCクラスダンジョンにいってみよう。
あ、まだ変態支部長からCクラスの探索者証受け取ってないから無理じゃん。
先に探索者協会よっていくかぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます