第6話 敵地への潜入はツライ......
「ええええええええええっ!」
私はいろんな話の流れで結局、敵のアジトに放り込まれている。
私たちの作戦はこう。私は強敵アジトに放り込まれる捕らえられた獣人の中に紛れ込んでいる。
写真とっとこ。獣人と檻なう♪
私の今回の目的は私の服の中に仕込まれた爆弾で相手の中枢部。
魔力管理棟を破壊することらしい。
現実でやったら絶対に炎上する。それどころか社会問題。
だから今回の事は動画のネタとしてなし!
成功のあかつきにはエルミアさんが私に協力してくれるらしい。ネタにはちょうどいいかも。
「中に入るぞ。上手くやれよ」
ちなみに運び手たちは味方らしい。何やら敵を捕まえて色々したら仲間になったとか。
「よし。お前らの役目はここまでだ。こいつらは俺らが運ぶ」
基地の扉が開き、内部から敵Aと敵Bが出てくる。
如何にも傭兵っぽい。これ本当に大丈夫かな?
私は猫耳衣装の猫耳頭に付けてるだけだからすぐばれるかも。
私たちは牢から出され、地下へと運ばれていく。
ちなみに周りにいる獣たちは優秀な魔法部隊らしい。魔法が使えないところにそれ送るかな?成功する前提?
歩くこと10分。私たちは何個にも別れた通路をずっと歩いていた。
確かここが中枢地点に一番近い通路。エルミアさんの偵察部隊が通ったらしい。
ここから先の地図も全部、把握されている。
強盗団が間抜けなのかエルミアの制圧課が優秀なのか。
「お願いします。リリさん」
隣の獣人が私の耳元で合図を送ってくる。
成功するかな?
「すいません~少しお花摘みに行きたいんですが~」
「お花摘み?何だそれ?花なんて生えてたか?」
変な言葉が結構出てくるのにお花摘みはないのかい。
「す、すこしトイレに行たいんですが……」
両手で無理やり着せられたボロ服を押さえてもじもじしてみる。
ここで発動。誘惑のオーラ。発動条件は分からない。
「お、おう俺が案内してやるよー」
「おい、ずるいぞ!」
「何だよ?何か文句あんのか?」
前のウサギのとおりにAとBが喧嘩を始めた。これがで分散。
「うわ……これ結構きついですね。私たちまで変な感じになります。早く別れましょう」
私たちはそれぞれの道に分散する。
そして私と共に来てくれる獣人は二人。なんとか攻略しなきゃ。
中枢エリアはマップに書いてある。
今やってる事、すっごく異世界人っぽい!
「お前ら!何をやってる!?」
目の前の通路に複数人の強盗たちが剣やらナイフやらを持って現れる。
「リリさん。ここは任せてください」
二人の付き添い獣人が蹴りで強盗をぶっとばす。
「この先に強盗はいないはずです。早く仕掛けて来てください」
私は獣人たちをおいて先に進む。
えっと……中枢塔は確か内部の……この先だ。
「グルルルルッゥゥ」
今、何か嫌な鳴き声が聞こえた気がする。もう泣きたい。
「こんにちは~中枢部に行きたいんだけど行かせてくれないかな?」
「グゥゥゥゥッ」
虎のような豹のような生き物がこちらを睨みつけてくる。
怖がっちゃダメ。こういう時は自分を大きく見せないと。
「私はチャンネル登録者20万人の大物vtberだよ!近づくな~」
虎みたいな豹はそんな話を聞くことなく襲い掛かってくる。
大きく見せたのに~。こうなったら
「ガオオオオ!グルルルルゥゥゥ」
とりあえず鳴きマネで威嚇。カンガルーの拳には拳。
虎や豹の威嚇には威嚇。
「ウゥゥ?ウゥ……」
お?効いた?大人しくなったけど聞いた。
虎みたいな豹は襲ってくることなく静かに鳴いて擦り寄ってくる。
お?私の事をボスだと思ってるんだね。いいね~。
「よし!私をこの先まで運びなさい。進めー」
私は虎みたいな豹にまたがりお尻を叩く。
虎みたいな豹は変な鳴き声を出した後に前に勢いよく走る。
「おい!何だ?良かった。先にここに見張りについていて」
2人くらいの強盗がナイフを持って出てくる。
「よ~し獰猛で可愛い虎豹。あの二人をしっかり可愛がるんだよ~」
「ウウッ」
虎豹が強盗の方へ向かって行く。
「おい!こいつちゃんと言葉が分かるようにしつけたんじゃないのか?なんで敵についてるんだよ」
強盗達は猛烈なスピードで逃げ出す。
「よしよ~しいい子いい子~」
「ウルルゥゥ!!」
よし!後はこの太いタワーか。
通路についていた開いた扉の先には集積回路が蓄積してそうなタワーがあった。
でも多分、そんなものないと思うけど。
根っこらへんに爆弾を設置してと。貰った魔法石で火をつけてっと。
「逃げるよー虎豹。走れ走れ!」
私は虎豹と共にその場を離れて獣人たちにいる通路まで戻った。
その瞬間、後方で大規模な爆発音が聞こえた。
「やりましたね……はあはあ。危なかったです」
待ってくれていた獣人達は結構ボロボロでうつ伏せで地面に倒れていた。
その後、しばらくしていかつい制圧隊が内部に乗り込んで基地は魔法で制圧。
およそ40人もの強盗が捕まるのではなく制圧された。
とうの私と虎豹は気絶した獣人二人を乗せて外へと先に出た。
ちゃんと写真も忘れていない。虎豹との2ショットは撮ったよ。
はあ……そろそろ出てくるかな?
「やあ……今の気分はどうだ?私は最悪だ。血生臭い」
「何があったかは聞かないです」
「そうしてくれ」
エルミアさんは歪んだ地下への扉を蹴り飛ばし、血まみれの姿でパイプで煙をふかせる。
「そいつは友達か?そんなやつ見覚えないぞ」
「地下に居ました。鳴きマネしたら懐いたので連れて来たんです」
エルミアはそれを聞くなりフッと鼻で笑い、愉快そうに煙をふかす。
「それ多分。お前をメスとして見てるから手伝ったってことじゃないのか?」
「え……?」
私は慌てて虎豹はお腹を見せてゴロンと寝転がっていた。
結局は人間も動物も同じってことね。
「残念ながらそいつは回収させてもらう。こっちの仲間を3人もヤったんだ。危険だよ」
「えー……」
「安心しろ。ちゃんとお前には会わせてやるから。ほら行くぞ獣。フィアンセとはしばしのお別れだ」
誰がフィアンセだって?私は動物としてしか見てあげられないんだけど。
連れて行かれそうな虎豹がこちらに悲しそうな視線を向ける。
「大丈夫。またすぐに会いに行くから」
私は虎豹の頭を抱きしめた。
「ウルルゥゥ」
虎豹は嬉しくも悲しそうに唸る。
「トミオとチュウリエットごっこは終わったか?」
何そのロミオとジュリエットみたいな小説は。
なんか度々、地球にあるようなものが出てくる気がする。後でイヴリンに聞いてみようかな。
私がそんな事を考えている間に虎豹は大人しく連れて行かれた。
第6話終了
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