第48話 もうすぐ試験

 自身のステータスを確認してみると驚くべき事がわかった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

名前:瀬戸 奏多 (変身ON/OFF☆)

レベル:51

ステータス:攻撃力 7001 (+3485)

      守備力 6931 (+3485)

      魔力  6942 (+3485)

      知力  6991 (+3485)

      精神力 6815 (+3485)

      速度  7132 (+3485)

スキル:<鑑定_Lv.5>

    <成長補正>

    <剣聖★☆☆☆☆>

    <ランダムブレス>

    <キープマジック>

    <絆共有>

    <??? (Lv.100) >

    <??? (Lv.255) >

状態:変身(魂胆同化)

   絆のつながり【三並 彩佳】

   セーブ【札幌地下大迷宮5・10・15・20】

   共有【三並 彩佳】

   統率強化【河野 美咲】

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 統率のスキルの強化幅は1.5倍に近い。今なら俺の平均ステータスが10000を超える。仮にとは言え、Sクラスの領域に届いたわけだ。


「彩佳、ちょっと俺にジェネラルをやらせてくれ」


 この力を試したい。いつか届くことになる境地の力。相手がゴブリンジェネラルじゃなければもっとよかったんだけどな。少し相手に不足がありすぎる。


「わかった、気を付けてね」


 彩佳に譲ってもらう許可を経て、俺はゴブリンジェネラルの前に出る。


「全力だ」


 聖剣に魔力を通し、自身の時間を加速させる。自身への時間を加速させるということは寿命を削っているということにはならないのか? まぁ今気にしても仕方ないか。俺の全てを出し切った場合、一体どれほどの速さでどれほどの威力を出せるのか。今はそれだけを考えていればいい。


「グウォォォ!」


 前に出てきた俺を威嚇するためか、ゴブリンジェネラルが咆哮する。統率を発動するときもそれだったろ。一辺倒だなお前は。


 そんな威嚇など気にせず、加速をかけた俺はそのままさらにゴブリンジェネラルに接近する。最高速度。Sクラスの魔物ですら、今の俺の速度にはかなうまい。加速も含め、ステータスに直せばきっと2万以上だ。


 ほんの一瞬で距離を詰める。ゴブリンジェネラルは俺に接近されたことを知覚してすらいない。


 それならば、いつものように首を一撃でやるのではなく、粉々に切り裂いてやる。


 ゴブリンジェネラルが俺を知覚するその刹那、俺はゴブリンジェネラルの腹を水平に斬る。胴体を真っ二つにしてやろうかと思ったが、刃の長さが足りなかった。


 これだけじゃゴブリンジェネラルも死なないからな。反撃される前に追撃を加える。まだゴブリンジェネラルは斬られた事に気が付いていない。


 俺は即座に3度、ジェネラルに追撃を加える。まだいけるな。すでにゴブリンジェネラルはボロボロだ。


 ゴブリンジェネラルが立っていられず、膝をつくその瞬間に両腕に攻撃し、斬り飛ばす。膝が地面についたその瞬間に最後、首をはねる。結局人型相手ならこれが一番いい手段だ。


 一撃目を入れてから、首をはねるその瞬間までわずか0.5秒といったところか。


 俺は振り返って彩佳達のところに戻る。


「終わったぞ、河野さんのスキル、かなり強力だな」


 相手のスキルを封印した上、その性能を理解して使いこなしてくるのは本当に強すぎる。


「え、あ、ゴブリンジェネラルが死んでる……」


 どうやら俺の一連の攻撃は河野さんには見えていなかったらしい。自身の速度が速くなければ動体視力は上がらないからな。平均ステータスが900ぐらいだと見えはしないだろう。


「奏多、すごい強くなったね。そろそろAクラス試験受ける?」


 確かにそろそろ受けることができる程度の実力は身に着いたはずだな。受けることにしようか。


「そうだな。今週の土曜日にでも予約しに行くよ。ところで彩佳は試験いつなんだ?」


 具体的な日程は聞いてなかったはず。俺も参考にしたいからな。


「次の土曜日だよ。予約が終わったら見ててね」


「おう、当然だ」


『合格してやるのじゃ!』


 ロゼリアも意気込んでいる。彩佳達の実力ならきっと合格できるだろう。


「あの、私もBクラス試験を受けたいんだけどどうすればいいかな?」


 河野さんも試験の予約をしたいらしい。そうだな、タイミングもいいし……。


「河野さんも一緒に試験の予約に行こうか。そういえば結構金かかるけど大丈夫なのか?」


 確か2万くらいかかったはずだが。


「大丈夫大丈夫。お金なら結構あるから」


 結構あるらしい。それならまぁ問題ないか。


「くれぐれも奏多にくっつきすぎないように……」


「な、なんのことかなぁ彩佳ちゃん……」


 なんだか河野さんの中身が彩佳に見透かされているような気がする。まぁそれは置いておいて、しっかり約束をしておかないと面倒なことになるからな。今回、河野さんのストーカー能力のおかげで助かった部分もあるからな。


 さすがに次はそうなりたくない。


「河野さん、次の土曜日の朝九時頃に集合でいいか? 場所は……探索者協会の前で」


「あ、うん、わかった!」


 これで場所の指定はできたしつけてくることは無いはずだ。


「さて、ダンジョンの中だし、そろそろ移動しよう。今日この後彩佳はレベル上げしたいだろうし、早めの解散で構わないか?」


 別に俺が一緒に居てもいいのだが、河野さんを連れて難易度の高い層に行くのは少し厳しいだろうしな。


「うん。試験の為に頑張る」


「応援してるぞ」


 彩佳の闘いを見るのも楽しみだ。


「ってことで河野さん。帰るぞ」


「はーい」


 河野さんと俺は手をつないでワープを使用して一層に戻る。彩佳は多分20層より上でレベル上げに行くだろう。成長補正が手に入ったここからどれだけ伸びるか。正直楽しみだ。

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