第20話 失恋

「…ー分かった。それならどうにか、手の打ち様はあるかもしれない」

「あ?マジで?」

放課後。茶談部室。

五月女と隣合う様に座り、メモ帳に情報をまとめながら、ここ数日のお互いに調査の成果などを報告しあっていた。

ちなみに今日の茶菓子はブラウニーとかいうチョコ菓子だ。

洋菓子の知識はほぼ無い俺だが、シンプルに美味いので試しに今度作ってみようか……。

横文字の材料名が多くて敬遠しがちになってしまっていたが、別に材料の正体を知る必要なんて無いので…何も考えずに他の料理と同じ様に具材として用意して混ぜれば良いはずなのだ。

横文字の材料だって、近所のお菓子作りコーナーに置いてある様な物ばかりだったし…俺が思っている程敷居が高い世界でも無かったのかも知れん。

…………慢心か?

閑話休題……。

先程のからの話し合いで俺は、先日不良から聞き出した情報を提供した。

具体的には……沼岸矢継が入島へ脅迫していた、と言う事実。

そして…その脅迫内容だ。

「脅迫内容を聞く限り…俺はどうにもなら無いまであると思ってたがな…」

「そう?割と単純な話だと思うけど」

そこまでか……?

自分との間にここまで自信の差があると、軽く怪訝に思うのも必然だろう。

「私としては…思ったよりマシで助かったくらいだけど」

「……どんな打開策があるのか、聞かせてくれよ」

「…大した事はしないけれど、まだ準備が必要」

…気になるの?と首を傾げる五月女。

「ああ…そりゃまあな」

……具体的には、俺がどのくらいー…いや、俺がどんな内容の活動をするのかが気になる。

この前『戦闘能力の面で期待しているわ』的なこと言っていたけども…?

まさか………不良集団を相手にしろとか言わないよな?

「ハハ……まさかな」

俺は自分のやった事に後悔は無いとは言ったけど、流石に退学は御免だぞ…?

まあ…不良との抗争なんてバレたら俺の一発退学に加えて、五月女自身も危うそうだしなあ……………流石に無いか。

何やら自信もあり気だし、妙案が有るのだろう。

…………うん。五月女と言う人間を信用しよう。

いくらなんでもそんな愉快な打算をする人間では無いだろう?




「大丈夫大丈夫。バレても退学程度よ」


「最高だよマジで。付き合わない?」


「嫌よ」


速。

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