〝あなた〟が原因。



〝尚の気持ち〟を確かめたあと、

私は、もう1度病室に深見さんを呼んだ。




ピンと張り詰めた空気が流れる中。




ゴクリと唾を飲み込んでから...............




「深見さん、〝あなた〟ですよね、

私を階段から突き落としたのは」




階段から落ちる前に、

視界に映った深見さんの怖い顔。




それが、脳裏に焼き付いて離れなかったから。




〝真実〟を確かめようと聞いた。




そうしたら........................




「っ、そうよ!悪い!?

〝あなた〟が悪いの!〝あなた〟が原因!

だって、尚くん、私を見ないから!」




私を〝あなた〟と言って攻めて、

今まで見たことのない脅威的な顔。




そして、今にも殴りかかる勢いで、

私の方に手が伸ばされた瞬間。




──────パシッ!




と、その手を受け止める尚。




「ごめん、深見。

俺、やっぱり、みなみが好きだから別れて」




尚のその言葉に、

深見さんは、泣きながら病室を後にした......



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