第22話 逆鱗

「怖い……?」


 そう聞く彼女の目はキマっていた。

 なんとも言えない圧が感じられる。


「怖いとは?

 どこがですか?

 私はなにかしましたか?……」


 彼女は絶えず俺等に質問をしている…

 確実に俺等は地雷を住んでしまった。


「わ、わかった、準備をしてくれるなら参加してくれてい。

 だから、怒りを沈めてくれ。」

「あら?助かりますね。

 それでは少し電話を…」


 そう行って天海は少し離れていった。


「はぁ…助かった。」

「怖かった〜」

「死を感じた…」

「……」


 そう言いながら三人は肉を食ってた…

 俺はあいつの対応で肉をまだ一枚も食えてないのに肉が見当たらない…

 そこには、ピーマン、エリンギ、かぼちゃしかなかった。


「お、お前ら…」


 良く見たらご飯も残っちゃいなかった。


「「「「ごちそうさまでした。」」」」


 4人とも良い笑顔でこっちを見ている。


「…俺の分は?」


 その質問に対して先生も含め全員が走っていった。


「ふ、ふざけんなぁぁぁぁぁ!!」


 その言葉は奴らに届くこと無く俺は泣く泣く一人で残った野菜を食べて天海を待っていた。



「ピーマン苦い。」

「なんで、ピーマン?」


 天海が後ろから困惑しながら声をかけてきた。

 俺はピーマンをちびちびとかじってたところだ。


「肉、米食われた。」

「あ~、あの3人なら…」

「残されたのはピーマン、エリンギ、かぼちゃのみ…」

「お肉いりますか?」


 その言葉に俺は自分の最高速度で


「お願いします!!」


 と土下座をした。

 彼女は苦笑いを浮かべながら


「貸一つね。」


 といってパックに入った鶏肉を手渡してきた。


「ありがとな!」


 その言葉に対して天海は俯いていた。

 その態度に対して少し不満を覚えながらも肉を焼き始めるのだった。

 しかし、なぜ生の鶏肉が?



 ===

「……」


 何を話せばいいかわからない。

 久々に彼と顔を合わせてご飯をともにできるのは嬉しいが彼の純粋な笑顔ががんぷ…ゴホッゴホッ…眩しすぎて何を話せばいいかわからず混乱をしていた。

 前回話したのは新年会で業務的な会話ぐらいしかできなかったから今回は踏み込んだ話を…


「まじで助かった。お前が来なかったら俺はあいつらを殺してたかもな……」

「いきなり物騒なことを言わないでください。

 まぁ、鬼らしい返答ですね…」

「……お前、空気読め。」

「あ!……

 失言でしたね…」

「はぁ、気をつけろよ。

 次は無い…」

「まぁまぁ、お肉食べていいので許してください。」

「許す。」


 あ、危なかったわ……

 危うく逆鱗を踏むとこだったわ。

 そんな物騒な会話をしながらも仲良くBBQを楽しんでいく。

 その傍らでこちらを見てる三人の女子を警戒をしておく……


 ===

 天海が分けてくれた肉を余ってた野菜と一緒に食べていく。


「やっぱ肉は美味いな。」

「友人は選んだほうが…」

「余計なことは言うな。

 あくまで俺等は敵対してんだからよ。」

「………」


 分けてくれた肉と残ってた野菜を食べきって片付けを始める。


「深入りはおすすめしないぞ。

 後、俺の人間関係は逆鱗の範囲だ。

 次は無い。」


 木炭は折りたたみ式のバケツに入れて他の折り畳めるものは折り畳みまとめていく。

 天海は何も言えないのか少し俯き一言だけ


「ごめんなさい。」


 それ以上俺たちは言葉を交わすことなく俺は荷物を持ち逃げた馬鹿たちを探しに行くのだった。

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裏切ったクソ野郎共と劣等感 テラル @pamutto

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