第15話 帰宅

「そろそろ解散だな。」


 そこには出前を頼んだことなんてわからないくらいにキレイになったテーブルがあった。

 もうすぐ11時になる。

 宴会が始まってから最近の情報交換やゲームをしているとあっという間に時間は潰れた。

 俺以外の3人は家が結構良いところなので12時を過ぎる前には帰らないといけないらしい。

 まぁ、3人はそれに対してだいぶ不満を持っており成人したら家なんて継がずに一人暮らしをすると息巻いてる。

 そんなこんなで解散をすることになった。

 ここの所有者は敬なので俺らはお先に失礼する。


「じゃあ俺らは先に帰るぞ。」

「分かった。またな。」

「またな。」

「またね〜」

「またな!」


 そうして俺ら3人は敬を残しエレベーターで降りる。


「またな。」

「またね~。」

「またな!」


 そこから俺と睡蓮は表の道に向かい、燐は反対に路地の暗い方に向かっていく。

 表の道に出ると俺と睡蓮もそこで分かれる。


「学校頑張れよ。」

「直哉は人間関係頑張ってね〜。」


 そうして俺は一人で帰路につく。

 騒々しい表道から住宅街に変わると静かになっていく。

 そして段々と隣を歩く人がほしいと考えてしまう。

 一人が当たり前という思考なのにこういうのを未練がましいというのだろうか…

 そんな事を考えながら家につく。


「………」


 何もいうこと無くドアを開け自室に向かう。


「な、直哉。おかえり。」

「直哉!」


 あぁ雑音が耳によく響く。

 自室のドアノブに手をかけたとき隣の部屋の前に立っていた雅が声をかけてくれた。


「兄さん、お帰り!」


 その言葉を聞くとさっきまでの後ろ向きな考えが消えてスッキリとした思考に戻る。

 そして俺一言だけ返す。


「ただいま。」


 そうして部屋から下着とジャージを持って風呂に向かう。


 シャワーを浴びて今日のことを振り返る。

 学校に関しては遠足のことを考えると面倒くさいので振り払った。

 そして残るはあの3人のこと。

 久々にあっても変わらない関係でいい友人だなと考える。

 頭と体を洗い風呂場を出る。

 体を拭いて、着替えて、自室に戻る。

 やっぱり雑音が耳に響くが今日は気分がいいので気にすることなく部屋に戻る。

 そうして早めの眠りにつくのだった。

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