第11話 昼飯
俺らは外付きの非常階段に座っていた。
「昼飯うめ〜」
「黙って食えんのかお前は。」
「ふめ〜」
「食い切ってから喋れカス。」
「「もぐもぐもぐもぐもぐ」」
俺等はお互いに昼飯を食べてその後は惰眠を貪るのであった。
===
「直哉!」
大きな声で二輪君を呼ぶ声と同時に勢いよく扉が開かれる。
そこには直哉の姉の香奈が弁当を持ってそこに居た。
「直哉くんは優樹くんとどこか行きましたよ。」
そう答えるのはクラスの女子のリーダー的存在の片野美月さんだ。
「優樹と?」
「はい。」
「ありがとう助かったわ。」
何かを確認して立ち去ろうとした時、後ろから別の人の似たような問いかけがある。
「直哉さ~ん。飯食いましょ!」
そこには身長170cmほどの顔に少し傷がある青年がいた。
香奈とその青年は顔を見合わせるとお互いに悪態をつく。
「嫌われ者が何の用だよ。」
「暴れることしか出来ない低能が何の用?」
「負け惜しみか?もうちょっと直哉さんと喋れるようになってから楯突いてこいよ。」
「しょうもない関係の貴方よりかは良いと思うのだけど?」
「それに負けてるって……KINEだ。」
「人と話してる最中に…」
「あ~ね。「把握しました」っと。
……弟くんから何の情報も貰えないって可哀想な人www」
「それってどうい……」
「はぁ、教室に戻るか。次は一緒に飯食ってくれると嬉しいんだけどな。」
青年は残念そうに何処かに行く。
その後ろでは香奈は青年に対して軽蔑するような視線を送っていた。
見えなくなると正気に戻ったのかクラスに挨拶をしてどこかに去っていった。
その時の彼女の表情は少し辛そうだった。
この出来事を切っ掛けにKINEは加速するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます