第7話 覚えろカス!!
「直哉兄さん、そろそろ時間的にいいんじゃない?」
時間は夜の11時を過ぎていた。
ドアからリビングの様子を窺うと誰かがいるような様子はない。
「とっとと切り上げてから部屋から出てこいよ。」
一言残し俺は階段を降りていく。
そのままリビングを通って台所に向かう。
二人と目があってしまった。
「チッ、最悪。」
「な、直哉。夜ご飯ど、どう?」
「毎回言ってんだろうが、いらねぇって。
しつけぇんだよ。
いい加減いらねぇってこと覚えろカス!」
「直哉!母さんにそこまで言わなくてもいいじゃない!わざわざ作ってくれてるのよ!」
「お前も毎回うるせぇんだよ。
無関係なカスが話はいってくんなよ!
引くこと覚えろカス!!!」
リビングにいたのは血縁上は母の二輪奏と姉の香奈だった。
この二人はよく俺に話しかけてきている。
鬱陶しいことこの上ない。
二人を気にすることなく台所に向かうと冷蔵庫の中から食材を取り出す。
そのタイミングでどうやら雅が降りてきたらしい。
「直哉兄さんどうした?」
「別に何もねぇよ。」
「僕に八つ当たりしなくてもいいじゃん。はぁ。」
「雅!夜ご飯はいるの?」
「うるさいなぁ。香奈姉さん。毎回いらないって言ってるでしょいい加減覚えなよ。
それとも覚えられないほど頭が弱いの?
もうちょっと人の気持ちを考えられるようになりなよ。そんなんだから直哉兄さんに嫌われるんじゃないの?www」
「ま、雅。
お姉ちゃんにはもう少し優しい言葉遣いを…」
「はぁ、そんなんだから直哉兄さんに嫌われんじゃないの?
二人はとっとと部屋に戻りなよ僕たちは今から夜ご飯なんだから。
ってか直哉兄さん!
炒飯だからね!炒飯だよ!」
「うるせぇ!
わかってるに決まってんだろ。
何度も言わなくていい。
しつこいと量を減らすぞ!」
「申し訳ございませんでしたー!
って感じだから二人は自室に戻ってくれる?
邪魔だよ。」
二人は雅の言葉を受けてからトボトボと自室に戻っていった。
しばらくして出来上がった炒飯を雅に出してやると
「相変わらず直哉兄さんのご飯は美味しいね!」
「世辞言ったところでおかわりはないからな。」
「わかってるよ。」
「わかってんならいいだろう。
ごちそうさまでした。」
「早すぎない!?」
「食器は置いておくから洗っておけよ。
先に風呂入ってくる。」
「はいはい。わかったから。
早く風呂入ってきてね。」
そんなやり取りをして俺は部屋から着替えを取ってシャワーを浴び就寝するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます