11 粉
そんな感じで勝手に問題は解決していった。試しに二日、その町に滞在してその症状を見ると花粉症の反応は無くなった。しかし。
「体は元に戻りませんね…。」
花粉症が治ったわけではない上に、どうも一度体つきが出来ると戻る様子はないようだ。改めてフィルを見て納得すると意図に気づいたのか睨まれた。
今でこそ差別が表面化していないが、二人へ向けられる視線は決して心地よい物ではない。ラプルもかつてフィルを不細工だと言い切っていたが自身がそれになるのは辛そうである。だがそれでもラプルは彼女に幸せになってほしいと言っていた。根は悪くないのだ。うーむ、そうだ。
「うちの国くるか?」
「そうね、それがいいかも。」
そういって花粉症患者の移住が決まる。そしてその中には魔法具の職人もいる為に、
「これでミズタリでも魔法具が作れるかもねえ。」
と仕事モードオフの元に戻ったフィルが言っていた。そして移住してから花粉症がなくなり気合いが入ったのか、かつての通信機、白石と同じサイズのポータブルポータル発生器、通称ポタポタ石が完成するのであった。
そしてそう名付けた俺のネーミングセンスは変わらず不評であった。
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