いけいけ勇者様16

最上司叉

第1話

そして魔族の女は目を覚ました。


「私何をしていましたの?」


ふとそんな疑問にかられながら部屋を出る。


魔族の女は誰かいないか家の中を探した。


「誰もいないじゃありませんの」


魔族の女は大人しく待つことにした。




そして魔物退治にきている勇者と魔王となんでついてきたか分からない婚約者がいる。



「だって魔族の女と留守番になっちゃうじゃないか」


「そんなにあの魔族の女が嫌なのか?」


俺は聞いた。


「嫌に決まってる」


好かれているのに贅沢なヤツだなんてふと思う。



「あれは何時だったか?」


婚約者が魔族の女との出会いを思いだしていた。




昔魔族の女は虐められていた。


「やーいブスお前なんか学校にくるな」


とそこにたまたま婚約者が通りがかった。


「お前たち何をしている?」


婚約者は言った。


そこで見て見ぬふりをしていたら今のようなことにはならなかったんだが。


「これは婚約者様!なんでもありません」


「なんでもない?そうは見えないが?」


「遊んでいただけです」


「ほう、遊びとな」


「…」


「ふざけるな!!さっさと消え失せろ!!」


虐めてた3人が慌てて駆け出していく。


「今度見かけたら容赦しないぞ!!」


「すみませんでした」


虐めてた3人がそう走りながら逃げて行った。


「君大丈夫か?」


「…」


「君?」


「すみませんですわ!ありがとうございますですわ」


そう言い残し魔族の女も慌てて走り出した。


婚約者は訳が分からなかった。


魔族の女は思っていた。


なんて素敵な殿方なんですの!


私の運命の人に間違いありませんわ。


後に婚約者は後悔することになる。


次の日魔族の女は婚約者にシェフお手製の弁当を持ってきたり何かと付きまとうようになった。


最初のうちは良かった。


その後魔王との婚約が正式に決まってから行動はエスカレートしていった。



婚約者に近寄る女全てに嫉妬して敵意を向けたり身の回りの世話をやたらしたがったり。


「君の気持ちには応えられない」


そう告げても婚約者の気持ちなどお構い無しだった。


それから魔族の女を避けるようになった。


がそれも虚しく魔王様にまで嫌がらせが始まった。


最初は魔王様ともいい関係だったのが今では避けられていた。

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