第3話.追憶②


 大樹を目指して、一行は樹海を進んでいく。

 索敵が得意なグレイが先行することで安全なルートを確保。後ろから後を追う形でノウマンとグッドナイトは道なき道を進んでいく。


 フワフワと漂う半透明の浮遊体——何らかの生物でボンヤリと発光している——を手で避けながら、腰丈ほどまである草木を踏むつけて歩いた。

 時間帯は夜になっているため夜空は真っ暗だ。しかし、光源となるオブジェクトは至る所に設置されているため見通しはよい。

 

「それで……お前はどうする気だ。ノウマン」


 真っ赤なローブを羽織ったスケルトン——グッドナイトは骸骨の右手で口元を覆った。

 魔法を発動させた時に起こるエフェクトが発生。

 骨の指の間から薄っすらとした光が漏れている。 

 

 ノウマンはVRゴーグルから聞こえる彼の声に遠近感がなくなったことに気づく。

 遠くから聞こえてくるというよりは耳元に電話当てた時の声の聞こえ方に近い。グッドナイトが通信魔法である<秘密の会話シークレットトーク>を発動させたようだ。


 自分の手の甲を見る。

 骨と皮張りの手の甲には、引っかき傷にも似た模様があった——はずだが、そのうちの一本消えて無くなっている。


 グッドナイトに付与してもらった刻印シール

 簡単な魔法を封じ込めた刻印と呼ばれる付呪魔法の一種である。

 グレイの場合は、斥侯兼攻撃役であるため防護呪文の刻印を体に多く刻んでいるが、自分の場合はサポートに回ることがことが多いため、防護呪文ではなく、サポート役を円滑にすすめるため通信魔法を込めた刻印が多い。


 刻印を消費することで、本来魔法や魔術を使うことができない種族でも限定的に術を行使することができる。

 自分で発動した記憶がないので、刻印を刻んだグッドナイトが勝手に< 秘密の会話>を発動させたのだろう。


「参加する、参加しないって話?」


 試しに声を出す。

 自分の声にエコーがかかっていることを確認した。魔法の効果が発動していることの証。これなら先を進んでいるグレイに会話を聞かれることはないだろう。


「そう。その件だ。で? どう答えるつもりだ」


 自分たちよりも先を進んでいくグレイは見据える。

 鼻先を地面に近づけながら臭いを嗅いでいた。こちらの会話に気づいている様子はない。


「…………」


 ノウマンは無言になった。

 「参加しない」と言えればどれだけ楽だろう。すぐに、その一言が出てこなかったのは、心の奥底では自分も大会に参加したいという思いがあるからなのかもしれない。


——参加できたらどれだけ楽しいだろう?


 一瞬、頭の中で敵と戦う自分たちの姿を思い浮かべた。「このメンバーならどこまでいけるだろう」とか「自分たちが苦手な対戦ルールがあるとしたらどうだろう」とか、そういったことだ。

 

 だが、趣味より仕事が優先。

 そういった妄想を振り払う。


 振り払った時、次の頭の中で見えたのは、断った時のグレイの顔である。

 元気のない尻尾と、梅干しを口に放り込んだ時のように口をすぼめた獣。

 威圧感のあるグレイの顔がクシャりと歪み、しょぼくれた表情になった。その様子を想像しただけで胸が苦しくなるような罪悪感に襲われる。


「悪いとは思う。アイツはこの一年間、必死に考えてきたんだろ? だが、俺は——」


 言い出せない。

 そこから先が。


「そう急くな。まだ考える時間はある」


 遠くにいたグレイが巨大な倒木の前で一旦足を止めた。

 緑の苔で覆われた倒木だ。グレイが爪を出して表面を抉るように登っていく。大きな凹凸が緑の壁に残っているのは、人型である死人が倒木を簡単によじ登れるように気を利かせてくれた結果だろう。グレイは倒木をよじ登ると、そのまま向こう側にジャンプして飛び降りた。


「ナイトさんは出るんでしょう?」


 話題を逸らすようにグッドナイトに話を振った。ユーザーネームはグットナイトだが、言いにくいため単にナイトと呼ぶ。


 ノウマンは倒木まで近づくと、助走をつけてグレイが作った窪みを頼りに登っていく。


「出る。お主が大会に参加しようとしなかろうとな。だが、ワシが大会に参加するのはそれが最初で最後だ」


 グッドナイトは魔力を消費してさらに体を浮せた。

 倒木を登っていくノウマンの斜め後ろからゆっくりと体を上昇させている。


 倒木にわずかに出来た窪み。

 ノウマンはボルダリングのように窪みを掴んで登っていくが、あと少しで登り切るというところで掴む場所が見つからない。登りあぐねていると、体を浮かしたグッドナイトが先に倒木の上に降り立ってノウマンの体を引っ張り上げた。


「最初で最後? 一回限りの出場ということですか?」


 含みを持たせた言い方が気になったノウマンは訊く。

 手を掴まれ、自分の体が引き揚げられた。樹木の壁が消えると、今度は眼下に草むらが広がっている。光る甲虫が鬼火のように辺りを漂っていた。


「そうだ。儂が参加できる大会は次の大会が最後だろう。それが無理なら、以降、儂が大会に参加することはない」


 ノウマンは倒木の上から飛び降りた。

 着地と同時に、膝を曲げて衝撃を吸収。

 顔を上げた時、グレイがやや遠くからこちらを見ているのが見えた。ちゃんと付いて来ていることを確認しているようだ。付いて来ていることを確認すると、彼は先導を再開した。


 グッドナイトが自分の背後に降下、そしてグレイの姿がジャングルの中に消えると、彼は口を開いた。


「大会に出場するのなら……儂は優勝を狙いたいと思っている」


 いつもと何ら変わりないグッドナイトの声。

 だが、何らかの感情が込められていることをノウマンは直観的に察知した。


「へー……。大きく出たね」


 口では感心したように息を弾ませたものの、ノウマンは自分の横を浮遊しながら移動するグッドナイトの顔をチラリと見た。

 顔面は骸骨なので無表情もいいところだ。考えや感情を読み解くことはできない。唯一、頼りになるのは眼孔の奥で揺れる炎だけだが、さすがにそれだけでは彼が考えることを推測することはできない


 ノウマンが知っているのはグットナイトは、現実主義者で物事に過度な期待を抱かない人物だ。

 少しでも考えれば分かることだが、大会には人間を辞めたようなプレイスキルを持つプレイヤーがさほど珍しくない。上には上がいるのはゲーム世界でも現実と変わらないことだ。そこには確かに才能や能力の壁というものが存在する。そんな魑魅魍魎の世界で優勝する、などというのは、まるで——


「夢物語だな。優勝なんて」


 ノウマンがそういった瞬間、彼が軽く笑った。


「……かもしれんな。だが、目標があったほうがゲームは楽しい。ただ漫然と戦うよりも、勝敗が決まるその時まで希望を持って戦ったほうが楽しいだろう? 何と表現すべき……。そう、希望だ。負けると思って戦うよりは希望を持って戦った方がずっといい。さっきの試合だってそうだ。みんな諦めが悪かったから、最後に勝てたではないか?」


 そうかもしれない、とノウマンは適当に相槌を打つ。


(俺を大会に参加させたいからってこんなことを? 悪いとは思うが……それだけじゃ、参加するとは言えない……)


 いつものグッドナイトは厳格で気難しい態度を取ることが多い。ややとっつきにくいタイプの人間ではあるが内心はいい奴——というのが彼に対する印象である。


 彼なら優勝を狙うなどと言わず、「まあ、いいところ……ギリギリ本戦に出場できるかどうかじゃろ」と現実的なラインでの発言をするはずだ。それが今日に限ってはどうだ? 


 樹海の中から開けた場所に出る。

 現れたのは巨大な川だ。見る限り、そこまで水深は深くないものの、流れは早い。水面は濁っており、川底が見えない。泳いで渡るのは厳しいだろう。


 ノウマンが河川を眺める傍ら、先行していたグレイはお構いなしと言わんばかりに、ザブザブと川の中に入って向こう岸に移動している。

 彼は自分と違って、川の向こう岸に行くの帰るのも自由だ。

 彼は対岸に辿り着くと、周囲を見回しながら——手頃な太さの木を見つけたようだ。彼は根元付近に自分の爪を使って切れ込みをいれている。どうやら樹木を切り倒して、この河川に橋を掛けようとするつもりらしい。


 その様子を二人で眺めながら会話を続ける。


「何かあったんですか? 私を説得しようって気なら、悪いんですが——」


 ノウマンの発言を遮るようにグッドナイトが大きな咳ばらいをしようとして……咳き込んだ。

 思わずノウマンは閉口する。


「お前には話しておいても良かろう。ただし、グレイには秘密しておいて欲しいのだが……」


 そう前置きすると、少しの間、口を閉じて押し黙った。

 ノウマンは黙って彼の発言を待つ。

 彼の言葉通り、グレイには聞かれたくない話のようだ。お互いに< 秘密の会話>を発動させているのだから、魔力探知が苦手な人狼が気づくことはないだろう。

 近くにいればグレイの体毛が逆立って魔法の使用をしたことが分かるかもしれないが、それだっていくらでも言い訳は可能だ。にも関わらず、それさえもグッドナイトは嫌がっている。

 

 耳につくような川の荒々しい水の流れ。

 薄暗闇の向こう側からガリガリと木の繊維を削る音が聞こえる。

 樹木が存在しないため、ここは非常に暗い。

 自分がいる岸とグレイのいる向こう岸には、それぞれ光る樹木が植わっている。しかし、川には光る物体が存在しないため真っ暗。まるで目の前に壁が存在しているかのように暗闇のベールに包まれている。


「それでな……。儂、TDを引退しようと思うのだ」


 一瞬、ドキリとした。


「へ、へえ……それはまた——」


 何て言っていいのか分からず、言葉が形にならない。

 どう反応すべきか考えている間にも、彼がさらに話を続けた。


「長かったのか短かったのか……。今となっては儂にも分からん。最近、今までの人生を思い返すようになったのだが、どうにも……」


 顔を横に振りながら、また沈黙する。

 ローブを羽織った骸骨はいつもよりも小さく見えた。


「TDに飽きた?」


 真っ先に考えたのがTDを遊び飽きたのではないかという懸念である。視野を広くすれば、このゲーム以外にも、いくらでもVRゲームは発売されている。いや、むしろゲームのみならず世の中には娯楽が溢れている。


 やり飽きてマンネリ化したTDではなく、時間を何か別のことに割きたいのかもしれない。


「否。飽きてはいない。もっともっとお前たちと共に戦いたいと思っているよ」


「じゃあ、何で——」


 ミシミシという音が対岸から聞こえた。

 太い木の幹が断末魔を上げながら、樹木が横倒しになる。ノウマンはグッドナイトを見つめているが、彼はこちらを見ない。グレイばかりを見ていた。


「渡るぞ」


 グッドナイトに促されながらノウマンは出来たばかりの橋の上を歩いた。

 後ろからグッドナイトがついてくるが、体は浮かせていない。自分と同じように歩いている。


 川の荒々しい唸りが橋の下から聞こえる。

 下を見れば、真っ黒な水が流れていた。

 

 橋の中央に差し掛かった時、グッドナイトが声を潜めて言う。


「これから言うことを黙って聞いて欲しい。実は儂……罹患中でな。もう余命いくばも無いんじゃよ」


「…………はい?」


 それまで聞こえていた音という音が消えた。


——罹患中? 病気? 余命?


 頭の中で言葉を反芻する。

 言葉の意味を認識できるまで数秒の時を要した。冗談でも言ってるのかと勘ぐってみるが彼は冗談を言うようなタイプでないことは自分がよく知っている。思わず、足を止めて後ろを振り返りたくなったが、彼の表情を見るのが怖くて辞めた。


「体が怠くて叶わんのじゃ。若い時に無理をしたのが祟ったんじゃろうな。薬で症状を緩和しているが、それも焼け石に水。儂がパフォーマンスを維持してプレイできる時間は……もうかなり限られている。いいところ次の大会が終わるころまで維持するのが限界のように思えてならん……。その後はもう——」


 じわじわと得体の知れない感情が病沢をせり上がってくる。

 突然のことで何が何だか分からないが、頭は彼の言っていることを理解している。理解しているのだが、感情が理解してくれない。


「全く、馬鹿なもんじゃ。若い頃は仕事ばかりで、金を稼ぐことばかりしておったわ……儂……」


 どんな顔をすればいいのだろう。

 ノウマンはただ耳に聞こえる彼の言葉を聞くことしかできない。


「金、金、金……いくら稼いでも足りようような気がしてな。やっと満足できるだけの貯蓄ができた頃には、もうよぼよぼのジジイよ? 金なんてただの数字——そんな当たり前のことにすら気づけんかった」


 水がゴウゴウと下から喚きながら流れていく 

 

「もう人生が終わるっていうときに限って気づいてしまう。『儂は何者でもない。父親にも夫にもなれなかった哀れな男だった』と。仕事など所詮は金を稼ぐだけの手段に過ぎん。それに気づくこともできず、時間を浪費して、最後には一人病気になって死ぬ。もっと別のことに時間を使っていれば、儂の人生は——別の道もあったのかもしれんな」


 骸骨は大きな溜息をついた。

 無言でいることに耐えられなくなったノウマンは声を絞りだす。


「後悔しているのですか?」


 ナイトは力なく笑った。

 いつもの威厳に満ちた雰囲気が柔らかいものになっている。


「hahaha……後悔か。そうかもしれんな。毎日、あの時こうしていればと後悔ばかりしておるよ。でも、後悔するような時間も残っておらん。だから、最後に足掻いてやろうと決めたんじゃ。これまで頭で考えてばかりで馬鹿なことはしてこなんだ。なら、人生で最後くらいは思い切り好きなことをしても構わんじゃろうて? 最後くらい好きなことをしてから死にたい。そう思ったんじゃ。幸い、儂には一緒に馬鹿をする仲間がおるしな」

 

 人間は間際になって何かを後悔するという話はよく聞くが——駄目だ。何と言っていいか言葉が浮かばない。

 

「それで優勝を狙って大会に出場する、と……?」


「言いたいことは分かる。それができるのはほんのの一握りのプレイヤーだけなのは儂も分かっておるよ。じゃがな。それでも目標を目指すことに意味があると儂は思う。天目学的な……ほんの少しでも可能性があれば、それは希望じゃ。少しでも可能性があれば、そこに向かっている間は儂は絶望せずに済むんじゃ」


 意を決して、ナイトは背後にいるグッドナイトを見た。

 眼孔で揺らめく赤い焔が新円になってクルクルと回っている。そこにはいつもの彼の姿があった。


「——夢が見たいんじゃ」


 目が合った時、ナイトがそういった。


「お主に参加を強制する気はない。じゃがな、ノウマン、お前は違う……まだ間に合う。儂のような老害にはなるな。死ぬ間際になって『自分は誰だ?』なんて自問自答するような生は送って欲しくない。孤独な老人の最後など悲惨ものだ……。結局のところ、自分が何者であるかは周囲にいる人間が決める。人間関係がなければ儂はただの死にぞこないよ。お前たちと繋がっておるから儂はここにグッドナイトとして存在できる」


 ナイトの言葉を最後に会話が途切れる。

 短い沈黙に耐えられず、ノウマンはまた対岸へと目を戻す。


「どうか頷いて大会にエントリーして欲しい……。確かに勇気がいるかもしれないが最後にはきっと後悔はしないはずだ。おぬしが頷きさえすれば、死にぞこないの老人は夢を見ることができる。儂にとってノウマンという男は偉大な救世主となるじゃろう」

 

 ナイトが言葉を続ける。


「今いったことを踏まえて儂は問う。お前は誰だ? 社会の歯車か? それとも死にかけている友人を救ってくれる救世主ノウマンかの?」


 その質問にノウマンは答えられなかった。

 沈黙に対して何ら指摘することもなく、彼の声は自分のすぐ背後から聞こえ続ける。


嗚呼ああ……儂がいなくなった後、グレイのことを頼んだぞ。儂がいなくなったらお前とグレイだけになる。多分、儂は再来年にはログインできる機会もなくなる。お主たちに姿を見せることもできなくなるだろう。あいつを支えてやってくれ」


「ま、待ってください。そんな縁起でもない!! それじゃまるで——」


 まるで遺言じゃないか、と。

 ノウマンは後に続く言葉を呑み込んだ。


「グレイにはまだ言っておらん。近頃の若者は軟弱だからな。あの繊細な性格じゃ。しばらくは誰かが支えてやらんと。儂がいなくなったら、バンドに誰かあと一人——いつかお前さんの隣にいてくれる相棒でも見つけるがよい」


 この人は本当に死んでしまう、そう確信させるだけの何かがあった。

 冗談ではなく本気で彼はそう言っているのだ。


 敵が誰であろうと自分の背中を安心して任せることができた仲間。

 もう少しでいなくなってしまうなど考えられない。

 自分の中で彼の存在が揺らぎだした。


「まあ、あれじゃ。言葉では言いにくいが、ようは男として最後にカッコつけたいんじゃよ。最後に若いもんに自分の生き様を見せつける……いわば大会を晴れ舞台として——いや、こんな言い方はよそう。最後に自分の生きた証を誰かの記憶に刻み込みたい。生き様を記憶してくれた誰かが儂の意思を継いでくれる——そんな都合のいい考えじゃよ」


 ノウマンはたまらず彼の名前を叫び、自分の背後にいるグッドナイトの姿を見ようとした。

 いずれいなくなってしまう彼の最後を確かめるように、ノウマンは苔で覆われた倒木の上で、後ろを見うと体を捻った。いかにも滑りやすそうな苔だけの樹木。あまつさえ河の水しぶきで濡れた倒木の上を。


「ナイトさんッ……!!」


 あっ——。

 気づいた時には橋から滑り落ちていた。

 滑りやすい苔の上で、なおかつ話に夢中で手元の操作が疎かになった。

 気づけばノウマンの体は水面に叩きつけられ、荒々しい奔流に揉まれた。視界は真っ暗になり、自分がいる場所が分からなくなった。

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