屈辱

実は私、オカメさんについて、皆様に意図的に隠していることがございました。

それは私にとって、何より屈辱的な理由からでした……。




うちのオカメさんのお気に入りのおもちゃは、爪楊枝やストロー、ぷらりと垂れ下がった紐類です。

しかし、実はもう一つ。

爪楊枝と同等、いや、もしかしたら爪楊枝よりも好きかもしれないというおもちゃがあるのです。


それはセロハンテープ。


いえ、ただのぺろんとしたセロハンテープではありません。

5cm程の長さに切ったセロハンテープを、端から2mm幅に折り畳み、潰したものです。

誰でも、いたって簡単に作れます。



この、落ちていればゴミにしか思えないようなセロハンテープの塊が、オカメさんは大好き。

どれ程好きかというと、テープカッターを手にしただけで、急いで寄ってくる程です。

青菜を冷蔵庫から出す時と、ほぼ同じ反応です。


このおもちゃを渡すと、オカメさんは爪楊枝と同じように、嘴の先で上手に右へガジガジ、左へガジガジと噛りながら、それは楽しそうに遊ぶのです。




……しかし、このおもちゃ。

私にとっては、とても屈辱的な物体。


なぜならば、オカメさんは、私が作った物よりも、必ず娘が作った物を選ぶからです!

誰にでも簡単に作れるおもちゃのはずなのに!

何に関しても飼い主の私が一番であるはずのオカメさんが!


どしてっ!?


今まで、私が作った物と娘が作った物、両方同時に与えてみるという実験を何度もしましたが、100%娘作を選びました。

作るところを見せなくても!

試しに入れ替えて渡してみても!


なぜ!?

なぜなんだ、オカメさーん!

何が違うと言うんだーっ!!




今日もオカメさんは、家族を無視して私の肩で楽しく過ごしています。

しかし、おもむろに娘がテープカッターを手にすると、ターンと私の肩を蹴って娘の手へ……。


…………く、屈辱…!


勝ち誇った娘の笑みが憎いぃ〜!




※ 近況ノートにセロハンテープで遊ぶオカメさんの写真を貼っています。もちろん、娘作…(泣)。↓

https://kakuyomu.jp/users/karamitu/news/16818093074764683481

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