塩土

ペットショップには、シードやペレットの主食の他に、様々な栄養補助食品が並んでいます。

その種類は、近年急激に増えた印象です。

海外の物も沢山並ぶようになったからかもしれません。


飼い主は、それぞれ“うちの子”に合わせたものを選んで購入しますが、種類が多すぎて悩むこともあるかもしれません。

何せ、絶対に必要でないおやつ類も、とても多く並んでいますから。


そして、昔は当たり前に与えていたけれど、今はあまり与えない方が良いとされる物も並んでいます。


その代表が、塩土えんどでしょうか。

その名の通り、赤土に塩とカルシウム等を混ぜて固めた物です。




インコに限らずですが、鳥は胃を二つ持っています。

前胃と後胃の二つで、後胃は筋胃と呼ばれ、分かり易い呼び名では砂肝とも呼ばれています。


鳥が餌を食べると、まず素嚢そのうという保管袋に入ります。

そこから徐々に一つ目の前胃に流れ、消化液で柔らかくされた後、二つ目の後胃に入ります。

後胃は筋胃と呼ばれるように筋肉質で、砂礫グリッド(砂の粒)が含まれていて、それで餌をすりつぶすのです。

砂礫が含まれるから、砂肝という呼び名がついたとも言われますが、肝ではなく胃です。


塩土の土は、後胃の砂礫グリッドの役割になり、消化を助ける為に必要であるとされていました。

しかし最近では、インコは塩土を食べ過ぎることで、塩分過多や後胃に砂が溜まり過ぎて病気になる可能性がある、と言われるように…。



私がこれを知ったのは、以前オカメさんのご飯をペレットに切り替えた方が良いか悩んで調べていた時でした。


もう、青天の霹靂です。


ペレットが当たり前に売られていなかった頃は、塩土はシードとセットのように売られていました。

ですから、初めてセキセイインコと暮らし始めた二十数年前から、私はインコや文鳥に、当たり前に塩土を与えてきたのです。

勿論、オカメさんにも与えていました。


焦りましたが、ここは、まず觀察。


数日觀察したところ、オカメさんはどうも、たまにしか塩土を噛っていない様子。

う○ちの具合を見ても、食べ過ぎて消化不良…ということはなさそうでした。

オカメさんはシードが主食の為、別でミネラル補給は必要ですし、塩土を噛じることでストレス解消や嘴の手入れも兼ねています。

そこで、たまに、少量という形で、今も塩土を与えています。



情報は常に上書きされていくもの。

それを仕入れつつ、うちの子を見守ることが飼い主の役目だと、改めて感じた日だったのでした。


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