脂粉

前話でお話したオカメさんの羽繕いですが、何ともほっこりするその行為にも、飼い主にとって大変な点がひとつあります。


それは“脂粉”。


脂粉とは、簡単に言えば鳥のフケのようなもの。

主に、尾羽根の付け根にある尾脂腺から分泌される脂が粉になったものです。


この脂、鳥の健康維持に大変重要と言われます。

羽繕いで脂を羽根にコーティングし、羽根と身体を守ります。

脂のおかげで水分を弾き、羽根が汚れることを防いでくれるのです。

よく出来たものですよね。




さて、その脂粉。

オウムの仲間は、特に多いと言われています。

オカメインコはオウムの仲間。


そう、オカメさんの脂粉はとても多いのです。

新しい羽根が生える際の羽鞘うしょう(これについてはまた別の回に書きます)の欠片も混じり、細かい粉からパン粉状の粒まで、とにかくたくさん落とします。


オカメさんが肩でくつろいで羽繕いをしていると、あっという間に肩は脂粉で汚されます。

濃い色の服を着ている時には、ギョッとするほど肩が白い粉まみれに。

まるで、某有名私立探偵のフケ症のようです。

……頭洗ってない人みたいに見えて、なんだか不潔っぽい。

潔癖症の方には、オカメインコは飼えないかもしれないと思う程。


羽繕いが終わって、パララララと身体を震わせれば、白い粉はブワッと舞い散ります。

ゴホゴホッ。

粉塵アレルギーの方は、要注意です。



お散歩中でも、突然始まる羽繕い。

今日もおバカ飼い主は、小さなほうきと塵取り、コロコロクリーナーを持って、オカメさんの後ろをお掃除して回るのです。




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