第9話
目覚ましの音により目を覚ます。
時刻は午前6時だった。私はいつも5時30分から6時の間に起きるようにしている。
それは平日、休日は関係ない。
規則正しい生活リズムを維持するために毎日同じことをしているだけだ。
洗顔をすまし、朝食の準備をする。
朝食メニューはトースト、サラダ、目玉焼きにミキサーで作った自家製の野菜ジュースだ。
私はテレビをつけてニュースを流しながら食べ始める。
スマホでスケジュールアプリを開いて予定を確認する。
「はぁ、今日のお昼から美波さんと会わないといけないと思うと憂鬱ね」
先日、私は美波さんに実力テストで敗北した。そのせいで今日美波さんと遊ぶ約束をされてしまった。
ただでさえ敗北したことですら耐え難いのに美波さんと半日一緒にいないといけないなんてこれが敗北の代償なのね。
まぁ、美波さんが行きたい場所に適当について行けばいいわね。
朝食を済ませた後は勉強の時間だ。
これから授業で勉強するところを予習して実力テストで間違えたところを復習する。
キリのいいところまで勉強して少し休憩することにする。
コーヒーを飲みながら、スマホのカレンダーを開く。
「たしか中間テストがあるのは5月の中旬からよね。」
実力テストでは1点差で負けたけど見てなさいよ!美波恭華!
次のテストでは絶対に負けないから!
時刻は10時になり、息抜きもかねて私はタブレットで読書を始める。
1時間程度経って、一度読書を中断する。
「そろそろ出かける準備をしないといけないわね。」
外出用の服装に着替える。
鏡で自分の服装、髪型を確認する。
「まぁ、相手は美波さんだしこれぐらいでいいわね。」
集合場所は駅前になっている。
時間的に今から向かうのは早すぎるけど道中で美波さんと会うのは嫌なので早めに向かうことにした。
〜〜〜〜
出発を早めたことにより私は集合時間よりも早々に到着した。
私はこの近辺で軽く時間を潰すことにした。
とりあえず集合場所の目印を見ておくことにした。
「確かこの建物側だったわよね。」
すると予想外の光景を目にした。
そこには他者が二度見して思わず見惚れてしまうほどの美貌を持った女性が誰かを待っている様子だった。
服装はクリーム色のカジュアルなワンピースを着こなしており、170センチのモデル顔負けの体型、まさに優雅な立ち姿だった。
「アイツ、集合時間より相当早い時間なのにどうしてもういるのよ」
その人物は私が今日待ち合わせをしている美波恭華だった。
美波さんはこちらに気付き、手を振りがらこちらに駆け寄ってくる。
「随分と早いわね!橘さん」
「いや、私よりも早く来てる美波さんには言われたくないわ」
こいつ、やっぱり側から見たらめちゃくちゃ綺麗ね。
制服姿しか見たことがなかったので私服は新鮮だった。
私は思わず美波さんを見入ってしまう。
「…………」
「橘さん?どうしたの?そんなにまじまじと…」
その言葉でハッと我に振り返る。
「!?…、いや別に何もないけど!」
「もしかして、私の服装に見惚れてしまったの?」
そうやって少し小悪魔的な笑みをで尋ねてくる。
「ハァ!?な、何言ってんのよ!そんなわけないでしょ!自惚れないで!!」
私は全力で否定する。
いつもはお淑やかな感じなのに…少しギャップを感じてしまった。
「ええと、冗談のつもりだったのだけど…」
美波さんはいつもどおりの様子でそう言った。
軽く咳払いをして私は話題を変える。
「…とりあえず今からどうするのよ」
「そうね…駅前だし電車で2.3駅程度移動しないかしら?」
「分かったわ。だったら今話題のこのカフェに行かない?」
私はそう言ってスマホで検索した場所を見せる。
「いいわね」
行く場所が決まり、私たちは電車に乗り目的のカフェに向かうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます