血小説/鬼小説

本能寺の変後の京を舞台にした、ある目的を持って「復活」した者たちと
それを防ぐ者たち、巻き込まれる者たち、鬼と人と血の小説です。

この小説には鬼の血、人の血、血が流れ、溢れ、満ちています。
読み進める間、ある場面では自らの血を奪われ、捧げ、動の場面では
鬼の血で塗れ、躰が満ち、静の場面では冷たい血が闇のように
立ち込める、そのような感覚に囚われます。

実在の武将や人物も多く登場しており、この時期の歴史に通じた方は
必然性、あるいは意外な登場の仕方の妙を充分に味わえることでしょう。
ですが、本文中で各人物の経緯について触れられていることもありますし、
私のように気負わずに物語そのものを楽しむといったことも出来るのでは
ないかと存じます。

と、無理にレビューもどきを書いてみましたが、一言でいえば、
凄いです。圧倒されます。ぜひ読んでみてください。

このレビューの作品

異端鬼異聞禄