第38話 もちもち
▽ワルミ
「それで!! ホヨヨちゃん!!
格闘技は!! いつ覚えましたのッッ!?」
*木の魔物を切り倒す*
▽ホヨヨ
「もちろん!! カンフー映画です!!
あとは!! 武道解説の!! 動画とかですねッ!!」
*木の魔物を殴り穿つ*
▽ワルミ
「男の子って!! ほんと!!
そういうとこ!! ありますわよねェッッ!!」
*木の魔物を切り倒す*
▽ホヨヨ
「そういうの!! 好きなのでェッッ!!」
*木の魔物を殴り穿つ*
▽ジェリトワーヌ
「ヒョーーー」
*ジェリー大旋風スラッシュ*
今、ホヨ達は森林の迷路のようになっている18Fで魔物と戦っています。
この辺りにいるのは【トレント】と呼ばれる樹木の性質を持った魔物で、周囲の環境に擬態し油断した冒険者達が近付いてきたところを襲いかかってきます。丈夫でよくしなる枝や根の打撃攻撃に加え、種類によっては爆発する果実を投げつけてきたり、刃物や針のように鋭利な葉や枝を飛ばしてきます。こわいですね~。
そして最も厄介なのが【火属性】の攻撃を当てた時です。トレント系は火属性が弱点なのですが、低確率で全身が炎上し暴れ回るようになってしまいます。そうすると他のトレントを呼び寄せたり、炎を纏ったまま突撃してくるので非常に危険。注意が必要です。まあ、ホヨ達は打撃や斬撃だけで倒しているので問題ありませんが。
――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――
▽ワルミ
「ふう………
模擬戦トーナメントまであと3日…
だいぶ仕上がってきたんじゃありませんの?
2つ目の下級ジョブにもなれましたし………
でもいいんですの? 今のタイミングで【ファイター】なんて」
▽ホヨヨ
「今だからこそですよ!
レベルが高くなるとどんどん余裕が無くなっていきますし、
何より今ホヨは素晴らしく戦士の心なんです!」
▽ワルミ
「まあ…ワタクシも他人の事言えませんわね
回復魔法も強化魔法も使えないのに【クレリック】だなんて………
さて、現在のステータスを確認したら今日は引き上げますわよ」
▽ホヨヨ
「はーい」
―――――――――――――――――――――――――
◇海月野 火夜代(みゆえの ほよよ)
CLv:18/8級
JLv:3/ファイター
HP:70/81
MP:41/217
SP:33/148
STR:24 VIT:31 SEN:73
AGI:72 INT:25 MND:72
MAG:99 AC/SC:7/12
・アビリティ
【Lv26:★天魔特異点】
【Lv4:格闘マスタリ】
【Lv16:無属性魔法】
【Lv11:宴会芸】
【Lv15:□空中機動】
【Lv7:探知マスタリ】
【Lv3:ギミックマスタリ】
【Lv2:もちもち】
・スキル
《威嚇》SC0
《初級鑑定》SC0
《スマッシュ》
《マジックアロー》
《マジックボルト》
《マジックスフィア》
《アトリビューション》
《ブレンダリーエレメント》
《マナ・リカバリー》
《マナコンバータ・シールド》
《◇マナ・スナッチ》
《◇気配遮断》
《◆ファミリア:プリンセスジェリー》SC2
《エアステップ》SC0
《パントマイム》SC0
《ジャグリング》SC0
《水芸》SC0
《火吹き》SC0
《狸寝入り》SC0
《皿回し》SC0
《口笛》SC0
《モノマネ》SC0
《一発ギャグ》SC0
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
◇明都院 割美(あくどいん わるみ)
CLv:18/7級
JLv:2/クレリック
HP:126/142
MP:29/116
SP:40/135
STR:54 VIT:53 SEN:46
AGI:58 INT:56 MND:54
MAG:45 AC/SC:8/14
・アビリティ
【★悪知恵】
【Lv3:近接マスタリ】
【Lv13:武器マスタリ・長剣】
【Lv2:武器マスタリ・鈍器】
【Lv9:攻撃効率】
【Lv10:闇属性魔法】
【Lv9:防具マスタリ・重装】
【Lv9:重量挙げ】
【Lv2:妨害魔法】
・スキル
《威嚇》SC0
《初級鑑定》SC0
《パワースラッシュ》
《サークルスラスト》
《デルタスラッシュ》
《ダークネススラッシュ》
《タウント》
《ダークネスアロー》
《ダークネスボルト》
《ダークネススフィア》
《サプラル》
《◆アーマーパージ》
―――――――――――――――――――――――――
▽ワルミ
「相変わらず【★天魔特異点】はよく成長しますわね………
時にホヨヨちゃん
『三桁の境界線』という逸話はご存知でして?」
▽ホヨヨ
「なんですかそれ~?」
▽ワルミ
「なんでも基本ステータスが三桁…100を超えだすと
いよいよ人外の領域に踏み込んでいく、というものですわ
要は一般人の10倍って事ですからね
単純にLv1あたりステータスが2増えるとして、
初期ステータスが10ならばLv46で達成できますわ
この世界においてLv40を超えている事がどれだけ恐ろしいか…
あなたには理解できまして?」
▽ホヨヨ
「さあ………?」
▽ワルミ
「ホヨヨちゃんは今MAG補正の付いた装備をしていない………
すなわち素の状態でMAG99ですわ
つまりホヨヨちゃんはMAGに関して既に
バケモノじみた能力を持っている、という事ですわよ!
なんで一人だけそんなにポンポコ上がっておりますの!?
ずるいですわよ! ずるいですわよ!」
*ほっぺを横に伸ばす*
▽ホヨヨ
「オヒーーーーー」
*ほっぺが横に伸びる*
▽ジェリトワーヌ
「クヤシイノウ クヤシイノウ」
▽ワルミ
「ええいおだまり! おだまりなさいグギギ………!
まあ、これこそ特化型の真骨頂なわけですけども
万能さを犠牲にして、自らの得意とする分野のみを強く引き立たせる…
この調子でいけばSENやAGI、MNDなども
Lv30辺りで100を超えそうですわね…
まったく、末恐ろしい方ですわよホントに」
▽ホヨヨ
「えへへ~~~ 照れます~~~」
▽ワルミ
「 … … … 」
▽ホヨヨ
「 … … … 」
▽ワルミ
「んなぁ~~~~~にが【もちもち】でございますの!!!
またどーしようもないアビリティを拾いよってからに!!!
ええ確かに以前より触り心地も揉み心地も
引っ張った時の伸びも良くなってますわよねェ!?!?!?」
*ほっぺをものすごく伸ばす*
▽ホヨヨ
「ホゲェーーーーー!!!」
*ものすごく伸びる 1ダメージ*
▽ジェリトワーヌ
「ナンカ ワレヨリ ジェリー ッポク ナッテキテナイ?」
▽ワルミ
「この【もちもち】はですね? 原作では【宴会芸】と同様に
ほぼ無意味だったアビリティなんですのよ」
▽ホヨヨ
「え! それじゃあ一体どういう効果があるんですか?」
▽ワルミ
「これを主人公や攻略可能ヒロイン達に載せておきますとね………
日常会話に専用セリフが追加されますの
『最近顔周りがふっくらしてない? …太った?』とか
『なんか二の腕がいつもよりたるんでる気がする…』とか
『下着が…ちょっとキツくなってきたかも…』とか
そういう感じの………それだけのアビリティですわ
ステータスに変化は無いし特殊効果も複合化もありませんのよ
もちろんALvを上げても何もありませんわ」
▽ホヨヨ
「へー」
▽ワルミ
「もっと他に良いアビリティあるでしょ………
ほら ファイターLv2の【重量挙げ】とか
これを鍛えていけばホヨヨちゃんでも
ほどほどに重い装備を扱えるようになりましてよ?」
▽ホヨヨ
「や゛!」*逃げ出す*
▽ワルミ
「や゛じゃありませんの! ダメ! ダ~メ~で~し~て~よ~!
そんな逃げたりしたら今度そのもちもちほっぺを啜りますわよ!?
あ゛~~~~~もうAGI高すぎて全然追い付けませんわ!!」
*追いかける*
▽ジェリトワーヌ
「………ア
ワルミ ワルミ ワレモ 【モチモチ】 オボエテタ ゾ
コレカラノ トレンドハ ヤハリ 【モチモチ】 デ アルナ
ワルミモ リュウコウ ニ トリノコサレル デ ナイゾ」
▽ワルミ
「そう………」
▽ホヨヨ
「や゛~~~!!」*ものすごい速度で逃げ回る*
▽ジェリトワーヌ
「ウェ~~~イ」*特に理由も無く転げ回る*
▽ワルミ
「こいつら……ッ!
それならワタクシもとっておきを使いましてよ!!
《アーマーパージ》ッ!!」
▽ホヨヨ
「うわーーーっ!!」*マジ脱兎*
▽ワルミ
「おーっほっほっほっほっほっほっほ!!
これでスピード的優位はほとんど無くなりましてよ!
お待ちなさい!!」*マジ追走*
▽ジェリトワーヌ
「ハヮヮヮ………」*完全に置いて行かれる*
【宴会芸】よりも意味が無いという【もちもち】……必ず使い所を見つけてみせます。なんたってホヨはもちもちに自信がありますので!!
――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――
▽イオ
「早いものだな………
クエストラリーの次は模擬戦トーナメント、
それがもう2日後だ」
▽ルウク
「早いと言えば…
Fクラスのレベルアップ速度も史上トップクラスらしいぜ?
俺達はLv7、クラス全体も5~6になってる………
例年なら夏休みをほぼ消化して辿り着けるかどうかだ…って話だ」
▽ライチ
「そうね Dクラス以上はまだまだ厳しいけど…
Eクラス相手ならそこそこいい勝負できるんじゃないかしら?
アタシは模擬戦の試合形式に向いてない純魔法使いだから
残念ながら見送りだけどね~」
▽インク
「そこは得手不得手がはっきりしている部分だからしょうがないさ
非参加者の分までしっかりと結果を出さねばな」
▽シン
「にしてもさ 意外よね~
あーしらやアクドっちは前に出て戦うの得意だし
レベルもあるから参加してるのはいいとしてさ
クラゲっちも参加申請出してんだもんね~」
▽スウト
「レベルやステータス的には厳しいかもしれませんが…
定村君みたいに武器と魔法を両立させた戦い方であれば
意外と何とかなりそうですね」
▽イオ
「明都院さんから聞いた話によると…
どうやら僕とは少し違ったスタイルで鍛えているようだ
徒手格闘と魔法を組み合わせるらしい」
▽ルウク
「確か【魔法武器】特性が無い武器や盾を持ってる方の手からは
魔法が阻害されて撃てないんだっけか
格闘系の武器は両手が塞がるし…」
▽イオ
「いや、腕の防具として装備すれば問題無いらしい
武器を持っていない…すなわち素手と同じ状態だから魔法も使える
………確か、そうだったな?」
▽ワルミ
「ええ、その通りですわ定村くん
ただし握り込んで手が塞がってしまうグローブ系や
武器判定が無くならない刃物の付いたクロー系の格闘武器は対象外ですわね
AGIの高さを活かしたヒット&アウェイの近接戦闘術…
STRの低さは至近距離からの攻撃魔法で補いましてよ」
▽インク
「…と言っても攻撃魔法はそもそも射程が広い
少々距離が開いても攻撃出来るというのは大きな強みだ
…MPが尽きない限りはな」
▽ルウク
「やっぱ魔法は便利だよなぁ~…
攻撃するだけじゃなくて妨害や治療まで出来るんだ
適性を持つ人間が少ないってのも分かる気がするぜ
俺には何がどうなってんのか全然理解出来ねえもん」
▽ライチ
「…正直魔法を使っている本人すら
よく分からない部分も多いのよ
だから魔法に関する研究は優先的に続けられているし
誰かに教えられる程の確立した知識も集まっていないの
学園で魔法の授業が出来るようになるのは…何十年後かしらね」
▽イオ
「僕達が当然のように扱っている魔道具も
元は未知の技術だったんだ
いつかは誰もが魔法を学び扱える日が来るだろうさ」
▽ホヨヨ
*ワルミの膝の上で丸まって寝ている*
▽Fクラス生徒達
「 … … … 」
▽ワルミ
「………え? 何ですの皆様
そんなにワタクシの方をじっと見て………」
*当然のように頭を撫でている*
▽スウト
「………えっ いや その………何と言うか………
クラゲちゃんとは………そういう関係なのかなって………」
▽ワルミ
「そういう………?
ええまあ、最近はよく一緒にダンジョンに行ってますし
冒険者仲間で……… あっ*何かを察する*
いやいや違いますわよ
ホヨヨちゃんは…そうですわね 弟みたいなものだと思ってましてよ」
▽ルウク
「いや弟だからって膝に乗せて撫でたりするか?」
▽ワルミ
「しませんの???」
▽ライチ
「しないわよ」
▽ワルミ
「そう………」
▽インク
「………そこまで堂々とされていると
もはやどうでもよくなってしまうな………
…その、なんだ… わ、私も触ってみていいかな?」
▽ライチ
「印句???」
▽ワルミ
「ワタクシに許可を取る必要なんてありませんわよ
ホヨヨちゃんは誰のものでもないですし…」
▽インク
「…そ…そうだな…!
こんな所で無防備に寝ているからだもんな…!
私は悪くない…悪くないんだ………!」
*そっとほっぺをつつく*
▽ホヨヨ
*素晴らしくもちもちしている*
▽インク
「………ああっ…! ああぁぁぁ~~~………!!!」
*悶えている*
▽ライチ
「印句さん!?」
▽スウト
「は、原戸さんが…陥落した………!?
これが………魔性の【もちもち】アビリティ………!!」
▽ルウク
*せっかくなのでほっぺを触ってみる*
「うわすっっっげえ………!!
なんて優しい弾力をしてやがるんだ………!」
▽フウカ
「………では…私は抱っこを所望します………!」
▽ライチ
「毘沙さ………うわ! 目が怖い!
さっきからやけに静かだと思っていたら………
精神が母性に支配されかけているんだわ!!」
▽イオ
「び、毘沙さん! 気をしっかり持つんだ!
高校生だ! 相手は高校生だ…!
さすがにそれは危険すぎる………!!」
▽フウカ
「………ハッ! わ、私は何を言って………!?」*正気に戻る*
▽イオ
「明都院さん! 即刻クラゲちゃんを起こしたまえ!
そのような危険物をここに置いておく訳にはいかない!」
▽ワルミ
「了解!!」*ほっぺを執拗に捏ねて伸ばす*
▽スウト
「え? 頬ってそこまで伸びるものでしたっけ?」
▽ルウク
「ホントだすっげえ伸びてる これが【もちもち】ってやつか………」
▽ホヨヨ
「オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」*起きた*
▽シン
「みんなノリ良くてマジウケる~」
▽ライチ
「ほんとにね」
▽ホヨヨ
「?????
………あ!! 【もちもち】のレベルが上がっています!
よいですね~~~」
▽ライチ
「えぇ………」
いつの間に上がっていたのかは分かりませんが、この調子でトーナメントもいい感じの成績を残していきたいですね~。
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