第29話 相性有利
1点のビハインドを抱えた状態で最初にボールを持ったのが
なぜ
フィールド中央で繰り広げられる闘牛のような攻防に、観客たちは息を呑まざるを得なかった。
「くそっ!」
その焦りと苛立ちも空しく、伸ばした足は空を切る。抜き去られることだけは避けたい一心で自陣側へと戻った
「随分余裕そうだな。」
その様子を察知した
「……余裕に決まってるだろ。技の使えないお前なんかすぐに倒してやるよ。」
例えそれが虚勢であっても己のため、仲間にアピールするためにそう言う他無かった。それを聞いた
「俺らにはサッカーしかないんだよ。サッカーで己の存在を証明するしかない。人の目を気にしてる余裕なんざ一切無い。まして、目の前に敵がいる状態でそれを気にすることなんざできるはずもない。だからさ、それができるお前に、負けてなんかいられねぇんだよ。」
格が違う。
この
「は?」
「くそっ、逃げんのかよ。」
「託したんだよ。俺が信じたサッカーを。」
本音の迫力によって敵の動きを膠着させた
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