第6話 よくないことだとは思うのだけれど・・・
4月から博士課程に進んだAさん、就職したBさんとわたしとの剣道グループ、もはや剣道は一緒にやってないけど、定例の飲み会やお茶会、一緒に山に行ったりプールに行ったりと言う関係が続く。
6月ころ、就職活動でへとへとになった私を励まそうと、2回目の小旅行が企画された。Aさんがプランを作ってくれて、7月の末、二泊で沖縄の某ビーチへ行った。
今回はホテルなので一応一人一部屋で泊まることにした。
*
午前中はドライブ。午後はプールサイドやビーチでまったりと過ごす。寝そべりながら色々三人でだらだらと話をする。暑くなったあたりでプールに入って泳いだり、海に入ったり。
水着の私にチラチラと二人の視線を感じる。
「ねえ、見てますよね、水着。」
「え、いや。あ、うん。ごめん。でもさ、見ちゃうよ、そりゃ。目の前にあったら」とAさん。うんうんと頷くBさん。
ちょっと挑発したくなった。海に入って三人で戯れてるとき、波に押されてふらついたふりをしてAさんにしがみつくように抱きついた。胸をAさんのお腹の下あたりにぎゅっと押し付ける感じで。
「ごめんなさい!」といって、立ち上がるや次の波が来たので、あっと波に倒されたふりをしてこんどはBさんのお腹に胸をぎゅっと押し付けて抱きつく。
「ほんとごめんなさい!」といって海の中に押し倒す。
三人で頭からずぶ濡れになって遊んだ。楽しかった。
前回の3月の旅行でああいうことがあったから、このくらいは戯れのレベル、という感じだった。男友達というよりは、女友達同士で戯れているという感覚だった。少なくとも私の方は。
*
夜、食事をしてホテルに戻ってからAさんの部屋にみんなで集まった。いつものように、諸々な話題で盛り上がる。で、気になってしょうがなかった話題を切り出してみた。そう、その後、二人に彼女ができたかどうかってこと。まあ、私たちの中なので、彼女ができたら報告し合うのだろうけど、でも一応確認したい。
ズバリ聞いたけど、二人ともまだ「彼女いない歴=年齢」状態だった。
「え。やば。」
と、思わず思ってしまったけど、そんなこと言えない。前回そういう告白を聞いてからまだ3ヶ月くらいしか経ってないので状況が変わってなくても驚くべきではないのだろうし。
思い切ってあっち方面の経験もその後、まだなのか、とおもわず聞いてしまった。彼女がいなくっても、するだけならすることはできるはず。色々方法があるし。不躾かと思ったけど、
「そっちもまだ...とかですか?」ときくと、二人とも目を伏せて頷く。
しまった。傷つけてしまったかな、と思ったけどバカな私はさらに、
「じゃあ、そういう気分になっちゃったとき、自分でするんですか?
と聞いてしまった。ビールを飲みすぎてちょっと酔っていたかもしれない。二人とも「え...」と言ってはっきりした応答をしない。
こりゃいかん。恥をかかせちゃいけないと思って、
「そりゃ、自分でしますよね。私の元彼もするって言ってましたよ。私だってしますよ、むらっとしたときとか自分で」と、フォローのつもりで思わず言ってしまった。
あ、わたし、マスターベーションしてること告白しちゃってるじゃん。やば。と思った時は手遅れで、急に二人が私の顔を見て「ええ!?」と声を揃えて同じ反応をした。顔を見合わせてみんなで爆笑してしまった。
一気に場が和んだ。するよ、するよ、と二人とも白状してかなり下な感じの話題で盛り上がってしまった。毎日するだとか、それは多すぎるとか、空想でするとか、そんなんでできるのとか。やっぱネット見るでしょとか、え、それどこのサイト見るのとか。この男二人の間でこんなに盛り上がるとは、その手の話題をしたのは始めただった様子だ。
Bさんがスマホをとってサイトを開こうとするので、やめましょうよ、今はそういうの見るの。リアルで試してみます?手でしますよ、少しだけならいいですよ、と私。何を言ってるんだ私は。何だかやっぱり酔ってるかも。
でもなんだかもう、この二人が喜んでくれるなら、手でするくらいならしてあげてもいいかなとも思ってしまう。
けっこうやばいことを私の方から言い出してしまってるわけで、どんびきされるかと心配になったけど、Bさんが、
「まじ?ユキちゃん。ほんと?」と何度も聞くので、冗談です、って言って撤回しようかと思っていたところ、して欲しいオーラ満載であまりにも恥ずかしそうに、子犬のように可愛く告白するので、なんだかいじらしく思えて、じゃあ、という流れになった。
で、まずBさんのを握って手を上下する。だまってこういうことするのはなんか気まずい。Aさんもみてるし。射精までするのはちょっと違うと思ったし、たぶん私の手業ではそこまで持っていくのは多分無理だ。一分くらいして「はい!おしまい!」と言って手を離した。
じゃ、Aさんもね、といってそれを握る。Bさんより少し柔らかい。でも上下しているうちにすぐに硬くなった。でもBさんより小さくて細い。同じく一分くらいで、「はい!終了でーす!」と言って手を離した。
*
けど、二人の様子雰囲気がめちゃエロな感じになってる。今まで見たことないくらいに。何かおさえ難いものがあるという感じで私に絡んでくる。で、なんとなく流れで、その先に進んでしまった。なんか、友達同士で恥ずかしいね、といいながら三人とも裸になってベッドに。なにもしないからね。裸で隣に横になるだけね、と。
男の人2と同時に裸でベッドに入るのはもちろん初めてだ。しかも相手は二人とも童貞だ。展開も読めないし、私自身どう振る舞えばいいかわからない。けど二人とも私の体をおずおずとした手つきだけれどもめちゃいろいろ触ってくる。どっちが私のどこを触ってるのか、わからないくらいにすごい勢いで触ってくる。ねえ、ちょっとペースダウンしましょうよ、と言おうとしても、二人とも勝手にかわるがわるキスもしてくるので口が塞がれて言えない。
さらに気がつくとふたりのそれを口で咥えさせられていた。ここまでするつもりはなかったのに。男の人の性欲を、ちょっとみくびってた。手でちょっと触るだけでは済まないっていうのは、今までの経験から知っていたはずなのに。この二人は友達同士だったから「男の人」って感じはあまり持っていなかった。でもこういうふうに私の体に貪りついてくる勢いは紛れもなく男だった。黙ってされるのも恥ずかしくて、めちゃ喘ぎ声出していたと思う。余計なことをしたと後で思った。
そのうちまずAさんがたぶん私の中に入ろうとして上に乗ってきた。ちょっと、待ってくださいよ、それはなしですよ、と言いかけたものの、ここまできてそんなことをいうのもと思って、もういいやと思って脚を開いた。仰向けで脚を開いている私にのしかかってくるのだけれど、なかなか入らない。あ、この二人、初めてなんだっけ、とこのとき、ようやく我にかえった。
Aさんの自尊心が傷つかないようにしなきゃ、と気づいた。興奮した雰囲気を見せながらさりげなく体勢を入れ替えて私が上になってAさんのを自分で入れた。コンドームはいつの間にかつけられていた。で前後にゆっくりと動いた。すると立ち上がったBさんがAさんに跨ってる私の口に自分のを咥えさせてきた。ああ、こういうのPornhubで見たことある!と思ってしまった。不覚にもめちゃ興奮した。
数秒でAさんが私の中で射精したのがわかった。男の人は早くいきすぎることはショックだとよく聞く。しばらく気づかないふりをしてあげようと思ってゆっくり動き続けた。口にはBさんのものが咥えさせられてるし。と思っていたところ、口の中に激しく苦いものが・・・ Bさんが予告なく私の口の中に出してしまったようだ。下と上の口ほぼ両方同時に射精された状況だ。
「ゆきちゃん、ごめんね... つい、」とあやまるBさん。もう、セックスなんだからそんな腰低くならないで!そんなこと言われたら傷つくよ!と内心思ったけど言えなかった。
で、次、Bさんのを入れてあげる順番なのだろうけれど、いま私の口に出てしまったから硬さ的に無理かなと思ったけど、全然そんなことはなかった。Bさんとは正常位で。Bさんのそれを私が手で持ってうまく入るように誘導してあげる。その間、こんどはAさんが私の口にそれを入れてくる。最初からちょっと苦い。1分くらいでBさんもフィニッシュ。二人の公平のため、Aさんも出るまで口でする。すぐに終わってくれたのでホッとする。
三人でシャワー浴びに行って、「どうでしたか?初体験。」とお互いに体を洗いながら感想会。よかった、を繰り返すばかりの二人。二人のその部分を見ると、まだ完全に上向き。体を拭いて服を着ようとすると、二人のうちどちらともなくまた私を押し倒してくる、ベッドに。そしてもう一度。
二人のうちどちらかが後ろからの体位でしようとするので、膝で高さを調整して入れやすくしてあげたことは覚えている。あとはかわるがわる下の方と口とに、二人のうちどっちかのものが同時に入っているという感じでよく覚えていない。私も彼と別れてひさしぶりのセックスだったので後半、けっこう楽しんでしまって羽目を外してしまった。スポーツみたいだった。二人とも超時短で終わってくれるのでありがたい。
*
夜はそれぞれの部屋で寝た。
けれど、翌朝、朝食の後、荷物をまとめる都合でAさんの部屋に集合した時、またしてしまった。私はもうちょっとお腹いっぱい気味だったのだけど、男性二人は全然そんな感じじゃなかった。ま、私の場合は相手が二人なので二倍のものを味わったけれど、彼らは半分なので、そういうことなのかもしれない。朝日のさしこむ明るい部屋で、下の方に入れられたり口でしたり、ということになった。
チェックアウトギリギリの時間になってしまって、あわてて服を着て出発。
*
飛行機の時間までドライブ。楽しかった。
Aさんが、おれたちこういう関係になっちゃってよかったのかな。ユキちゃん、俺たち最低って思ってるよね、とちょっと思い詰めたように聞いてきた。Bさんも同じ思いらしい。
私は二人が喜んでくれるならしてもいいと思っていたし、もちろん本当は手でするぐらいで、セックスまでするのは想定外だったけど、でも実はそんなに嫌じゃなかった、というか、三人でできるスポーツが一つ増えたというくらいの感じだった。ま、私はいけなかったのでそれは不満と言えば不満だだったけど。
「私のことより、二人はどうだったんですか?楽しかったとか、初体験できてよかったとか、そういうの気になりますよ、私。私相手で初めてのことしてよかったのかな、って。それが今気になってる」
と、言ってみた。
二人とも、本当に良かったといってくれる。Bさんは気持ちよかった...と言いかけて、あ、いや、ゆきちゃんを彼女にしたくなっちゃたよ、と言い直した。
私に気を遣ってくれてるんだ。気持ちよかった、だけだと、確かに射精の道具にされた気になる。とにかく私相手で二人とも喜んでもらえたようだった。人のためになったかもしれない。
「嬉しいです! でもこれ、今回だけの特別ですよ。はやく彼女作りましょうね!」
といってみる。
うんうんと頷く二人。
しかしこれはやはりよくないことだと思う、一般的には。だけれど、私自身も何かが満たされたことは確かだ。だったら罪悪感を持たなくてもいいんじゃないのかと、自分を説得してみる。でもだめなことだろうな、きっと。
と、そんな感じになってしまった。
でも、どこかで、もう一度くらい試して見たいと思ってしまってる自分がいるような気もする。
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