第17話 順風満帆
期末テストを無事に乗り越えた後は、エッチも解禁されそれこそ週末を潰すくらいに激しく求め合った。
その後も、クリスマスはイブからずっと共に過ごして、サンタコスも披露したし。
年末年始は一緒に年越し蕎麦を食べて、初詣の後は着物で姫初め。
そして改めて実感した。レイ君は特別なんだと、肉体的な気持ちよさも、精神的な充足感も先輩と致していた時の比ではない。
私を一番気持ちよくさせてくれて、心を一番満たしてくれる存在。
なにより私が誰よりも側にいて欲しい唯一の人。
彼から離れるなんて事これっぽちも考えていなかったし想像もしていなかった。
でも、そんなレイ君の事が好きで、好きでたまらないのに、私は相変わらず先輩との関係も続いていた。
期末テストまでの頻度ではないけど、レイ君がスイと生徒会という名目で過ごす時間、その僅かな時間が耐えられなくなり先輩で渇きを満たしたりした。
基本は私から都合のいい時だけ呼び出すのがほとんどだけど、たまに先輩から呼び出されることもあった。
利害関係で結ばれている以上、私だけに都合良くともいかないので、その時はレイ君に誤魔化しを入れて都心で会ったりもした。
この時の私は先輩と関係を持つ事に罪悪感はなかった。
それこそ先輩が私との関係を表す言葉として使ったスポーツセックス。
正に私としては、そんな感覚だった。
スポーツで汗を流してストレスを発散する、それをセックスに置き換えているだけ。
そこには恋愛感情なんてこれっぽちもなく、先輩もそんなもは求めていなかった。
だからかもしれない罪悪感なんて感じておらず。
自分がレイ君を裏切っているなんてことさえ気付いていなかった……いや、気付かないようにしていた。
そう、私さえ黙っていればレイ君とは何も問題ない順風満帆な関係だった。
ただ一つ問題が発生したのは、先輩がスイにも声を掛けるようになった事だった。
そしてスイも満更ではなさそうな雰囲気だという事。
生徒会関連の引継ぎなどで、もともと顔見知りで一見温和。警戒心など抱かないだろう。それにスイも、私と同じようにレイ君の影を重ねているのかもしれない。
でも、本性はというと私も含め多くの女と関係を持つような人物。
だからと言って、それを告げても信じてもらえないだろうし、そもそも何故そんな事を知っているのかいう事にも繋がる。
何より先輩と交わした秘密厳守という約束を破ることになる。
そして、もし私が約束を破れば、向こうも私との関係性を黙っている理由は無くなり、報復としてレイ君には私との関係を伝える可能性もある。
そんな理由で親友に本当の事を告げられないまま悶々としつつ、でも、レイ君とはイチャイチャとした日々を手放せないでいる。
だから、そんな私がどれだけ卑しい存在だったのかなんて、目の前に事実を突き付けられるまで気付くことは無かった。
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