第10話 新しい出会い
順風満帆な私とレイ君。
生徒会がない時はいつも変らす放課後一緒に過ごして、私の家で……優しくて、エッチなレイ君は変わらなくて。
でもいつの間にか欲張りになってしまっていた私は、その会えない僅かな時間すら寂しくて。
そんな時だった。
生徒会の関係でレイ君と過ごせなくて、放課後遊ぶ約束していた友達には彼氏との用事が出来たとかでドタキャンされてしまい、暇つぶしにひとりで駅前を歩いていると、ナンパ男に声を掛けられてしまったのは。
いくら話を無視しても一方的に話しかけてきて、やたらと褒め言葉を並べ立てる。だけれど上辺だけで中身が軽薄でスカスカなのは分かりきっていて、相手になる気すら起きない。
でも、その日はレイ君もスイと生徒会で、友達にはドタキャンされ虫の居所が悪かったからだろう。
つい私は、苛つきからつい反応してしまった「うるさい」って。
たったそれだけの言葉だけど、この手の相手は、ターゲットが反応すると分かると更に絡んでくる。
「怒った顔も可愛いね」とか言って、レイ君以外に言われても嬉しく無い言葉を投げ掛けてくる。
私は本当にうんざりして困り果てて居た。
そんな所に救いの手が差し伸べられた。
その相手というのが、レイ君とスイを生徒会に推薦した前生徒会長の
颯爽と現れナンパ男を撃退する美男美女のコンビは様になっていて。
余りにも見事な対応に私が見惚れていると、様子がおかしいと思われたのか、前会長さんの方から話しかけてくれた。
「大丈夫? うちの制服の子が変な男に絡まれていたから追い払ったけど、あの様子で知り合いって事は無いわよね」
「あっ、はい、ありがとうございます。助かりました」
話しかけられてようやく正気に戻った私は、慌ててお礼を言う。
「そう、良かった。貴方は確か……」
「天咲藍さん、ほら会長が役員に誘った後輩の子の彼女ですよ」
補足するよう隣りにいた元副会長の先輩が私のことを告げる。
「おおっ、貴方が噂のレイの彼女か。そっかー、そっか、そっかー、あのレイのねー」
なんだか見定められてるように感じる視線。
「いや、いや、納得したよ、アイツ巨乳派だったんだな。それなら確かにスイには厳しいなー」
そう言って楽しそうに笑った。
それから改めてお互いに自己紹介をした後、レイ君とスイという共通の知り合いもいるからなのか、私に興味を持ったようで少し話をしないかと誘われた。
私としてはデートの邪魔をするのは悪いと思い、断ったけど、「これとはそんな関係ではないよ」と笑って返され、元副会長も苦笑いを浮かべて同意いていた。
ならばと、どうせ暇していた私は一緒にカフェに行くことにした。
普段の私ならそれでも遠慮していた。
なら何故誘いに乗ったのかといえば。
きっと何処かでレイ君とスイに昔から関わりのあるこの人と、私だけ繋がりが無い事に少し嫉妬していたのだと思う。
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