第6話 初体験


 食後、少し休憩を挟んで、いよいよ私は本題を切り出す。


「あのね。相談っていうのはさ……」


 昨日、何度も頭の中でシミュレーションしたのに緊張して言葉が出てこない。


「……えっと、深刻な話なら、無理しないで良いよ。話せるタイミングで良いからさ、待つよ」


 言葉に詰まる私に気遣ってレイ君が優しい言葉を掛けてくれる。


 そして、私はその優しさに耐えきれなかった。

 レイ君は「待つよ」と言ってくれたけど、私が待てなかった。


 ソファで隣り合って座っていたレイ君に抱きつくとそのまま唇を奪う。


 感じる柔らかな感触と幸せな高揚感。

 さらに私は、勇気を出して舌でレイ君の唇をなぞる。すると応えるようにレイ君も口を開き舌を絡ませてくる。


 初めてしたちょっとエッチなキスに沸騰しかけた脳みそがトロトロになりかける。


 しばらく求め合うように唇を重ね続け、名残り惜しそうに唇を離す。

 目に映ったのは上気して真っ赤な顔のレイ君。

 たぶん、私も同じような表情をしているたろう。


「あのね。これから先の事もレイ君と体験したいなって、それが私の悩みなの……その、どうかな?」


 私はあざとく上目遣いで尋ねる。


 するとレイ君はそれが答えだと言わんばかりに、私の唇を奪うと激しく舌を絡ませてくる。

 抱きしめていた手が少しづつ私の胸に伸びる。


 他の人なら嫌悪感しか抱かないだろう感触も、大好きなレイ君だと違った。全然嫌ではなくむしろ触れてもらえる事が嬉しかった。


 キスしながら少しづつお互いをはだけさせ行く、もちろん下着は勝負用のレースが入った大人な雰囲気の高級品。この時のために準備していたものだ。


 そんな下着姿になった私にレイ君は「綺麗だよ」って褒めてくれた。


 褒められたのは素直に嬉しいし、そう言って貰うための下着だったから間違いなかった筈なのに、少しだけ余裕のある感じのレイ君にモヤッとした。

 初めての男子はもっとがっつくかと思っていたから。


 少しだけ、そんな事を感じながらも、やっぱり褒められたことの方が嬉しくて、すぐにそんなモヤモヤは消えて失くなる。


 それから私はレイ君を誘って、両親の寝室に向かう。

 悪い事してるのはわかるけど、こっちのベットのほうが大きくて広いからだ。


 私はレイ君にひっついたまま何度もキスをせがみ、そのままベッドになだれ込む。


 お互いにキスと愛撫を繰り返し高め合い、満を持しての本番。


 流石に緊張した。

 けれどレイ君と、ひとつになれるのことの方が嬉しくて、そのせいか、いつも一人でするときより潤っている気がした。


「大好きだよ、愛してるラン」


 レイ君がそう優しく囁いた後にくる激しい痛み。

 友達から聞いた話通りというか、想像以上に痛かった。少し涙が出るくらい。

 でも、これは嬉し涙でもあって、大好きなレイ君と感覚をひとつに出来た喜びもあるから。


「ありがとうレイ君。私も愛してるよ」


 そう笑って言葉を返すことが出来た。

 




―――――――――――――――――――


読んで頂きありがとう御座います。

評価して頂いた方には感謝します。



今後の創作活動のモチベーションにもつながるので。


☆でも☆☆でも構いませんので評価してもらえると嬉しいです。

もちろん☆☆☆を頂けたらもっと、もっと喜びますので、どうかよろしくお願いします。




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