第3話 お悩み相談
私がレイ君との関係をどう進展させようか悩んでいる時。
他のクラスで以前私に告白というか、あからさまなヤリモクで話しかけてきたちょっと顔の良い男子が居た。そいつが、私の側に人が居ないタイミングで話しかけてきた。
どこから聞いたのか、私が彼との関係を進めたいと知っていた。
驚きだったけど、それ以上に信じられない提案をしてきた。
「ランちゃん。彼氏の事で悩んでるって? 良かったら俺が教えてあげようか、俺けっこう上手いから初めてでも痛くしない自信あるし」
それを聞いた時に思ったのが、こいつ頭大丈夫かである。
そもそも名前呼びなんて許してないのに気安く名前を呼ぶのもムカつくし、何よりこんなアホな誘いに乗るような脳味噌お花畑な人間だと思われているのにも腹が立った。
「あっ、ちょっと待ってね」
私はスマホを取り出しイジるフリをして録音機能をオンにする準備をする。
脳味噌猿な男子は勝手に連絡先を交換するものだと勘違いしたらしく自分のスマホを取り出す。
私はもう一度、その男子に尋ねた。
「ねえ、初めてでも痛くしないって本当? えっと名前何君だっけ?」
そう尋ねたタイミングで録音をオンにする。
「えっ、ああ俺は模部葛生だよ、宜しくねランちゃん。あと初めてでも安心していいよ、もちろん痛くしないし、ぜってーイカせてみせるから、ぜってー忘れられない思い出にしてやるからさ。まあ、もしかしたら気持ち良すぎて彼氏じゃ満足出来なくなるかもしれないけど、あはっ、まあ、その時はさ俺が彼氏の代わりに目一杯可愛がってやるから安心しなよ」
録音するためとはいえ最後まで我慢して聞いた私自身を褒めてあげたかった。だって、この男の思考自体が気持ち悪くて吐きそうだったから。
録音を止め、直ぐに断りの返事を告げる。
「いや、アンタキモすぎでしょう。今後一切私に近づかないで、近づいたらさっき言った事皆に公開するから」
そう伝えて、録音した内容を聞かせる。
キモ男も流石に自分の発言のまずさに気が付いたようだ。
だけど短絡的な思考には変わりなくて、遠巻きながら周りの目があることも気にせずに、慌てて私のスマホに手を伸ばし、私からスマホを奪おうとする。
私も、コイツがそこまでバカだったとは予想打に出来ず、図らずも手首を掴まれてしまう。
気持ち悪い男の手の感触にゾットする。
でも、その瞬間、その男の手首を更に違う男の手が掴んだ。
掴まれた力がよほど強かったのか、痛がりながらバカ男は直ぐに私の手首から手を離した。
その瞬間にバカ男の手首を掴んだ相手に抱き寄せられると、聞き慣れた声だけど別人のような声色でバカ男に言い放った。
「ひとのカノジョになにしてるの」
それは普段、私には向けることは絶対にのない低く冷たい声。
そして、いつも穏やかな瞳には相手に対する明らかな敵意が宿っていた。
―――――――――――――――――――
◇
読んで頂きありがとう御座います。
そしてまだ触りの部分ですが評価して頂いた方には感謝を。
今後の創作活動のモチベーションにもつながるので。
☆でも☆☆でも構いませんので評価してもらえると嬉しいです。
もちろん☆☆☆を頂けたらもっと、もっと喜びますので、どうかよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます