第101話 移住先にはヨルダン川の対岸も視野に入れていいかもな、温泉もあるみたいだし
さて、エリコが将来洪水が起こって水没したときに備えてのキルベト・クムラン以外の避難先の場所についてだが、キルベト・クムランより南の死海のほとりにあるエン・ゲティとのちにイスラエルの首都になるエルサレムに目星をつけてみた。
このあたりは現在では人の集落はないだろうが、湧き水による飲料可能な水源があり更に家畜や農業用の水の確保などは可能だろうという判断だ。
何はなくとも飲料水や農業に必要な最低限農業用水が確保できるというのは生き延びるうえで大事だし、水があれば緑もあるはずだ。
エルサレムの先の地中海沿岸にはヤーコン川の河口にある港湾都市ヤーファーを含む21世紀ではイスラエルで人口第2位になるテルアビブがあるのでそちらまで足を伸ばしてもいいかもしれない。
河口というのは船着き場にするのには最適だし水の補給も容易なので、今のこの時代でもキプロスやアナトリアから来ている商人が立ち寄っている可能性がある気がするんだよな。
とはいえある程度人が集まる集落があるなら移住先にするわけには行かないが、交易商人を介在せずに交易ができれば儲けものだと思う。
できれば荷物を運ぶためにロバを使えるようにしたいところではあるな。
人間が背負籠で荷物を背負って運ぶよりロバに運ばせたほうが重い荷物を運べるからな。
ロバは1頭で30キロくらいなら余裕で荷物を運べ、なんと60キロくらいまでなら休憩を取らせれば運ばせることは可能らしいから心強い。
なので鞍やハミ、引き綱などがあれば人間の大人の男性を乗せて運ばせること自体は可能だ。
馬のように操ることはできないので、騎乗して走らせたりはできないみたいだけど。
エリコとテルアビブの距離は67kmくらいで、イスラエルを挟めばそれぞれ35Kmくらいだから、そこまで遠いというわけでもない。
とはいえ東京から館林あるいは東京から秦野くらいまではあるから近くはないけどな。
ちなみにイスラエルにおいては、それなりの大きさがある川はヨルダン川とヤーコン川の2つしかなく他の川は乾季には干上がってしまう
ここまでスマホで地図を調べて見て気がついたのだが、エリコとヨルダン川を挟んだ場所にも川があり、その先には21世紀のヨルダンの首都アンマンがあるようだ。
アンマンには新石器時代の9000年前には定住している人間がいたようだがな。
アンマンが一時期エジプトのヘレニズム王朝プトレマイオス朝の支配下に置かれたときには、プトレマイオス2世ピラデルポスの名前にちなんで、ギリシャ語でフィラデルフィアと呼ばれた事もあったらしい。
アンマンは7つの丘の上に建設され、気候としては今のエリコと同じような森林ステップだと思う。
夏は暑く乾燥し、冬は湿潤となり、西側からの風に含まれた水分が雲になって雨を降らすのだと思う。
しかし、標高700m以上の高地にあるために夏でも比較的涼しく、冬には雪が降ることも珍しくなく大雪となることもあるらしい。
ここにならリンゴの木もあるかもしれないな。
21世紀だとアンマンとヨルダン川の間にはザルカ川が流れていて、比較的大きなダム湖があるようだがまあ当然この時代にダムはないだろう。
しかし川があれば船である程度遡っていけるのはありがたい。
ちなみにエリコからアンマンへの距離も70キロほどのようだな。
しかも、ヨルダンには天然のしかもちゃんと熱めの温泉があるらしい。
その温泉地があるハママートマインはザルカマイン川が刻む渓谷の崖から温泉が湧き出し、滝となって流れ落ちることで有名であるらしい。
場所はキルベト・クムランとエン・ゲティの間くらいかな。
今の時代どころか21世紀でもエリコの近くで温泉なんて、夢のまた夢と思いきや、ヨルダンにはなんと天然の温泉があるという。
このハママートマインという地域には、計63もの天然温泉が湧き出ていて古くから湯治に使われていたらしい。
そしてここは冬でも気温や湿度が高くて過ごしやすいらしいので保養地としては最適だな。
ただエリコでは冬は農業の繁忙期なんで、のんびり湯治をしている暇はないかもしれないが。
しかも、洞窟が天然のミストサウナになっていたりもするようだ。
ヨルダンは他にもハマト・ガデルというティベリアス湖に近いヤルムーク川のイスラエル、ヨルダン、シリアの国境が交わる地点にある温泉保養地があり、こちらもかなり古い時代から知られていたらしい。
このあたりは火山帯なのかもな?
だから大きな地震も多いのだろう。
温泉の泉質が何かまではわからないが、硫黄の匂いもするらしい硫黄泉か重曹泉じゃないかとは思う。
ハママートマインまではある程度の場所までは船が利用できそうだし、近いうちにぜひ一度ハママートマインで温泉に浸かってからエン・ゲティには行っておきたいな。
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