第43話 猫に子供が生まれたよ

 さて、ある日のこと娘が猫を見に行った後、唐突に言った。


「みゃーちゃんいっぱー」


「?」


 娘の言っていることの意味がよくわからないので、俺が直接猫を見にいったら子猫が6匹生まれていて、猫が子供に乳をやっていた。


 猫は2ヶ月ほどで離乳し、半年から一年で性成熟して子供を生むことが出来るようになる。


 また猫は長日繁殖動物のため、暖かくなって日照時間が14時間を越えると発情期が訪れるが2月〜4月だけでなく6月〜8月くらいにも発情する事があるようだ。


 猫の妊娠期間は約2ヶ月ほどなので6月から8月頃に妊娠したんだろうな。


 この猫と出会ったのが去年の秋で今はもう夏だから一歳以上には成ってる可能性が高いし、子供が生まれても驚くことはない。


「ああ、子供が生まれたのか。

 最近は留守番させてることが多かったしな」


「みゃーちゃんのこどもー」


 そういって娘はバンザイして喜んでいる。


 しかし、子猫がうろちょろして家から出て行ってカラスとかに襲われても困るが、この時代にはケージとかないしどうしたもんかな。


 そして猫は乳首が通常は4対8個なんだが、母猫が横になった状態だと4つ以上は子猫は吸いにくい。


 なんで子猫の中でも4匹はうまく乳を飲めているが、2匹はまだ上手く飲めてないようだ。


「大丈夫かな、こいつら」


 まあ、子猫はおなかがいっぱいになったら乳首のところからどいて、そのどいた子猫を親ネコが排泄器を舐めることで排泄意欲を刺激してやっている。


 子猫は自ら排泄ができないからな。


 ちなみに母親も狩りとかをできないので、後産で出た胎盤や、子猫の便や尿を食べて命をつないでいたりする。


「猫の母親も大変だよなぁ」


「たいへーん」


 ちなみに6匹の子猫のうち一匹は白い色を母親から受け継いでいて、一番どんくさい子猫だったりする。


 最低限こいつだけは紐で繋いで置いたほうが良さそうだな。


 家の外に出た途端カラスにさらわれたりしそうだし。


 できればもう一匹のどんくさい子猫もかってやりたいが、流石に3匹もいるとネズミがたりなくなりそうなんだよな。


 うーん、ああ、大丈夫そうならリーリムやお義母さんの家で紐をつけて飼ってもらおうか。


「リーリス、リーリムやお義母さんを呼んできてくれないか?。

 ちょっとどんくさそうな子猫が少し大きくなったら、あっちで飼ってもらえないか聞いてみたいんだ


「わかったわ、呼んでくるわね」


 というわけでリーリスの妹であるリーリムやお義母さんを呼んで事情をカクカクシカジカと説明する。


「なるほど、ちょっとどんくさそうな子猫が二匹いて一匹は姉さんたちが買うけど、もう一匹は私達で飼ってほしいんもね。

 もちろん良いわよ。

 すっごく可愛いし」


 リーリムがそう言うとお義母さんもうなずいた。


「猫が家の中にいるとネズミも出なくなるそうだしねぇ。

 そうすれば色々かじられることもなくなるんだろう?」


 お義母さんの言葉に俺はうなずく。


「ええ、すくなくとも俺たちの家ではネズミは見かけなくなりましたね。

 もっとも猫たちが自分でねずみを捕まえられるように成ってからなんで暫く先ですが」


「ああ、わかったよ」


 というわけで子猫のうちに一匹は俺たちが飼い、もう一匹のどんくさい子猫はリーリムたちに飼ってもらうことにする。


 残りの四匹もほしいという家があれば上げてもいいし、見つからないようなら自由に放し飼いにしょうと思う。


 本当ならみんな飼ってやれればいいが、7匹分の餌を用意できる気はしないんだよなぁ。


 そして二人が帰った後にリーリスが言った。


「私達もそろそろ次の子がほしいわね」


「そうだな」


 最低限子供を産み育てて3人位は成人させるのは義務みたいなもんだからな。


 子供が母親の胸に吸い付くとプロラクチンという母乳を作るためのほるもんが放出されて生理は来なくなるが、そろそろ娘も乳離れしてきたし、ちょっと夜も頑張るか。

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