第24話 相談事したいときなんて誰にもあるよね

コンコン


「アレスだ。入るぞ。」


「どうしたアレス、呼んでもいないのに珍しいな。」


「ああ、ちょっとミアに相談があってな。」


「相談?私じゃダメなのか?」


「ミアじゃないとダメなんだ。(あいつが一番まともだしな。)」


「ミアなら任務中だ。もうすぐ帰ってくるだろう。」


ふむ、ならば暫し待つか。

その間ボスと茶でも飲んでるか。

俺は状態保存魔法をかけておいたグゥルィーンティーを収納魔法から取り出す。


「それは?」


「ああ、これか、これはグゥルィーンティーと言って茶の一種だ。」


「ほう、それを私にのませて今度は何をお願いしようというのだ?」


「違えよ、ただ一緒に飲みたいだけだ。」


「そ、そうか。ではありがたく頂こう。どれどれ、ふむ、なかなか良いものだ。」


「当たり前だ、俺が手に塩をかけて作ったんだからな。」


コンコン


「失礼します。ミア=サーペント、只今帰還しました。」


「おお、ミアか、ご苦労。アレスがお前に用事があるといっていたぞ。」


「先輩が私にですか?」


「ああ、すまない、ちょっと時間をもらえるだろうか?とにかく場所を変えよう。」


「わ、わかりました。」


『私何か先輩の気の触ることした?』


「じゃあ、ボス、俺達はこれで。」


「ああ、またな。」




ボス『私ももっと頼られるボスにならなくては。』



・・・・・・・・・・・・・・・・・



「で、話というのは?」


「ああ、最近やつらの様子がおかしくてな。どうしたものかと悩んでいて何かアドバイスをもらえないかと思ってな。」


「なるほど、先輩を悩ませるとは相当ですね。最近動きが活発化していたのは知っていましたが.....。」


え?知ってたの?

知ってて放置?

そこ頑張ってくれよお。


「やたらと俺に突っかかってくるんだが、心当たりがなくてな。どうしてなんだか。」


「先輩の実力を知っての事ではないでしょうか?」


俺の実力?

確かにあいつらよりは自信はあるが....

【紅】圏外の俺の実力に執着する理由がわからん。


「仮にそうだとして、なぜ俺なんだ?俺より強い奴なんてたくさんいるだろうに。」


「何を言っているんですか、先輩だからこそですよ!きっと、早々につぶしておきたいのでしょう。」


「なるほど、早々にねえ。」


つまり、俺から得る物を得て、下剋上して俺を干そうっていう魂胆か。」

それなら納得だ。


「よくわかったよ、俺である理由が。こちらも対抗する必要があるな。」


「魔族との戦闘は今後厳しくなるでしょう。備えておいて損はないはずです。」


ん?魔族?


「よくわからんが、これで勇者パーティーとの接し方がよく分かった。ありがとうミア。」


「いえいえ、んん?『勇者パーティーとの接し方』?」


「ん?何だ?なんか変なこと言ったか?」


「なるほど、そういう.....たった今理解しました。先輩は先輩のままでいいと思いますよ。」


『この人にとって魔族との戦闘など造作もないこと。きっとそれよりも勇者パーティーをどうケアするべきかで悩んでいるんだわ。』


「俺のままでいい?しかしそれではいずれ俺の身が.....。特にレイ、あいつはヤバい。」


「ああ.....レイ先輩ですか.....それは、まあ、頑張ってください。」


頑張ってくださいって他人事な。

まあ、他人事だけど。


「すまないな、時間を使ってもらって。また任務で一緒になるときはよろしく頼む。」


「はい、こちらこそ。」


こうして俺は屋敷に戻った。




ミア『私参戦!なんちゃって。』





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