第8話最終回、少年期

僕の実家は鹿児島の山間部にあった。近くには川が流れ、よく魚釣りや山で木の上に秘密基地を作り遊んでいた。

テレビゲームは苦手であった。何が楽しくて、1日中部屋の中でテレビとにらめっこしなければならないのか?

実家の庭には小学生の頃から、花を植えたり、畑で野菜を育てた。

高校生になる頃には、殆どプロと言っても良いくらいの園芸家になっていた。

また、料理も得意で夜勤でいない親の代わりになって、僕が弟に晩飯を作ったいた。

また、弟も料理に興味を持ち、未だに自分の家庭を持ってからも、唐揚げは弟自身が作るようだ。子供達は喜んで食べると言う。


今、少年期の事を思い出すと可哀想な兄弟だった。

遊びに連れて行ってもらった思い出はない。休みの日は、農家の手伝い。

厳しい父親で、よく殴られ、蹴られた。それが原因で僕は精神安定剤のお世話になってしまったと思う。

相手の顔色をうかがう人間になってしまった。

自分の意見が言えない。我慢してしまう。少年期の心はあのときに壊されたのだ。

人は僕の事を優しいと言う。その言葉を聞くたびに、うつむいてしまう。

僕は優しいのではない。弱いのだ。よく、弱い人は優しいと勘違いされる。

だが、最近は遠慮せずに自分の本心を吐き出す事にしている。

もう、馬鹿な会社には捕まらないようにしたい。上司にも、自分の意見を言う。

21歳の馬鹿社員がいるが、そいつは土日以外にも平日に勝手に休む。

周りは困っている。

言ってやる。

「ヤル気がないなら、辞めろ」と。それが、パワハラでイジメと言うなら、その前にこのクソガキを糾弾したまえ。それからだ、僕の話しは。

さて、今回で最終回。

過去を振り向いてはいけないが、たまには思い出す事がある。

人生の半分を生きた。

残りは、自分の力を試してみたい。

最後まで、読んで下さりありがとうございました。


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思い出話をしてみよう 羽弦トリス @September-0919

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