@odio_pueri

「──」

これは小説ではない。

読まれる前提で書いたものではなく、形式もない。なぜなら、形式なんてルールを守ってやる筋合いなどないからだ。ただ、ひたすらに"僕"という存在について書き連ねた罵詈雑言だ。

バカだ、駄作だ、読む価値もない。

僕自身もしこんな文章とも言えないもの、読もうと思わないし、目に入れたくもない。

だから、ここまで目を通したどうしようもない誰かに先に伝えておく。

読むのはやめておけ。



僕には夢がある。

それは、永遠の愛だ。

とんだロマンチストに見えるだろう。そうだろう。僕もそう思う。

でも心から、それだけが欲しかった。

僕がまた何もかも捨てて構わない。欲しいならなんでも、僕がもっているものなら差し出してもいい。それにはもちろん、この肉体も、命も、魂というものがあるのなら,それらも。僕の心の全ても、差し出したっていい。

そのくらい、僕は永遠の愛が欲しかった。それを手に入れることだけが、僕の生まれてから今までの中で持ってる記憶では、幼い頃から、言葉さえ話せなかった赤子の頃から欲しかった。


赤子の時の記憶なんてあるはずがないというか?なら、一つ僕の記憶を提示する。

言葉も知らず、些細まで見える目もまだしっかりしてない頃、僕は母親の腕の中で泣いていた。

お腹が空いていた?泣きたい気分?漏らしたから?

全然違う。

抱っこ用品で無理やり開かされてる股関節が、それに食い込んで痛かったんだ。僕の全体重が開かされた股関節にかかっていた。そんなこと、その歳の僕にわかるはずもなく、僕が痛くて泣いてることに誰も気づかず、見当違いな対応ばかりされ、痛みは緩和されることなく。

その他にも泣いた。

突然の怒鳴り声とか。

言葉なんて知らないが、何もわからないのに感情的にぶつけられるその音が怖かった。自分に向けられる感情が怖かった。

泣き叫べば泣き叫ぶほど、泣くな、静かにして、うるさい。

赤子だからそんなのわかるはずない?

バカかよ。

言葉を持たないから別の方法で色なものを見て知るんだよ。

怖い。痛い。つらい。

笑ってくれるのが嬉しい。温かい手が好き。冷たい手に触れれば心配だってする。

赤子だってわかるんだよ。大事な人が、どんな感情で泣いてるかくらい。

子供は何も知らない。何も知らないから,目の前にあるものを見ている。知っている。

大人はどうだ。

知っていることが増えれば増えるほど、これはこういうものだって決めつけて知ったかぶりしてないか?

目の前のものを直視できているか?

相手がどんな顔してるのか、見てるのか?


僕は言葉が嫌いだ。

言葉ができて、自分のこと、仕事のこと、いろんなことをできるようになった。

でもお前らはどうだ?

言葉を惜しまず口に出せるのか?

好きな人に好きと、躊躇わず伝えられるか?

失敗した時、素直に謝れるのか?

相手に伝えるためだけでなく、相手を知るための道具でもある言葉を、相手を知るために使えているか?

例えば喧嘩した時。

100%相手が悪いことをしたとして、どうしてそんなことをしたのか聞くことはできているか?

そうされて自分がどう思ったのか、惜しみなく伝えられるか?

無理だろうな。

収まらない怒りに任せて怒鳴り、罵倒し、否定し、わかり合おうとなんて思えないだろ。歩み寄ろうとおもえないだろ。

なんでそんなことされなきゃいけなんだと思うだろ。

僕もだよ。

みんなそうだ。自分の中で溢れた感情をどうやって制御できるというんだ。

無理に決まってる。

コントロールできる、相手を思いやれる、歩み寄ろうと努力できる。それができるのは、自分の感情をさほど溢れさせてないからできることだ。

あるいは。

僕のように、自分の意見なんてどうでもいいと諦めた人くらいだ。


僕は永遠の愛を求めた。

小さい頃から、そのためにたくさん勉強した。

嫌われたくなくて、必死に言われたことを守り、怒られている人を見て同じことをしないように努力した。

何かしてもらったらありがとう。

相手が傷つき、許せないと言えば、理由をつけて謝る。

悩んでいる人の話を聞き、頷き、肯定する。

あなたの味方だよ、と言い続ける。

そして悩みが解決するように関係者に関与し、助けを求められれば僕は躊躇わずにその手を取り続けた。

僕がそうなったのは、小学校低学年頃。

最初はうまくいかなかった。

でも、人間努力すればできないことなんてないらしい。

小学校半ばを過ぎ、高学年になって。

僕は、周りに求められ、羨ましがられ、感謝されるような、僕が思い描いた"完璧"を完成させた。


嘘や誇張ではなく、正真正銘完璧だった。

勉強も、運動も、生活態度も。

でも、僕はこれを誇りに思ってない。

自分の人生最大の汚点だと思っている。


完璧になった僕は、もう僕自身として生活できなくなったからだ。


本当はみんな嫌い。

親も、同級生も、先生も、街ですれ違った知らない人も、テレビに映る人間も。

何もかも、嫌い。

正直死ねよと思う。殺してやりたいと思う。

こんなんでよく生きてられんなと思う。

お前みたいな頭すっからかんに付き合わなきゃいけないのは本当に面倒だと思いながら、同級生に友達だね!大好き!と言いづけた。

お前なんて地獄に落ちろと思いながら、あなたの味方だよ、そういう苦しい思いをしてるあなたは間違ってないよという。


優しいね、と言われる。

そりゃそうだよ。

僕が思ってることと逆のことを言って、行動すればいいんだから。

簡単さ。


でもさ。

そういう人間しか愛されないんだよ。

僕が僕でいたら、誰も愛してくれない。

そんなこと言うな、人を傷つけることをするな、自分がやられて嫌なことは人にしてはいけない。

こんなこと誰だって耳にしただろうね。

それで?

それを実行している人はどれだけいるの?

それを実行し続けたけど。

どうしてそうやって教えられたことを破り、やらず、できない人は幸せそうなの?

言われたことを守り続けた僕が、幸せではないのは、なぜ?


都合がいい人は好き。

都合の良くない人は嫌い。


これだけが真実。


今まで都合が良かった。たった今都合が悪くなった。

それだけで、今までもらってたはずの愛なんて簡単になくなる。

あとは後ろ指刺され、サイコパス、気狂い、化け物呼ばわり。


永遠の愛を求め続けた僕は、ようやく気付いた。

永遠の愛など、なかったことを。

それどころか、僕の求めた愛は存在してなかった。


でも一度だけ、何もかも嫌いで、寂しくて、もう何もしたくない、眠り続けて2度も目を覚ましたくないと言った僕を愛してくれた人がいた。

高め合える恋人なら、周りは歓迎しただろうね。

でも、僕らは堕ちていった。

共に、堕ちていった。


そうして僕は本当の自分として過ごせるようになった。それでも愛してくれる人がいて、僕は幸せだった。

でも周りは違う。

僕ををそんなふうにした、僕の恋人を許せないらしかった。


こんなふうってなに?

僕はただ、完璧という服を脱ぎ捨てただけだ。

そうして、僕自身という、何も着飾らない服を着たに過ぎない。


誰も、それを認めてはくれなかったけどね。

あの人だけだった。


でも、あの人はもう僕を愛してはくれない。

僕とあの人が窮地に陥った時、あの人は、僕に。

決定的に、敵意のこもった眼差しをむけていた。


でも、僕はバカなんだ。

それでも、今でも僕はあの人が好き。

あの人だけが、僕の心に触れてくれたから。

死にたいと、自由を求めた僕の心をそっとその両手に包んでくれたのは、あの人だけだったから。

愚かだ。

どうしようもない馬鹿者だ。


僕はよく恋愛小説を読む。

小説の中には、永遠の愛が存在する。

何も持たず、醜く、汚いヒロインを愛するヒーロー。

性別さえ関係なく、生まれ変わってもヒロインを見つけるヒーロー。

羨ましかった。

そこまで愛してくれる人がいるヒロインが羨ましい。そこまで人を好きになり、愛せるヒーローが羨ましい。愛しいという思いで行動できる2人が、羨ましい。


でも、現実にはいない。


好きだよ、大好き。愛してる。かわいい。

今日も好き。明日も好き。僕を見て。


僕は言葉を惜しまない。

伝え続ける。

でも、聞き届けてくれる人はいない。


僕自身理由なんてわかってる。

僕が口にする言葉なんて、全部嘘だからだ。

だから、僕は言葉で伝えることを諦めた。

口で伝えることを、諦めた。


そうして僕は、楽器を手にする。

僕は音で叫び続ける。


苦しい。嫌いだ。死にたい。

生きていることが何よりの苦痛だ。

地獄があるのなら、"生"こそが地獄だ。

僕は奈落に落ち、深淵で落下を続ける。そこに辿り着くこともできずに、落ち続け、沈み続け、溺れている。


音楽が好きだった。

偽らずに泣けたから。どこまでも響いて、言葉を持たない僕の代わりに訴えてくれる。

楽器が好きだった。


でも気づいた。

何も伝わってないことに。

自己満足であることなんて、とっくにわかってた。それでも心を吐き出せる時間があるだけで救われていて、その事実に目を逸らしていた。

でも、それに目を合わせてしまった。

一瞬だったとしても、十分な時間だった。


"それ"から目を逸らさなくなった。

好き、大好き、愛してると言われても、何も嬉しくない。

当たり前だろ。

"お前の求める僕"なんだから、お前が好きにならないはずないだろ。


何も見たくない。

何も話したくない。

誰にも会いたくない。

どこにも行きたくない。

眠っていたい。

目覚めることのない永遠の眠り。

夢さえ見たくない。

死にたい。


僕の夢が変わった。

永遠の愛を手に入れることから。

死ぬことへ。


何度か実行したが、未だ死んでいない。

どうやら死とは罪らしい。

殺人はまぁわかる。

でも、自殺が罪なのはなぜ?


生きる自由はあるのに、死ぬ自由はないのか。

そもそも、生きていて自由になんてなれるのか?

働かねば生きていけない。金がなければ生活できない。嫌いな仕事仲間と、笑顔でニコニコ笑い合う。マナーって何?一般常識って何?

守ってる人ってどれだけいるんだろうね。

守ってない人の方がずいぶん自由で幸せそうだけどね。


ペットは一生面倒を見てあげないとね。

大事にして、愛してあげましょうね。

人間の子供は?

親の方が先に逝くじゃん。

産んだくせに捨てたら虐待する親もいるんでしょ?ニュース、毎日流れてるもんね。

僕はめちゃくちゃ大事にされて育ったけどさ。

一生の保証はないんだよ。

子供は守りましょう。

大人は自分の意思で、責任を持って行動しましょう。

大人になった僕は、自分の意思で自由に、責任のある行動をして生きなきゃならないらしい。


生まれたいです、産んでくださいって、頼んでもいないのに?


さっぱり意味がわからない。

そもそも自由なんて一つもないくせにどうやって自由に生きるっていうんだよ。


無性の愛を求め、自らは何も与えず、奪われれば泣き叫び、人を傷つけて奪う。

奪われる覚悟のないやつが奪うべきじゃない。

そんな当たり前のことができないのはなぜだ。

人間は完璧になんてなれないのよ。

ああそうだろうね。そうだろうよ。

でもそれがなんだよ。

理解できない?違う。理解したくない。

僕はやったよ。できないなんて理由で諦めなかった。できないときは、奪うつもりがなかったのに奪ってしまったときは、謝ったよ。

謝って、僕が持ってるものを相手に差し出した。

それはそのとき僕が1番大事にしてるもの。


僕は自分の人生に悲観して死にたいんじゃない。生きられないから死にたいんじゃない。

死ぬことが、僕の幸せなんだ。


頭がいいなと言われる。

そりゃそうだろうね。

頭が良ければ簡単に気づくよ。

何もかもに、意味がないことに。


ただ消費され続ける事実が、ちゃんと見える。

僕は気が狂ってるんじゃない。

お前らの方がよっぽど狂ってるよ。

なんでこんな世界で幸せになんかなれるんだよ。自由です。心は豊かです。

さっぱり理解できない。


子供の頃の話をしよう。

やってはいけないことをやったとき、大人は叱るね。

感情的に怒鳴りつけ、なぜやったのか尋問し、罵倒し、"教育"する。ちなみに、大人になっても社会に出ても同じだよ。失敗、失態、間違い。それら全て、"教育"される。

なんでダメだったのか、子供にはわからないよ。でも大人が怒ってるから、謝る。ごめんなさい。次はやりませんと、言わされる。でも実際にはなんで間違っているのかわからないから、繰り返す。そうしてまた、"教育"される。

そりゃ大人になっても変わらんだろうね。わかんないんだからできないでしょ。

くださらないね。

僕らは一体何を学んでるんだろうね、学校で。

学ぶありがたさも知らずに勉強を強要されて、身につかずに怒られて、呆れられて、挙げ句の果てには才能がないだの凡人だの区別される。

無理だよ。できるようになんてなるはずがない。

自分で歩いた道は覚えるでしょうね。

自分で作った道なら地図も書けるでしょうね。

でも、他人に踏み荒らされ、引き摺り回された道を、あなたはその地図を書けますか?

僕は無理だよ。


そういえば、自殺未遂して入院したら、あなたは生きる輝きに満ちてるって言われたな。

40まで生きたらこちらの勝ちです、みたいなことも言われたな。

それもさっぱり理解できないね。

僕の命はゲームですか?

死にたいって言った僕に対して、生きる輝きって何よ。爆笑もんだわ。


みんな嫌い。

殺してやりたい、死なばいい。

でも、そう思ってる僕が、1番死ねばいい。


人間である限り、みんな醜い部分ってあると思う。僕もそう。もうこんなこと書いてる時点で醜い意外の何者でもないんだよね。

でもさ、僕は僕のこういう醜い部分も嫌いじゃないよ。

だって僕のこういう醜さがなければ、他人に優しい言動なんてできなかったもの。優しさってね、無関心だからできるんだよ。どうでもいいから、優しくできる。だってその人がどうなろうが別にいいんだもん。

人って不思議なものでね、苦しいときのアドバイスほど嫌がるものってないんだよ。

苦しいときは、誰かに聞いてもらって、受け止めてほしいって思うものらしい。

本当に相手を大事に思ってる人ってね、自分を傷つけることばかり考えたり思ったりする人のこと否定しちゃうもんだよ。あとは、行動したりね。

皮肉なことに、相手をどうでもいいと思ってる人こそ、話聞いて頷けちゃうんだよね。これまた皮肉なことに、苦しいひとが最も求めてることを、その人がどうでもいいと思ってる薄情者こそが息をするように自然とできちゃうの。


優しさの真実なんて、そんなものだ。


大事な人が死にたいから死ぬと言って、話を聞いて頷くだけって、できる?

"優しい"人はね、できるんだよ。

苦しいんだね、それで楽になれるならいいんじゃない?って、言えちゃうんだよ。

だって、できないくせにとか、まぁ死んでも自分のせいじゃないし、かってにすればいいんじゃないって思ってるんだもの。

簡単簡単。

でもね、僕が、死にたいって相談受けて、いいんじゃない?って言った人で死んだ人、いないんだよ。話聞いて、肯定して、その人が悩んでること、暇つぶしに解消すると、なんかかってに感謝しながら生き続けるんだよ、その人。

暇つぶしに行動してるだけだから、その行動で相手の状況が悪化しようが改善しようが、僕はどうでもいい。でも、僕が成功しようが失敗しようが、相手はなぜか喜んで、感謝しながら生きてんの。

僕にはさっぱりわかんない。

だって、僕の状況が改善しようが悪化しようが、僕は死にたいし。

死にたいって言いながら、本当は生きてたかったんじゃん。嘘つき。


僕はみんな試してる。

死にたいっていう人が、本当に死にたいのか。

死にたい原因があるとき、それが改善したとして、その人は死を望むか。

そうやって僕は暇を潰してる。

でも今のところ、そうなっても死にたいと言い続ける人には会ったことがない。


僕と同じ、本当に死ぬことを求めてる人に。

会ってみたい。

会って、この世について罵詈雑言を吐きながら、笑ってみたい。

それはそれは楽しいんだろうな。

別に会えなくてもいいけど。


生きてて何が楽しいの?

なんでそんなに幸せそうなの?

全然わかんない。


おいしいねってご飯を食べて、食べ終わったらトイレで吐いて。

死にたいなぁと思いながら、どうやって死ぬか考えながらタバコを吸い、寿命を減らす。

お出かけしようと外へ出て、笑い合いながら、眠っていたいとため息をつく。

あなたが好き、僕も好きと言いながら、ただ虚しさばかりが込み上げる。


愛されたい。

何もかも抱きしめて、受け止めてほしい。

足りない。まだ足りない。

もっと愛されたい。

でもわかってる。

僕が満たされる日はこない。

胸の中にあるこの空虚な穴は、永遠に埋まることがない。


僕は忌み子だ。

誰にも望まれぬ存在。

だから、僕は今日も、

"僕"の仮面を被る。

誰からも望まれ、愛される。

"僕"の仮面の裏側で、僕はただ、絶望と諦観を浮かべながら、今日も求められる言葉を放ち、笑い、寄り添う。


そう言えば、さっき醜さの話をしたね。

人はみんな自分の醜さを恥じ、嫌悪し、隠そうとする。

でも、僕はこう思うんだ。

その醜さこそが、君を輝かせているんだって。

宝石って、誰もが目にしたことがあるでしょうね。でも、原石ってあんなに綺麗じゃないんだよ。泥やら不純物やら入ってるし、自ら輝くことなんてない。

なら、なんで店にある宝石があんなに輝いているのか。

傷があるからだよ。

みんなはこういうかな。

カッティング。

カッティングされた宝石は、外部から受けた光を乱反射し、輝く。

傷こそが、宝石を輝かせている。

でも最初から傷があるわけじゃなくて、人間の手によってカットという傷をつけられて輝いてるんだよ。


人間も同じだと思わない?

人に傷つけられて、人を憎み、妬み、嫌悪しながら、人に優しくありたいと思う。

その醜さという傷が、君の優しさや、存在を作ってる。

絶望するから、幸せがどれだけ尊いものか知る。当たり前のものが、幸せだったと気づくのは、いつだってそれを失ったときなんだよ。

傷が、醜さが、美しいものを美しいものたらしめる。

僕は、そう思う。

だから、僕は僕の醜さが憎いと思わない。

なければいいと思わない。

死にたい気持ちも、苦しい気持ちも、それこそが僕というものを形作ってくれているものだと知っている。


僕は、僕が醜いから、助けてほしいと伸ばされた手を握り続けることができてると思う。

僕は、そんな自分が嫌いじゃない。

でも僕は生きてるの、本当に好きじゃない。

なんたってこんな面倒な生き物としていかなきゃなんないわけ?

自然界の動物や虫の方がまだマシだよ。

死のうが生きようが関係ないもんね。


でも人間は違うんだよ。

死んだら必ず身辺の人間に影響が出る。

死は罪。

生こそが至高。正義。

でも生きている間に自由なんて一つもない。

子供は勉強、大人は仕事、老後は体が自由に動かなくて、周りに申し訳なさを抱えたり、介護疲れとかなんとか言われたり。

永遠に縛られ続ける、生ってやつに、なんで従わなきゃいけないの。


どうでもいいよ、何もかも。

この体も命も、存在も。

何もかも、消えてなくなればいい。

死んだ後誰がどう思うと関係ない。

生まれることは選べないのなら、死ぬことくらい。

選ばせてくれよ。


そんなに死にたいなら死なばいいって話なんだけどさ。

もう何度も失敗してるんだよね。

本気で死ぬ気でやるんだけどさ。

もう2度と目覚めないと思って期待するのに、なんか。

目が覚めんの。

あー、また生かされたって思いながら、けっきょく今日も僕の夢は叶わず。

大事にされて幸せですねって?


どこが幸せなんだか。

死にたいですって言ってるんだからそのまま死なせてくれよ。

でも、けっきょく死ねてないってことは、僕も心のどこかで生きたいって思ってんのかな。

全然、わかんないね。

人間って難しい。

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