新作・1ラリー物語「巣立てのお酌」
「ほれ、酒がなくなったぞ――後輩なら素早く注がないとな。なくなる前に動かねえと出世できねえぞー?」
「あ、はい。……そもそもなんですけど、注がれたいんですか? なら注ぎますけど……、なんだかバカにしてるような感覚になってきてしまうんですよね……。こっちから率先して注ぐのって、こう……口を開けて待ってる雛鳥に餌を詰め込む、みたいなイメージをしてしまって……。まるで介護だと思って避けてはいたんですが――。でも、本人が望むならしないわけにもいかないですよね! 足を引っ張ることもありますが、同時に助け合いでもありますから!!」
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