第八話
こんな生活が何年続いてるんだろう?
もう四年?
私は、我慢ばかりしてるのに。
あの人は、あの人は何か変わっただろうか?
結婚したのが失敗だったか。
もう何がダメだったのか分からない。
娘は今日もぬいぐるみと一緒に遊んで
いる。
いつも一緒にいるぬいぐるみ。
汚れてしまってクタクタになっている。
私みたいだ。
もう、捨てたほうがいいんじゃない?
そんなクタクタになった物。
私はぬいぐるみを引っつかみゴミ箱へ叩き捨てた。
それを見た娘は慌ててゴミ箱へ駆け寄り引っ張りだしている。
なんで、そんな必死なの。
そんな悲しい顔しないでよ。
くたびれたきったぬいぐるみなんていらないでしょうが。
ねぇ?そうでしょう?
私はもう一度ぬいぐるみを奪い取り壁に向かって思い切り投げた。
綿が潰れているため壁に当たった音は無音にちかかった。
中身のない音。中身のない私。
娘はまた慌てて拾い上げて抱きしめる。
いい加減にしなさいよ。
そんな物、いらないって言ってるでしょうが!
私は狂ったようにぬいぐるみを床に叩きつけ踏み潰し、殴った。
泣きながらどうにかして助けようとしている娘を無視してあなたの大切な物を気がすむまで殴り続けた。
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