第21話  生徒会始動 ①

「緊張しますわ!」


「そうですね、ドキドキしてきました」


「美波は?緊張してる?」


「うん、少しね」


 今、瑠花ちゃんと彩芽ちゃんと早百合と私の4人で生徒会室の前に来ている。


 生徒会室に入るのって、どうしてかわからないけど緊張するよね。


 雰囲気のせいかな?


 今日は生徒会メンバーの人たちと顔合わせをして、仕事の説明を受ける日だ。


 放課後の4時からだから、あと10分くらい時間が残ってる。


 そういえば、生徒会への募集人数は学年で4人だったんだけど1人多い5人の応募があったから、5人全員入れることにしたらしい。


 いや〜危なかった。


 募集人数が4人なのをすっかり忘れて早百合たちを誘っちゃったから、もしかしたら誰か入れなくなってたかもしれない。


 カツンカツン


 そんなことを思っていると、遠くで足音が聞こえてきた。


 その足音はだんだんと大きくなっていき私の後ろのほうで止まった。


「あれ?早百合たちも生徒会に入るの?」


 ドクン


 …ついに来た。


「あら、お久しぶりですわ唯香」


「久しぶり、唯香。そういえば言ってなかったかもね、私たちも生徒会に入ることにしたんだ」


 瑠花ちゃんと早百合は、香澄を通して何度か唯香と話したことがあったらしい。


「そうだったんだ、それじゃあ2人ともよろしくね。それと九条さんと、白鳥さん、だよね?」


 私は少し緊張しながら振り向いて、頷いた。


「2人もよろしくね」


「はい、よろしくお願いしますね唯香さん」


「…よろしくお願いします、一ノ瀬さん」




「4時になりましたわ」


「本当ですね、そろそろ入りましょうか」


 彩芽ちゃんがそう言うと、少し緊張した面持ちで瑠花ちゃんが扉を開けた。


 生徒会室の中は教室の2倍くらいあるんじゃないかというぐらい広く、豪華な机が3つと手前には高そうなソファが置かれていた。




「ようこそ1年生たちよ!」


 パーン!!


 私たちがこの部屋に入ってから2分後くらいにいきなりクラッカーがなった。


「…………」


「…………。はぁ」


 誰がこんな厳かな雰囲気の場所でクラッカーをならしたのかって?


 うん、うんうん。


 ブッブー、正解は生徒会長でしたー。


 …えっ!この人生徒会長なの!?


 自分で言って初めて気づいた!


 いや、生徒会長の顔は知ってたよ?入学式のときに見たから。


 でもなんか思ってた人と違うっていうか、入学式のときはもの凄い綺麗な顔してるしはっきり喋るしで、規律正しいしっかりした人ってイメージだったからさ。


 なんか今見た姿をすぐに受け入れられなかったんだよね。


 それに、生徒会長って小説の中でも名前だけしか出てなかったからさ。


 ていうか、何この気まずい空気!!


 メンバーの人たちも呆れちゃってるよ!?


 しかも、クラッカーならすなら入ってきた瞬間にならしてよ!


 ずっとゴソゴソ何かを探してたから、どうすればいいかわからなかったじゃん!


 ちゃんとクラッカー手元に用意しといてよ!


 もう、生徒会長!!オロオロしてないでこの気まずい空気なんとかしてよ〜!




 

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