第19話  瑠花ちゃん ②

「えへへ、ありがと。だけどなんで生徒会に入ろうと思ってたの?」


「えっと、実は、生徒会の中に私がお慕いしている方がいるんですの」


 瑠花ちゃんは恥ずかしがりながらそう言った。


 お慕いしているって、恋愛的な意味で好きって思ってる人がいるってこと?


 えっ?ここって女子校だよね?


 えっと、つまりこれは、新たな百合カプ誕生ってことでいいかな?


「瑠花ちゃん、それって恋愛の好きってことで間違いないよね!?」


 一瞬困惑した私だったが、新たな百合カプが誕生するかもしれないこの事態にやや興奮気味であった。


「美波、ちょっと落ち着いて。瑠花が困ってるでしょ」


「え?あっごめん瑠花ちゃん」


 ふ〜、危ない危ない。早百合に止められてなかったら勢い余って瑠花ちゃんのこと押し倒すところだった。


「構いませんわよ、少し驚いただけですし。それと美波の言う通り恋愛の好きであっていますわ」


 ど、どうしよう。口が勝手にニヤけてきちゃう。


「ところで、早百合はいつまでその変なメガネをかけているんですの?」


 ニヤける口をなんとか抑えようとしていたとき瑠花ちゃんがそう言った。


 まだその変なメガネかけてたんだ、早百合。


「このメガネ気に入っちゃって、視界が悪くなるところがむしろ落ち着いていいんですよね」


 気に入ってくれたなら良かったけどさ、ちょっとこのメガネの良さは理解できないかな。


 というか、早百合が敬語使ってるの久しぶりに聞いたな〜。やっぱり敬語使ってるのもいいよね〜。


「早百合、私は早百合のためを思って正直に言いますわね」


 瑠花ちゃんがなにやら深刻そうに話し始めた。 


 どうしたんだろう瑠花ちゃん。


「そのメガネはとてもダサいですわ。早百合がどうしてもというのなら止めませんけれど、もうかけない方がいいと思いますわ」


 グサッ!


 く、クリーンヒットだよ瑠花ちゃん!実はそれ私のなんだよ!


 私だって好きでこんなメガネかけてるわけじゃないし!変装してなかったらこんなの使わないし!べ、別に、かけててもそんなに変じゃないかも〜とか思ってないんだからね!


「これ、美波のだよ」


「えっ、そうなんですの!?だ、大丈夫ですわよ!み、美波がかければそんなに変じゃないですわ!」


「いいよ瑠花ちゃん、そんなにフォローしてくれなくても。もうわかってるから」


 落ち込む私をなんとか元気付けようとしてくれた瑠花ちゃんだったが、失敗に終わるのであった。

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