第15話  再開

「美波さん、委員会には入りますか?」


 食堂でお昼ご飯を食べていると彩芽ちゃんから委員会について聞かれた。


「委員会?」


「明日のホームルームで決めると言っていたので、もし美波さんが入るのなら同じ委員会に入りたくて」


 委員会か。そういえば先生が言ってたかも。各委員会に2名ずつ入ってもらって、生徒会は学年で4名入るって。


 あれ?たしか小説だと唯香は生徒会で香澄は風紀委員会に入ってたよね!


 これはチャンスだ。彩芽ちゃんに生徒会に入ってもらえば自然と唯香と接する機会が多くなるはず!


「私はまだ決めてないけど、彩芽ちゃんは生徒会に入ってみたらいいんじゃない?」


「生徒会ですか?」


「うん!彩芽ちゃんに向いてると思うよ!」


「そうですか?では、生徒会に入ってみます」


 やった〜!これでなんとかなりそう!


「もちろん、美波さんも一緒ですよね?」


「え、」


 まってまって。それはなんかだめな気がする。


「いや、私は、たぶん向いてないだろうし、彩芽ちゃんだけで入ったら?」


「美波さんが入らないのなら私も入りません!」


 そんなにはっきり言われても…


 ん〜どうしようかな。別に入ってもいいのかな?でも唯香との接点をあんまり作りたくないんだよね。これ以上内容が変わっても厄介だし。


 はぁ〜でもな〜彩芽ちゃん私と一緒じゃないと入らなそうだしな〜。まぁ、唯香と前に会ったことあるっていうのはバレないだろうし、私も一緒に入ったほうが唯香と彩芽ちゃんを近づけやすいのは確かなんだよな〜。


 ん〜どうしよう。


「美波さん、私と一緒はイヤですか?」


 うっ、しょうがない!


「ううん、イヤじゃないよ!一緒に生徒会入ろう!」


「はい!」


 そんなこんなでお昼ご飯も食べ終わり、残りの時間何をしようかと考えていると彩芽ちゃんが華道の先生に話があると連れて行かれてしまった。


 何しよう、取り敢えず教室に戻るか。


 「うわぁ!」


 教室に向かって歩きはじめようとしたとき、いきなり誰かに腕を掴まれた。誰かと思って振り向くと、そこには1年ほど会っていなかった早百合がいた。


 えっ、早百合?なんで?驚いて立ち尽くしていると


「貴方、美波ですよね。そんな変装していてもすぐにわかりましたよ」 


 と、確信めいた口調で爆弾発言をぶっ放してきたのだ。


 


 


 


 


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