第14話 もしかして私のせい!?
学校に入学して早くも1ヶ月が過ぎた。彩芽ちゃんと唯香は深く関わることもなくお互いに相手のことをクラスメイトとしか思っていないようだ。何かがおかしい。私の知っているハニフラの内容とは違うことが起きている。
私は、香澄と唯香と彩芽ちゃんと同じクラスになった。入学式のあったあの日、小説の内容と違うことが起きて不思議に思った私は、この1ヶ月クラスの人たちとほとんど関わることもなく香澄達のことを観察していた。
わかったことは香澄と唯香がルームメイトだったということだ。小説では、まだお互いにそれほど接点はないはずなのだが2人はそれなりに仲良くなっているようだった。
登場人物たちの関係性はほとんど違うものになっていた。
…これって、私のせいなのでは?
だって私、瑠花ちゃんと早百合と仲良くなってるし1年早く入学してるし、やっぱり私のせいなんじゃないだろうか。
はぁ〜、でも仕方ないじゃん!仲良くなりたくなっちゃったんだもん。それに入学しないと香澄たちのイチャイチャ見れないもん!
「美波さん、お昼食べにいきましょう」
「…うん」
ちなみに、彩芽ちゃんと仲良くなろう作戦は見事成功し、彩芽ちゃんとは常に一緒にいるようになった。ただ、彩芽ちゃんにはファンが沢山いる。そして今の私の姿はものすっごく地味なのだ。
まぁ要するに、
「あいつ彩芽様と仲良くするなんて何様なの!!」
「私たちの彩芽様を独り占めするなんて許せない!!」
となって一部の人から嫌われてしまったのだ。とは言っても、相手はお嬢様たちだ。酷いことはされていない。話しかければ嫌そうな顔をしてるけど答えてくれるし、言いたいことも私に面と向かって言ってくる。
「彩芽様に近づかないで」とか、
「貴方に彩芽様は不釣り合いよ!」とか。
嫌われていても辛くはない。むしろ、やっと小説らしいことが起きて少し楽しくなってしまったぐらいだし。でも、このままではだめなことに気づいてしまったのだ。
それは、私はかなりこの学園で有名になってしまったからだ。もちろん理由は彩芽ちゃんと仲良くしていたからなんだけど。
有名になってしまったせいで、私の認知度はかなり高い。実際では存在しないはずの私が存在することによってハニフラの内容がもっと変わってしまうのでは?とやっと気づくことができた。
まぁ取り敢えず、内容の変化はすべて私のせいだったということだ。どうにかして、内容をもとに戻さないと!と意気込みながらお昼を食べるために食堂に入っていった。
このときの私は周りのことなんてまったく気にすることなく、内容をもとに戻すための作戦を考えていた。だから気づかなかったのだ。私をジット見つめる人物がいたことに。
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