第6話 関係性 瑠花
香澄たちにあったあの日から、私と瑠花ちゃんと早百合の関係性は小説とは違ったものになっていた。
「美波!今日も来てあげましたわよ!」
自分の部屋で香澄たちとあった日のことを思い出していたら、瑠花ちゃんがいきなり部屋に入ってきた。
「あれっ、今日は一人なの?」
「そうですわよ。なにか不満があるんですの?」
「ううん。そういうわけじゃなくて、珍しいなって思っただけだよ」
「そうでしたの。それにしても美波はだいぶ変わりましたわよね、私たちに接する態度とか」
「そうかな?」
「そうですわよ!前はもっと冷たかったですわ!それに比べて今はとても優しくって、その、嬉しいですわ!」
瑠花ちゃんがデレた!かわいい!
本当は小説と同じように接っしようと思ってたけど、本人たちを前にすると冷たく接するとかできなかった。
「そういえば今日はなにしに来たの?」
「あっ、忘れていましたわ!今日は一緒に買い物に行こうと思ってたんですの!」
「買い物に?何か買いたいものでもあるの?」
「忘れたんですの?明後日は香澄の誕生日ですわよ!」
えっ!今は6月20日…そうだった!私としたことが推しの誕生日を忘れるなんて!
香澄は明後日で11歳になる。ちなみに私の誕生日は12月16日。11歳の誕生日の日に海外に引っ越すからあと6ヶ月くらいしか香澄たちと過ごせないのか。引っ越すまでに沢山思い出作るぞ〜!
香澄の誕生日プレゼントを買いに来たけど、何を買えばいいんだろう。かれこれ1時間くらい探してるのになかなかいいのが見つからない。
「瑠花ちゃん、香澄にあげるプレゼントもう決めた?」
「えぇ!決めたわよ!私はハーバリウムにしますわ!美波は何にするんですの?」
「まだ決まってなくって」
「そうなんですの。でも、美波から貰ったものならどんなものでも嬉しいと思いますわよ」
そうかな~。何をあげればいいのか迷っていたとき、ふと私の目に映ったお店があった。そこは、可愛らしいアクセサリーショップだった。
「綺麗…うん。これにしよう!」
「それにするんですの?」
「うん。香澄に似合うと思って」
「とっても喜ぶと思いますわ!」
香澄への誕生日プレゼントは、誕生日石が入ったネックレスにした。
「今日はプレゼントが決まって良かったですわ!」
「うん、そうだね」
「えぇ、では私は帰りますわね」
「あっ、待って!これ、今日のお礼にプレゼント。瑠花ちゃんがいなかったら香澄の誕生日忘れてたかもだし」
「えっ!これ…」
「さっきのアクセサリーショップで見てたでしょ。まだつけられないだろうけど…」
「私絶対にピアスの穴開けますわ!とっても嬉しい。一生大事にしますわ」
「フフ、大袈裟だよ。でも喜んでくれたみたいで良かった!」
私が瑠花ちゃんにプレゼントしたのは宝石のガーネットがはめ込まれたピアスだった。瑠花ちゃんの誕生日は1月3日だけど、私はその時ここにはいないだろうから早いけど誕生日プレゼントと、仲良くなった証みたいな感じで渡そうかなって勝手に思ってる。
「瑠花ちゃん、これからもよろしくね!」
「えぇ!こちらこそですわ!」
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