ダンジョン攻略

目を覚ます、追っても来ておらず、死体の感じからみて数十分ってかんじか

ぐっぱぐっぱとてを動かし具合を確かめる


「素晴らしいな」

レベルアップ適合の際の身体の強化

木刀を手に取り素振りを行う

ブオォンと風が荒れる


「守りたければ力を示せ…か」

おれはニヤリと笑いダンジョンへと入る


意外にダンジョンは明るく歩きやすい 

「「「グギキャ」」」

ゆったりと歩いていると前からゴブリンが三匹走ってくる

「肩慣らしといこうか」

おれは愛刀を木刀状態のまま応戦


三列になってるやつらの真ん中に急接近、前蹴りで蹴り飛ばし、対応が遅れた両端の首を叩き折る

「グッグギャ」 

仲間を殺られたゴブリンは起き上がり飛びかかってくる

「風斬流 合の剣 柳風」

棍棒と木刀が合わさる瞬間、力の方向を後に流す

そうすると、相手は自分が押してる様に勘違いしてさらに力を入れる

そのタイミングで相手の力を流しきり、そのまま斬る


木刀だがゴブリンの体は縦に裂けた

改めて適合の恩恵を感じた。


ぴくぴくと痙攣してゴブリンは魔石をのこして灰になる

魔物は地上で殺すと死体はそのまま残るが、ダンジョンでは魔石と一部のドロップ品を残して灰になる

仕組みはまだ未解明だ


その後も続々とゴブリンがでてくるが、適合前でも倒せた相手だ、苦戦もしない


つまらない戦いが数回続いた後、遂にボス部屋らしき扉を見つけた


「歯ごたえのあるやつ頼むぜ」

重い扉を開くと、中は意外と広く真ん中に大きめのゴブリンが5匹、それよりもデカく装備がいいゴブリンが1匹

「ボブゴブリンと、ゴブリンジェネラルって感じか」

主な魔物については義務教育でならう、見つけたら通報できるように

「ゴブリンよりかはたのしめそうだ」

おれは足に力を貯める、溜まって行く力が限界になったのを確認して

「風斬流 突の剣 突風」

爆発させるように地面を蹴る

その推進力をボブゴブリンにぶつけた

喉を木刀で突かれたボブゴブリンは吹き飛びそのまま灰になる

ゴブリンとは違い即座に周りの奴らが反応して棍棒を振り上げる

しかしそれでも遅い

おれは突きの態勢のまま、ロックを解除して襲いかかってくるボブゴブリンの腕を落とす

仲間がやられた時は動揺しなくとも、自分のうでがなくなれば流石にぎょっとしている


「風斬流 連の剣 双風」

銀色の閃光が2回光るとボブゴブリンはそのまま2つに割れ、灰になる

一瞬で3匹やられてはたまらない、残りの2匹はゴブリンジェネラルの元に下がる

「グギャギャガ?」

ゴブリンジェネラルはなにが起こったのかわからないといった感じで首をかしげる

「戦場にそんな暇ねぇぞ」

俺は刀の鞘である木刀部分を拾い、ボブゴブリンの片割れに投げつける

鞘はボブゴブリンの胸に突き刺さる

それを俺は刀をしまう様に突き、そのまま絶命させる

俺が急接近したことにようやく反応したもう一匹も始末する

「風斬流、居合 一閃」

チンッと刀をしまう音が相手に聞こえる頃には俺はもう斬り抜けている

居合と瞬歩を組み合わせた不意打ちに近い技だ


味方を全滅させられたら、さすがにゴブリンジェネラルもおとなしくはしていない、突っ込んでくる

すかさず距離を取ると、俺がさっきまでいた場所に棍棒が叩きつけられ地面が陥没する


「まさに化け物だな」

しかし所詮扇風機だ当たらなければ問題ない

おれは着地と同時に足に力を込め、急加速する

懐に入ればもうおわり

おれは刀を構える

「グギャ」

命の危機が迫っているのににやけるゴブリンジェネラル

その時、俺の本能が警報をならす

構えを解き、転がる様によける


ドカーン!とさっきとは比べ物にならない、衝撃が大気を揺らす

さっきまで手加減していたのか、おれは相手の力量を読んでいけると思ったから攻め込んだ、しかし、結果は命ギリギリの緊急回避だ

俺は急いで距離を取る


あの怪物に、自分を弱く見せて、油断を誘う頭はないだろうし、剣客の俺にそんな小細工通じない


「スキル」

授業で習ったことを思い出す、普通の学校なのでそんなに詳しくは習わないがある程度は知っている


「身体強化ってやつか」

魔力を使い、身体機能を強化するスキル、割と誰でももっているスキルらしく、魔物でも使うやつはいると習ってはいたが、忘れていた


「全く油断ならねぇな」

俺は改めて刀を握りなおす、はっきりいってなめていた

俺の相手ではないそう思っていた

しかし、こいつの牙は俺の喉元に届く鋭さをもっている、敬意を払い全力で相手をするのに相応しい相手だ


「風斬流継承者風斬剣信参る」

土埃が晴れて、徐々にゴブリンジェネラルが見えてくる、奴も本気で向かってくる

俺もそれに答える様に立ち向かう

「風斬流 強の剣 颶風(ぐふう)」

ゴブリンジェネラルの前で急停止、踏ん張れる様に足を開く

ゴブリンジェネラルは思いっきり振り上げた棍棒を振り下ろした


二人の武器が重なる、棍棒と刀、優位なのは打撃武器のこん棒だ、ふつうなら刀はへし折れる

しかし、剣信レベルの剣客なら話は違う


「楽しめたよ、ありがとな」

血で濡れた刀を振り血を落としながら、手強い相手に敬意を払う


ゴブリンジェネラルは棍棒ごと、真っ二つにになり、灰になった


これでダンジョン攻略完了、そう思った時頭に直接声が響く


「ダンジョン攻略を確認、特殊攻略条件・無傷でのクリア・スキル所持数0を確認、シークレットエリアに挑戦できます」

目の前に選択肢が現れる、


「最高のサプライズだ」

俺は迷うことなく、挑戦の選択肢を選んだ

















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る