第四章『炎の砦』
第31話 ドラゴン族
あれから数日経って、結局精霊は風の精霊と子供の精霊しか生き残らず、精霊姫は世界樹様の元で森を統治しているらしい。
あれから私は、精霊の森には行っていない。
あんな気まずいあといくわけ無いよね。コリンのバカはちゃんと行ってるらしいよ、事後報告だなんだのの関係で。
私は面倒だし行かない。
「あら、ティーナ・エフェクターさんじゃないの」
「お久しぶり、です」
「あーえっと、赤と黄色じゃん」
認識が本当にこれなんだ。名前、四文字以上あると覚えにくいんだよなぁ…
「アリスティアとリュシアルカですわ…」
「いや知らんけど。で、何?」
すると二人が突然満面の笑みになるなになに怖いんだけど。すると、彼女たちの手の中にあるエムブレムを見せられた。
「わたくしたち、稀代の魔女候補にノミネートされたんですの」
「ほー、そりゃすごかー」
「え…」
そういえば陛下になれとか脅されてたな。なるつもりは今のところないんだよね。これ自慢かな、うらやましーって返すべきだったんかな。
「あー、Aクラスの皆さん。転入生がやってくるので席についてください」
転入生…Cクラス以下ではまぁあったけど、Aクラスに転入生か…相当な有望株とかなのかな〜
だったら是非赤黄色双子と仲良くしてほしいね。あ、青髪だったら信号機じゃん。緑でも信号機…いいね。
「ドラゴンの里、炎の砦からの留学生だ。」
「リューク・バーミリオンだ。よろしくな」
男かー…稀代の魔女候補でバチバチして欲しかったけど、よく考えたらコリンが特殊なだけで青髪とか来るはずないよね。
赤髪に、緑の瞳。緑の瞳仲間ができて嬉しいね。興味ないけど。ローブ目もとまで被っとこう…
「じゃあ席は…ティーナさん、よろしいですか?」
「あーはーい」
…うおっ、でかいなドラゴン族。今は人型だからまだいいけど、これドラゴン形態になったら…こーわっ。
「よろしくな!…お前、髪色それ何色だ?」
「あー、緑っすかねー。ここのクラス授業ないんで好きな席で喋りたい人と喋って平気ですよ」
「そうなのか!でも俺はお前と喋りたいな、ティーナだったか?」
「そうっすねー、よろしくお願いしまーす」
適当に喋っていると、私の席の横が突然人で埋まる。クラスのほぼ全員…といっても中でも弱めな奴らが集まったらしい。
突然の転入生、それに赤髪に緑の瞳。まぁ集まるのは当たり前かな。
「はー…帰ろっかな…」
クラスが一気にうるさくなった。今日は悪夢の対処法聞きにきただけだし、まぁ図書室にでも行って司書さんとかに聞こうかな。
立ち上がって荷物を纏めていると、カバンを落としてしまい、そのままローブに引っかかってずり落ちてしまった。
「あ、ヤベ」
見られて…?ない。オッケー、あいつ空気読めそうだな。さっさと外出ないと…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます