第13話 城下町
暫くして、城下町に着いた。杖をメンテに出して、光の花をいくつか購入する。貴重なものだから値段は張るけれど何回も使えるので重宝している。
「ホタル、他に必要なものは?」
「あ…あれはどうかな、魔法貯蔵用アクセサリー」
確か魔法を貯めておけばいつでも詠唱なしで使えるやつか。これさえあれば二つの魔法を同時に展開することができるから、確かに必要かもしれない。私と兄だけは複数の魔法が展開できるから今まで必要なかったけれど…
「じゃあアクセサリー屋観に行こうか」
そして前に国王にお勧めされたアクセサリーショップにやってきた。確かに品質も良さそうだし、使いやすそうだ。
デザインも可愛い。
「ティナ、風属性のブレスレット買うね。」
「了解、私は光属性のブレスレットにしようかな…」
風属性…エルフの腕輪あたりかな。そういえばエルフの種族がやってるお店だし、看板商品だよね。光属性の腕輪はエンジェルブレスでいいのかな。よくわからないけど、エンジェルの種族は今近くに集落を持ってるらしい。
「ではこの二つをお願いします。」
「あらまあティーナ・エフェクターさんに光の子じゃないの。いいわ、二人が持っているだけで宣伝になるからお代は結構よ」
おっとまさかこうなるか。まあ店主さんは結構なやり手のようだし任せるとしようかな。代わりにこれみよがしに目立たせよう。
「じゃ、ホタル。行こう」
「うん!…腕輪落とさないようにね!」
そして先にホタルが店を出たところで、店の片隅にあった綺麗なブローチが目に入った。綺麗な青い宝石があしらわれている。ラピスラズリだろうか。
「ああ、それ珍しいわよね。前に冒険者の一人が売りにきたものなのよ」
「冒険者が…?これ、買わせて頂けませんか?」
「何なら引き取って頂戴。それ曰く付きらしくて」
銀貨を五枚ほど店主に渡した。確かに、色々な怨念を感じる。何か、私に対して訴えかけてきているような。それでいてぐちゃぐちゃの感情が呪いのようになっている。
「ティナ?何それ。」
「…綺麗でしょ」
「うん、すっごく綺麗だね」
そう、これは綺麗だからこそ呪いが生じていてもおかしくはない。きっと数々の人になかにあったものだから。
「じゃ、そろそろ城に…」
「必要ありませんよ、ティーナ・エフェクター様」
「誰まじで何で最近足音ない人しかいないの」
めっちゃ一息で喋ったので体力が…エリカといいこの謎のマントといい本当に最近何なの。
「失礼。私はこの国の魔法団の一人です。王よりこちらを預かって参りました。」
内容はまとめるとこうだ。Bクラス主席との合同任務を与える、とのこと。私は振り返ってホタルが抱き抱えている異様に高貴で桃色の瞳を持つ猫を見た。絶対君だよね、伝えたの。
「はあ…お疲れ様です。じゃあ今度こそ行こうか。幽霊館に。」
長い任務になりそうだ。
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