第14話 ゴースト退治

 幽霊館に入るということで、扉をこじ開けた。このお化け退治ができる主力は私と兄なので、一度二つの班に分けることにした。

 私とエリカ、兄とホタル。

「正直ホタルとルキ一緒にしたくないけど…」

「酷くね?」

「私は知ってる、ルキは多分カス」

「私もそう思うわ…」

 女子の気持ちが一つになったところで、二手に分かれた。分かれたところから、私の心に一つ違和感があることに気付いた。今日起きたことを思い出してみても、おかしいところはない。

 だって私が違和感を持ったら基本的に何かある。

「エリカ、ちょっと聞いてもいいかな」

「何?」

「どうして、貴方にはそんなに濃く意識があるの?ゴーストの種族にせよゾンビの種族にせよ…あまり意識は残ってないものなのに」

 違和感はこれか?実際、ゴーストやゾンビには知能がないはずで、ただ無差別に異種族を襲うだけ。なのにエリカは、敵対は愚か友好的な態度を見せてきた。

「そりゃ、私はゴーストの上位種なんだもの」

「上位種?」

「あっ、そうか人間にはないものね。わかりやすいところではエルフかしら?ハイエルフとかローエルフとか。」

「あー成程。じゃあハイゴースト?」

「まあ、そんなところね」

 それでいいのかエリカよ。ハイゴーストだとなんか軽いノリに聞こえるのは私だけ?一回テンション上げて言ってみたくなる。ハイゴーストおおおおおおおって。あ

「誰だ…人間か…」

「おおっと、ゴースト出現。エリカ、私の射程範囲外に出て!」

「わかった…って広いわよ!!」

 そりゃそう、最初は加減をせずに思いっきりやるのが楽しいんだから。絶対必要ないレベルの火力を出そう。

 まず光魔法レベル85展開。瘴気はほぼ消えたので、あとは風魔法。風魔法はまあ得意な方だしレベル90まで展開。

「あっ」

 ぶっ飛んでってしまった。えっと…

「てへぺろ…?」

「地味に古いわね…」

 許してください、2年の引きこもりなんだから。成程、雑魚のゴーストだとこの程度で吹き飛ぶのね…土に埋める工程やり忘れちゃったよ。

「まあいいか」

「一応任務の内容ってお化け退治じゃないの…?」

 そういやそうだったな。ん?でも何でだろう。別にゴーストとか確かに厄介だけど明るいところには出てこないし、大抵は夜の薄暗い森とか廃墟にいるもんだから日常生活に害はないよね。

 そもそも、ゴーストを退治できる魔法はアイビー…私の母以外いなかったというのに、突然こんな任務を課すか?

 確かに兄は緑目だ。けれどエフェクターだとは明かしていないのだから任せるのも突拍子がない。

「これはこれは。また王室の闇と…諸々の恐ろしさが見えてきたな」

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