338 ザロメニア城塞の攻防 27
「だーー!!」
高速で下向きに空中ジャンプしたオリンピアサドニスがキルに斬りつける。
グラとホドが遠距離からオリンピアサドニスに剣撃を放つが、オリンピアサドニスはその剣撃に構わず必殺の一撃を打ち込もうとする。キルは意識を取り戻したが無防備な状態だ。
キルは一瞬死を覚悟した。
オリンピアサドニスの考えキルに当たる瞬間ルキアが間に割り込んで盾を構えた。
「ガツーン!」
ルキアの盾が割れながらルキアが吹っ飛びキルを巻き込んで落下した。
地面にぶち当たり地響きと土煙が上がる。
「ドカーン!」
キルは首を振りながら起き上がって、ルキアと自分にパーフェクトヒールをかけた。ルキアはオートマチックハイヒールが発動しても余りある大ダメージを負っている。パーフェクトヒールでダメージを完全回復する。
オリンピアサドニスはグラとホドの剣撃を受けて背中から血を流していた。
オリンピアサドニスは、上からキルを見下ろし、不敵な笑いを浮かべるとまたキルに向かって来る。
キルさえ殺せば、他は容易く倒せると思っているのだろうか?それともキルを先に倒しておかねば危ういと感じているのだろうか?
キルはルキアを巻き込まない為にオリンピアサドニスに向かって飛び上がった。
「マシンガン爆裂バレット!」
キルは急降下して来るオリンピアサドニスに魔法で迎撃する。
オリンピアサドニスは急降下しながら爆裂バレットを双剣で叩き落とすがその弾丸は剣に当たると爆発した。急降下の勢いは削がれる。そしてキルの剣がオリンピアサドニスを襲った。
「斬鉄剣!」
キルの狙いはオリンピアサドニスの武器破壊だった。右手に持つ剣がキルの剣で切り飛ばされた。
そして返す刀が左手に持つ剣も切り飛ばす。もし左手の剣で受けなければ、オリンピアサドニスが斬られていたかもしれない。
オリンピアサドニスが飛び退いた。そして壊れた剣を投げ捨てる。そこに全員からの遠距離攻撃が集中した。
「猛虎金剛拳!!」
オリンピアサドニスは拳で攻撃を叩きながら上にジャンプして避ける。だが被弾は完全にはさけられない。今までより多くの攻撃を受けていた。
顔色ひとつ変えず平然とジャンプしながら攻撃を躱しつつオリンピアサドニスが次に狙ったのはユミカだった。
ユミカの間合いに入って連続で左右のパンチを繰り出す。ユミカが空中でパンチを躱わす。
オリンピアサドニスは空中で小刻みなステップを踏んだ。ボクシングの様な構えを取る。その背後をキルが取った。
「兜割!」
キルの剣が牙を剥く。その牙をオリンピアサドニスの振り向きざまの輝く拳が受けた。
剣と拳が凄まじい光を放ち二人は互いに弾け飛んだ。
「岩石崩し!」
弾け飛んだオリンピアサドニスの背中にユミカが正拳突きを撃ち込んだ。オリンピアサドニスは回避行動が取れずにまともにユミカの正拳突きを受けて反対に飛ばされた。背中には拳の跡がくっきりと残っている。
飛ばされたオリンピアサドニスに取り囲み直していた全員の遠距離攻撃が集中した。
「ウオー!!」
その攻撃を受けながらオリンピアサドニスが全身にエネルギーを込めて防御力を強化する。エネルギーの外皮がオリンピアサドニスを覆い撃ち破られまた外皮が作られる。
オリンピアサドニスが全身に攻撃を浴びながらも回避のためにジャンプを繰り返した。その身体は相当のダメージが刻まれている。
オリンピアサドニスは顔を歪めて額から汗を流していた。
回避のためにジャンプしたその先でキルが剣を構えて待ち構えている。
「兜割!」
気付いたオリンピアサドニスは十字に腕を組んでキルの剣を受け止めるがエネルギーの外皮が割れてそのまま真下に叩き落とされた。両腕には浅からぬ傷跡が付けられている。
そのまま大地に突っ込んで地響きと爆発が起こった。
「ドカーン!」
岩石が飛び散る。
地面にめり込んだオリンピアサドニスに周りから容赦ない集中攻撃が降り注いだ。
その攻撃を浴びながらもオリンピアサドニスが立ち上がった。
「なんという防御力」
呆れた様にグラが呟く。
「アトミックインパクト!」
「エクスプロミネンス!」
キルとサキが究極の爆烈魔法を唱えた。
キノコ雲が昇る。
炎の中に黒い影が立っていた。
「まだまだだぞ!」
グラの声に攻撃が再開される。一瞬止んでいた全員の集中攻撃が再開される。
「アトミックインパクト!」
「「エクスプロミネンス!」」
キルとサキとクリスが持てる最強の攻撃魔法を打ち込み続けた。
オリンピアサドニスは動くこともできずにその攻撃を受け続けた。
逃げることもできずに延々と続く魔法攻撃やアーツよる攻撃を受け続ける。
そして遂にオリンピアサドニスは地に伏していた。遠くで獣人達とロマリア軍の戦いが続いている。
地に伏したオリンピアサドニスの傍にキルが降り立ちとどめを刺す。
「斬鉄剣!」
エネルギーが込められ輝きを増すミスリルの剣がオリンピアサドニスの首を切り落とした。
キルはその切り落とした首を高く上げて皆んなに見せる。
「やった!」
「おー!」
「倒したのね!」
口々に喜びと安堵の言葉が漏れる。
「戦場に戻って残りを掃討しよう!」
キル達はまた飛びたってビッグベンの軍に引き返すのだった。
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