299 ニコゴンダンジョン攻略
アルバスで遅い昼食をとった『15の光』は再び飛行してユフリンに向かった。
ユフリンでニコゴンダンジョンに潜った時の食糧などを大量に調達しておく予定だ。
アルバスで『マウスボーイ』らしき二人組を見かけた情報を全員で共有した。
「ホーランの街からもう此処まで移動していたんだね」とグラが感心する。
「もう少し大人数の盗賊団かと思っていたのじゃがな」ロムは『マウスボーイ』の人数について疑問を持ったようだ。
「きっと他にも仲間がいるんじゃない?たまたまその時は分かれて行動していただけよ」とサキ。
「そうかもしれませんわね」とクリスもサキの意見に賛同した。
ユフリンに向かって飛びながら会話するグラ達。
ユフリンに到着してキル班とグラ班は食糧調達に向かい、マジックバッグやストレージにたくさん収納してダンジョン攻略の準備を行った。ロム班はユフリン冒険者ギルドに行って掲示板などから最近の情報を集めた。
ロム、ホド、エリス、ユリアの4人は掲示板の高難度依頼をチェックして強力な魔物が出現していないか確かめたが残念ながらドラゴンの出没情報は記されていなかった。
四人はグラ班やキル班にニコゴンダンジョンに行って最深部を確認すること一択だと知らせるのだった。
ユフリンに一泊して翌日はニコゴンダンジョンに潜る。ニコゴンダンジョンはAランクダンジョンで今まで何度も入って来たし、よく知るパターンのダンジョンだ。
第1階層はミノタロス、第2階層はレッドオーガ、第3階層はシザードウルフチーフという魔物の出現パターンでフクラダンジョン型と言ってしまっても良いだろう。
この辺りのAランクダンジョンはこのパターンが多いと言えた。
第4階層の鎧竜まで無人の野を行くように走破して初日は第4階層で野営を行った。
2日目に第4階層のフロアボス、レッドドラゴンを倒して第五階層に入りブルードラゴンを倒しながら進みフロアボスのエンシェントドラゴンを圧倒した。
第六階層はレッドドラゴンが彷徨いている。そしてフロアボスはフクラダンジョンの場合エンシェントドラゴン2匹だった。運が良ければ此処のフロアボスがエンペラードラゴンという事が有ってもおかしくないと思って密かに期待している。
格下のレッドドラゴンを相手にエリスとユリアが剣を振るう。ミスリルの剣に魔力を流し切れ味が上がったその攻撃は軽々とレッドドラゴンの鱗を切り裂き深く深くその肉をえぐった。
レッドドラゴンの攻撃も余裕で躱しカウンターで剣撃を走らせる。レッドドラゴンはなすすべもなく倒されたのだった。
「次は私達でいいよね!」モレノとルキアが言った」
今は二人ずつでレッドドラゴンを相手にしている。
エリスがレッドドラゴンの魔石を拾いながらいった。
「次はどうぞ」
ユリアも頷いた。
そうこうしながら第6階層のフロアボスのところまでやって来た。
期待はしていたが、残念な事にエンペラードラゴンはいなかった。そう簡単には出会えない。
エンシェントドラゴン2匹の相手をキル班が任された。
キルは神級と言えどもステータスは並の神級ではない。一匹のエンシェントドラゴンの首を一撃で飛ばし、残りの一匹をクリス達に任せる。
キルが手を出せば簡単に戦いは終わるだろうが、少女達にも経験値が必要だ。危なくなることもないだろうがもしもの時のためにキルは彼女達の戦いを見守った。
少女達の戦いもさほど時間もかからずに終わった。ユミカが近接戦闘でエンシェントドラゴンの攻撃を封じるとクリスとケーナが魔法と弓矢で遠隔攻撃を繰り返す。必殺技を使うまでもなく通常の攻撃を繰り返すだけで無難に討伐に成功した。
「此処にもエンペラードラゴンはいなかったっすね」
「世界に1匹のエンペラードラゴンですもの、そう簡単には出会えませんわよね」
「竜の国とかないので有るかな?」
「そんな国があったら、もしかするとそこにいるかもな」
「先に進むっすよ!いつものパターンならこの先にダンジョンコアとお宝があるはずっす」
『15の光』は先に進んでいつものようにダンジョンコアにたどり着いた。宝の箱とミミックが化けている宝箱を見つけれミミックはホドが一刀の元に切り殺した。
宝の箱の開錠はキルが開錠の呪文を唱えて中身を取り出した。
「片手剣ですね……何か魔法がエンチャントされているようです。え〜と、セイクリッドライトニングセイバー……エネルギーと魔力を込めると光の剣になるのかな?何か面白そうな剣ですね。聖属性武器かな?」
キルが鑑定しながらみんなに剣を見せた。
「聖騎士とかが使うと効果が高くなるのかな?」グラが聞いた。
キルは鑑定を続けながら言った。「そう見たいですね、聖騎士が使うと攻撃力が2倍で闇属性のものに使うと攻撃力2倍……対闇属性武器ですね」
「悪魔相手に使うための武器じゃな」とロム。
「良いもの見つけたじゃない。悪魔の相手は大変ですものね」とサキ。
「聖騎士のジョブはキル君が持っているからその剣はキル君に預けておくよ。いざという時には使ってくれ」グラが言った。みんなその意見に納得しているようだった。
キルはストレージに保管する事にした。
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