287 オークデルダンジョン
ダンジョン内を走って進むキル。出会う魔物を討伐する事もなく走り抜ける。フロアボスがいる階はボスを倒さなくてはならないが浅い階層のボスは倒されていた。
現れる魔物はオークデルダンジョンもオークダナダンジョンとほとんど似ていた。
初めはオークだ。そして次がマンティス。
第9階層で初めてフロアボスのオークキング3体と遭遇して倒したがそこまではフロアボスは復活していなかった。第10階層ではグリーンマンティスをスルーしてフロアボスのシルバーマンティスを倒す。第11階層に侵入すると奥から向かってくるグラ達の気配をみつけた。
どうやら帰ってくる途中だったらしい。予想していた事とはいえ仲間が無事なのを確認してホッと力が抜ける。
しばらくしてキルはグラ達と合流した。
「どうかしたのか?キル君」
グラがキルを見つけて声をかけた。
「いえ、何も問題ありません。ただ迎えにきただけですよ」
「此処にはエンペラードラゴンはいなかったよ。そっちもかい?」
「はい。残念ながら」
「宝箱にはエリクサーが入っていたよ」
「こっちもです、同じだったんですね」
キル達は話しながら地上を目指す。
「残りの6人は?」
「宿屋で待ってると思いますよ。走って此処まできたのでダンジョンに入ったのは今朝なんです。今から走って戻れば夜までには出れるかな?」
「キル君はタフだね、一日中走れるのかい?」
「そう言われるとそうですね。でもできそうですけどね」
「私は走らないわよ!」サキが顔をしかめる。
「明日には地上に出られそうですね。俺は宿に戻って明日ダンジョンの出口で皆んなと待ってますよ。そこで合流しましょう」
「わかったよ」グラが頷く。
キルは来た道を走って引き返した。ダンジョン内を走って宿屋を目指す。
宿に着いたのは夕方だったので、宿屋でクリス達6人が待っていた。
「お帰りなさい、皆さんは?」クリスが1人で戻ってきたキルに聞いた。
「会えたよ。皆んな無事だ。明日ダンジョンの出口で合流の予定だ」
「そうっすか、どうしてキル先輩だけ先に戻れたんすか?」
普通一緒に戻ってくるものと思うのが当然かもしれない。
「俺は走って戻ってきたから…11階層で出会えたんだけどたぶんグラさん達は4〜5階層で野営をしてる頃だと思う」
「なるほど、納得したっす。キル先輩走りっぱなしだったっすね?」
「まあ……な」
「お疲れ様でした」クリスが優しく微笑む。
まるで天使のようだ。
「ダンジョンから出てくるのは明日の10時くらいっすかね?その感じだと」
「たぶんな」
「では、明日宿屋を出てダンジョンの前で待ちましょう」
「わかりました」「うん。うん」
「はーい」「はい」
「昼間露天でこれ買ってきたんですけど、鑑定お願いします」
モレノが変な置き物を取り出して見せる。マリカのように置き物なら掘り出し物があると思ったのだろうか?
キルはモレノの顔を見つめてから置き物に視線を落とした。
どう見てもガラクタだな。
「残念だがただの置き物だよ。まあ…素敵な置き物だから良いんじゃ無いかな」
「チッ、掘り出し物かと思ったのにただの置き物だったか」
モレノが残念そうに置き物を睨みつけた。
「当たり前」ルキアがボソリと言った。
「だからただの置き物じゃ無いの?ってみんなが言ってたでしょー」「うん。うん」
「そんなに掘り出し物が有るわけないっすよ」
モレノは口を尖らせてまた置き物を睨んだ。
「鑑定士のジョブをみにつけるかい?」
「「「「つけます!」」」」
皆んなが声を揃えて欲しがった。
「フーン、じゃあグラさん達にも渡そう」
キルはまずこの場の6人に鑑定士⭐︎1のジョブスクロールを渡した。
「これで掘り出し物見つけ放題だね!」とモレノ。
まあ、ガラクタを買わなくなるだけ良いかな……と思うキルだった。
翌日ダンジョン前でグラ達と合流、その時鑑定士のジョブスクロールを皆んなに渡してモレノに話で盛り上がるのだった。
鑑定はできて悪いということはない。そのうち⭐︎2、⭐︎3も皆んなに配ろうと思うキルだった。
「それじゃあ、一度ルビーノガルツに戻ろうか、ゼペックさんとクッキーちゃんが待ってると思よ」
とグラ。
キル達は一度ホームに戻ってから次の計画を立てようと話すのだった。
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