285 オークダナダンジョン 1

「次のダンジョンは二手に分かれても良いと思うのよ。どうかしら?」


「戦力的には大丈夫だろうと思うよ。俺達4人にマリカ、ユミカの6人とキル君達の7人に分かれて戦えばたとえエンペラードラゴンが相手でもなんとかなるんじゃないかな。最悪逃げるくらいはできるだろう」グラがサキの意見を受けて2チーム分割案を具体的にメンバー分けしてみる。


「そんなところじゃろうな。キル君と俺達4人を分けてそれに女の子達を組み合わせた方が戦力的にはバランスが取れそうじゃ!」


「それじゃあ俺たちはオークダナダンジョンに行きます。グラさん達はオークデルダンジョンの方をお願いします」

ロムがグラのいけんにさんせいし、キルが行き先を割り振る。


「マリカとユミカはそれでいいっすか?」


「別にいいであるな!」

「いい〜よ〜」


「それでは皆さん大丈夫ですわね?」

「大丈夫」「うん。うん」


「マリカとユミカとは少しの間お別れだね」


「合流はいつ何処でする?」ルキアが確認をする。


「此処からだとオークデルダンジョンの方が遠いしルビーノガルツにも近いからオークデルダンジョンのダンジョン街に俺たちが迎えに行くって事で良いんじゃないかな」とキル。


「それじゃあ宿屋は冒険者ギルドの宿かその街のできるだけ大きな宿屋を取ることにして部屋の窓から見えるところに目印として魔術師用の帽子を掛けておきましょう。私とクリスの帽子なら見ればわかるでしょう」


「良い考えですわ」


「それで決まりっすね。最も気配感知で神級の強さを見つければすぐにわかるっすけどね」


『15の光』は二手に分かれて2つのダンジョンを目指した。




ダンジョンまでは一っ飛びである。その日のうちにダンジョンに着き冒険者ギルドで一泊。ダンジョンに潜る前に十分にMPを回復しておきたいのだ。

途中食料の補充も欠かさない。街でテイクアウトできる料理をマジックバッグに収納しておいた。


キル達は翌朝からオークダナダンジョンに潜った。


第1階層はオークが徘徊している。ダンジョンレベルはBランクで、第1階層は中級冒険者が中心に利用するダンジョンだ。


先頭をエリスとユリアが務める。第1階層は石造の迷路をオークが一匹で徘徊しているが、第2階層はオーク2匹、第3階層はオーク3匹で徘徊していた。フロアボスはオークナイトが1匹、2匹、3匹だ。


第3階層になると他の冒険者パーティーはほとんど見かけなくなった。時々見かける冒険者パーティーは上級者が混ざっているパーティーだ。手に入る魔石は第2階層でも第3階層でもオークのものなのだから危険をおかす必要はないのだ。


第4階層からハイオークが徘徊しだしてフロアボスはオークジェネラルだ。これも第6階層まで2匹3匹と増えていく。第7階層はオークナイトが徘徊しだしてフロアボスはオークキングだ。これまた第8第9階層ではオークナイトが2匹3匹と増えていく。フロアボスもオークキングが3匹まで増えた。


第10階層でやっとオーク以外を見ることができた。グリーンマンティスだ。フロアボスはシルバーマンティスだ。次の階層はレッドマンティスとグレートマンティスだった。この辺になると周りに他の冒険者は見当たらない。上級冒険者のパーティーならば倒せるレベルの魔物だが11階も降りて来るには時間がかかり過ぎるのだ。それならばミノタダンジョンで狩りをした方が良いということになるのだろう。


「そろそろこの辺りで野営にしようか?今日はだいぶ頑張った気がするしね」


「そうですわね、外はもう夜でしょうからね」

クリスがキルの意見に賛同する。


「このダンジョンって意外と深いかもしれないっすね」


「この調子で魔物がいるとするとドラゴンがいるのは20〜30階層くらい潜らないといけなさそうですね」「うんうん」


「ドラゴンいないような気がする」モレノが呟いた。


「そう」とルキア。


「確かにそうかもしれないな」


「そうですわね、もう第11階層ですものね」


「あまり深すぎるダンジョンって、行き来するだけで大変っすよね」


「本当にね」「うん。うん」エリスとユリアも早くドラゴンにたどり着きたいと思っているようだ。


「この先長丁場になるかもしれないから、よく休むようにね!」


キルは皆んなにこれからの事を考えて注意を促した。

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