281 ミノタダンジョン 4
11人は、第3階層を先に進みフロアボスのハーピークイーンに遭遇した。ハーピークイーンの周りにはクイーンを守るようにハーピー達が集まっている。その数は20匹ほどだ。
ケーナがエナジーサウザンドアローでハーピークイーンと周囲のハーピーをまとめて攻撃した。
周囲のハーピーは矢に射抜かれて魔石に変わったがハーピークイーンはハリネズミになりながらも持ち堪えている。
ケーナが2度目のエナジーサウザンドアローをハーピークイーンに集中していかける。
流石のハーピークイーンも魔石になって消えた。
キル達は魔石を回収して第4階層に潜った。
第四階層は石壁の迷路になっていた。そして徘徊していたのはレッドオーガだった。
ユミカが先頭に立ってレッドオーガを殴り倒して進んでいった。ドラゴンナックルの威力は絶大のようだ。緑の髪を振り乱してユミカが躍動する。
次々にレッドオーガを倒してとうとうフロアボスのところまで到達した。
ブラッドオーガとユミカが一対一で闘ったがユミカがブラッドオーガを圧倒して瞬殺した。
そして第五階層に進んだ。
第5階層を徘徊していたのはリザードマンだった。
「この階層は私達に任せて!」
ルキアとモレノが手を挙げる。
ルキアとモレノが前に出るとリザードマンを駆逐し始めた。
フロアボスに辿り着くと2人は戦い始めた。フロアボスはブルードラゴンだ。
張り切るルキアとモレノはブルードラゴンを2人で余裕も余裕で倒してしまった。
「次は第6階層ですわね」クリスがキルを見つめる。
「そうだね、次は何がでるかな?」
第6階層は洞窟フィールドになっていた。広い場所も狭い場所もあるし足場も良くない。戦いづらいと言うほどでもないが足場は平らなほうが闘いやすい。
そして徘徊していたのは鎧竜……予想通りと言えた。
「武器を痛めないようにここは私が魔法で対処しますわ!」
クリスが杖を構えて呪文を放つ。
「アトミックボム!」
鎧竜が1発で魔石に変わった。
「杖の感じはどうだい?」キルがクリスに渡した杖の具合を確認する。
「とても良い杖ですね、魔法の威力が相当強くなっているように感じます」
その言葉を聞いてキルも満足した。
クリスを先頭にキル達は前に進んだ。
想像通りならフロアボスはレッドドラゴンだ。
クリス1人でも倒せるだろうがキルも早くドラゴンを倒すために攻撃の準備をする。
フロアボスを見つけた。やはりレッドドラゴンだ。
クリスとキルが魔法を唱える。
「アトミックボム!」
「セイクリッドエクレクス!」
クリスが爆烈魔法、キルが神聖魔法で攻撃した。
「エスプロシオン!」クリスはさらに神級烈風魔法で攻撃をする。
レッドドラゴンが烈風に切り刻まれて魔石に変わった。
俺が手を出す必要はなかったな……と思うキルだった。
新しい杖の威力は絶大のようだ。
レッドドラゴンの魔石を拾い第7階層に降りて行く。
この辺からドラゴンゾーンに違いない。
きっと徘徊しているのはブルードラゴンだ。
第7階層でブルードラゴンを見つけるとエリスとユリアが斬りかかった。
ブルードラゴンは2人に切り刻まれて魔石に変わった。
「この辺はまだ誰にも荒らされていなさそうだから宝箱も残っているかもしれないね!」
グラの言葉に少女達のテンションが上がった。
「この階層は隅々まで探してまわろうか?」
皆んなが頷く。
宝箱を探し始めると、皆んなの歩く速度が心なしか上がったような気がする。
現れるブルードラゴンは、皆んなで倒していった。
「あった!あれあれ!あれっすよ」ケーナが宝の箱を見つけて指差した。
「良いものが入っていれば良いね」
キルが箱に近づき罠がないか確認して開錠する。
「エリクサーが入っていたよ!」
キルはエリクサーを取り出して皆んなに見えるように掲げた。
「キル君が収納しておいてくれ」
「はい。それでは次に行きますか」
次の宝箱を捜索し始める。
第7階層をくまなく探し宝の箱はこれだけだった。
フロアボスのエンシェントドラゴンと対峙する。
「ちょっと一対一で腕試しがしたいであるな、やらせてくれぬか?」
ユミカが皆んなに許可を求めると、少女達は仕方ないなあという表情をして頷いた。
ユミカとエンシェントドラゴンとの勝負が始まった。
ドラゴン対ドラゴンナックルの戦いだ。
ユミカとエンシェントドラゴンは互角と言って良い状況だ。
「ユミカ、そこまでだ。互角の戦いなのは自分でもわかっただろう。悪いが安全マージンを取らせてもらうよ」キルは10分ほどの戦いの後にユミカの隣に寄り添う。
キルはエンシェントドラゴンの攻撃を拡大シールドで受け止めてユミカが落ち着くのを待った。
ユミカは横に立ったキルに不満そうだ。
「まだ負けてはいないぞ!」
「互角ではどう転ぶかわからない。冒険者は冒険をしてはいけない。もっと安全マージンを取れる相手と戦うべきだ。ニ対一なら楽に勝てる。もう自分の力量は試せただろう。此処でエンシェントドラゴンに辛勝できたとしても強さの評価に変わりはないよ。互角だ!」
「でも」
「次やるときはエンシェントドラゴンを相手に楽に勝てるように励むことだよ!」
キルはそう言うとエンシェントドラゴンに兜割をお見舞いした。
決して高位のアーツではない兜割でもキルの一撃はエンシェントドラゴンを魔石に変えるのには十分な威力だった。
魔石になったエンシェントドラゴンを見ながら悔しさを噛み締めるユミカだった、
ケーナがユミカの思いを代弁する。
「エンシェントドラゴンに勝てたら自信になると思うんっすよ」
キルがケーナに答える。
「エンシェントドラゴンに辛勝した事を自信にするのもエンシェントドラゴンと互角だったのを自信にするのもレベルは同じ事だ。此処で辛勝したからと言って必ず勝てる実力がついた訳じゃないんだ。運が悪ければ負けていたと言うレベルなんだからな」
「次はエンシェントドラゴンに余裕で勝てるように励む所存である。」
ユミカは悔しさを胸に再戦を誓った。
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