273 ダンジョン攻略4
悪魔についての知識を多少増やす事ができたキルであったが結論は変わっていない。
要するに関わり合いにならない事が1番良いという事なのだ。
その晩キル達のために歓迎の宴会が催され悪魔の事は忘れてみんなで楽しんだ。
「今はエンペラードラゴンを探しているんですよ」
「なんだって、ドラゴンと言えば、このドラゴンロード様を除け者にしちゃあいけねーぜ!」酒の入ったドラゴンロードがキルに絡む。
「ドラゴンロードさんはドラゴン狩りに行きたいんですか?」
「イヤ〜、俺はドラゴンとは仲良しだからな!まあ親戚みたいなものよ!だから奴等とは戦わね〜」
「そうなんですね〜」
「そうだぞ〜、べらぼうめえ!俺の父ちゃんの父ちゃんの母ちゃんの父ちゃんがドラゴンだったらしいぜ!」
「そうなんですか?それじゃあドラゴンロードさんにはドラゴンの血が流れてるってことですね!」
「あたぼうよお〜」
訳のわからない事を言い出すドラゴンロードだった。
「こいつの母ちゃんは大虎だったらしいがな!あっはは!」
「何だと、この賞金稼ぎ!たまには賞金稼いでこい!てんだあ〜」
楽しい夜がふけていった。
次の日緑山泊に別れを告げて一旦はルビーノガルツのホームに戻った。
そしてこれからどうするかを話し合う。
「さてこれから何処を探そうか?」
グラが皆んなに意見を求める。ドラゴン狩りに行く事は決まっている。何処から探そうかという事が問題になっているのだ。
「トリンドルの東のオークデルダンジョンとその南のオークダナダンジョンに行くか、王都の周りのゴブトレダンジョンとミノタダンジョンに行くかの2つに1つじゃな」
「ベルゲン王国内のダンジョンはその4つくらいかしら?」
「そうだね。ベルゲン王国内のダンジョンはあと4つだ」
「二手に分かれるというのも有りかしら?いつも戦力余っちゃってる感じだし、フロアボス戦以外は出番がないのもね〜」
サキの提案に少女達は顔色を変えて見つめ合った。
大人達とキルは二手に分かれる事に不安は無かったが少女達は違ったようだ。
少女達の様子を見てグラがとりなした。
「まだ二手に別れなくても良いさ。最後のエンシェントドラゴン2匹を相手にする時は一緒に戦ったほうが安全だしね」
「それにエンペラードラゴンがいた時、どうなるかわからないですからね」
キルも少女達の事を思いやる。
「そうね、安全が第一よね。ごめなさい、変なこと言っちゃって」
サキが謝った。
「そうじゃな、これから行くダンジョンが今まで行ったダンジョンと同じと思ったら間違いかもしれんしな」
確かに今までのダンジョンが同じパターンのものだったとしても、全てが同じパターンのダンジョンとは限らない。当然違うパターンが存在するはずだ。
「二手に分かれる話は無しにして、私は王都によって観光がしたいかな!だから先に王都のそばのダンジョンの方を攻略したいわね」
サキは、少女達が明るくなるような提案をした。
少女達の顔に安堵の笑顔が戻る。
「良いっすか?実は自分も二手に分かれるのは悪くないと思うっす。でもその前に試しをした方が良いように思うっす。以前キル先輩は自分らに戦わせて後ろから手を出さずに見ていてくれた事が有るっすけど、ああいうふうにバックアップしながら経験値を積ませてくれたのは、不安も少なくてだんだん自信もつけられて良いやり方だったのだなと思ったっす」
ケーナが以前のキルの指導方を思い出して言った。
「その時は冷酷な人みたいに思ったけどね」「うん。うん」
「そうそう、いきなり放置は怖かったけど、無理な事をさせた訳じゃなくて、その実力があることをちゃんと判断してやらせてたのよね〜」
「モレノ、たまに良いこと言う」とルキア。
「そうであるな。初めは試してみたら良いである」
「手を〜、出さずに〜、後ろでー控えて〜」
「わかった。そうしてみよう。最初にキル君がエンシェントドラゴン2匹を相手に倒せるかを試してその後残りのみんなでエンシェントドラゴン2匹を倒せるかを見てみるってのはどうかな?」グラがまとめる。
皆んながキルの顔を見つめた。
トップはキル1人でエンシェントドラゴン2匹と戦うのだ。
「大丈夫です」キルは頷いた。
キルには精霊召喚という切り札がある。実質2対5で数的優位に立つ事ができるのだ。
頷いたキルの顔に不安の色は無かった。
「じゃあ、そういう事で王都を目指しましょう」
サキの言葉に美少女達も笑顔でうなずいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます