272 ダンジョン攻略3

翌日食糧をストレージ内に補充してフクラダンジョンに出発する。


昼には到着してダンジョン内に潜り第4階層で野営をした。


第4階層のフロアボスはレッドドラゴンだ。その後は第5階層を徘徊するブルードラゴンが相手になる。キルにとってはハッキリ言って問題にはならない。ただ剣を振りながら歩いていくようなものだ。


第5階層のフロアボスはエンシェントドラゴンなのでキルが少し気合を入れて一対一で相手をしたがもうキルは余裕で倒せるほどに成長していた。


エンシェントドラゴンもキルと同じ神級レベルのはずだがキルは数多の討伐経験を重ねていたし経験値10倍のユニークスキルのお陰でステータスはどんどん成長し続けている。普通の神級レベルでは相手にならない。



第6階層に入るとやはりそこにはレッドドラゴンが徘徊している。


全員神級の『15の光』のメンバーは王級のレッドドラゴンなら一対一で余裕で倒せる。

現れるレッドドラゴンを順番で相手をする。


第6階層のフロアボスは残念だがエンペラードラゴンではなくエンシェントドラゴンが2匹だった、ゴブタダンジョンと同じパターンだ。


ゴブタダンジョンの時と同様にキルが1匹受け持ってもう1匹を残りの皆んなで総攻撃だ。勝負はもうあっさりとついてしまう。


そして第7階層を調べる。ダンジョンコアを発見して手を出さずに引き返した。


第6階層で少しレベル上げのためにレッドドラゴンの狩りをしてダンジョン内を動き回った結果宝箱を見つけて身代わりの腕輪をまた手に入れた。


そして今日も第4階層で野営をする。やはりいつもの場所で野営をするほうが落ち着くというものなのだ。


翌日はダンジョンを出て緑山泊に向かった。



「おやおや、キル君達がきてくれるとは思いませんでしたね。何か急な要件でもできましたか?」迎えに出てくれたゾルタンがキルを見る。


ジルベルトとソンタク、緑山泊の皆んなが集まってきていた。


「パリスでなくて、ルビーノガルツで冒険者をしているらしいな?」ドラゴンロードが胸で両腕を組んでいる。


「お久しぶりです。今はルビーノガルツで冒険者をしています。よくご存知ですね。実は今日は悪魔について少し聞きたくてやってきました」

キルが来訪の目的を話した。


「実はこの前悪魔の軍団と戦う事がありまして…」


キルの話に緑山泊に皆んなが驚いて動きが止まった。


「悪魔の事を知っているなら少しでも教えてもらおうかな………と」


ゾルタンがソンタクに視線を送った。


ソンタクが悪魔のことについては1番詳しいらしい。


「悪魔の事は教会の書物に記されている事しかわからないけれど、知っている事は話してあげるよ」とソンタク。


「えーと、戦ったのは蜘蛛顔の悪魔だったんですが、グラシャ=ラボラスの配下の軍団長で名前は無いと言っていたのですがわかりますか?」


「蜘蛛顔の悪魔については読んだ事はないけれど、その悪魔の言った通りなのだと思うよ。軍団長には名前はあっても意味が無いと書かれていたように思う」


ソンタクは続けた。


「たぶん名前は現れた場所や時代、その時々でいくつもあって意味が無いのだと思う。推測だけれどね。それに悪魔は他の者に真名を教えないらしい。だから我らが呼んでいる名のある悪魔の名も我々が勝手にそう呼んでいるだけなんだ」


「蜘蛛顔の悪魔はグラシャ=ラボラス様と呼んでいたけど?」


「それは真名ではなく通り名なんだ。やはり場所や時代によって別の名で呼ばれる事もある。ただおおよそ最高位の9柱はほぼ通り名が固定されているようだよ」


「蜘蛛顔の悪魔を倒した時に、悪魔は復活するから待っていろって言っていたんですけど?」


「悪魔は倒してもいずれ数千年か数100年すると復活するらしい。人間が悪魔の復活を待つのは無理だけどね」


「疑問が解けたような気がします。できるだけ彼らとは接触を持たないようにしようとは思いますけれど……」


「そうだね、倒す事自体があまり意味がなさそうだしね。いずれ復活してしまう訳だし」


「そうですね。悪魔って強いし、眷属というのがどんどん現れて倒しても倒してもキリがないです。こちらの世界に来ないでもらいたいものです」

キルはもう関わらないという思いを強める。揺らぎをみても触らないようにしようと思うのだった。


「その通りだよ。」ソンタクが頷いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る